あ
○○
輝く無明に浸る人よ。その 輝く とろみが流れ出さないなら 勝利者は貴方だ。 勝ち そこからの 利潤を甘受する 輝く無明に浸る人よ。
取り零さない人よ。内の 輝く無明に集中し 逃がさないなら 幸福者は貴方だ。 負け そこまでの 苦痛を忘却する 取り零さない人よ。
○
ぐらぐらと煮え立つ 輝く無明。
もう無い。至福の時。 粕も残らず に。
○
底が 抜けたのか。
ぽっかりと。
偉大な時期は 短く。
すっかり腑抜けた。
肉の消化管。過剰な幸福に浸る弊害。死を待って真っ先に。
○
死は唯 一つ。
死んで終えば もう一つとは いかない。
覚えてないだけかも 知れないが。
さっぱり忘れて しまうなら 二度ほどは 無いで よいだろう。多くても。
○
納涼には まだ 早い。
怪談物を 棚に戻して 立ち読みを 切り上げる。
内容物に対して 体が 過剰に反応する。
話として よく出来ているな と感ずるモノにも 必ず 皮膚が反応するとは限らない。
平凡で 何が切っ掛けか 分からないモノに 反応したりする。
いい加減な 反射。
○
白い肉林。
雪が降り 翌日 よく晴れた昼下がり 林に行けば そこは 肉林の。
ぼたぼた 滴る。 どさり 落ちる。
白い肉林の。
湿った空間に漂う 。
吸って吐けば 清涼無臭な体内。立ち上る気体。
隔絶された。
○