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あ
○○
お父さん 僕は いらない 子なの 。
吐き出された 白と赤の 混合された歯磨き粉の泡。
白い洗面台に 広がり垂れる のを眺める。 浮かび響く葉。
左か。
空白。 僕もだ。 いらない子だ。そうだとしても 僕もだ。
○
伝統だな。 いらない伝統。 お前もうまくやればいいのさ。
主観では巧く 客観では甘く 実態では美味く。
過ぎ去る速さに 追い付けや しないのだ。
歪んだ思い出に どれだけの値打ちが あるものか。
入れ替えても 違いなど有っても どうとでも 落とし所が在る。
あべこべで ぐちゃくちゃで 迅速だ。
掴んでも 離しても 変わりなど 有っても無くても だ。
痙攣ばかり上手に為った。




