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あ
○○
湿気った空気中。
歪な土台の上には 歪なモノしか 出来ない。
自分の言葉がのし掛かる。
連続した 技術の連なりに 。 繋がりが こうも 。理解が難しいのか。
冷えた飯を温め直し 掻き込む。
何故 。
○
重さ たった 十㎏。 鉄の棒。
細る細る。 繋がれた 夏の日。
ひんやりとした 倉庫。
清純派なセクシー。 背表紙の瞳が ずらり。
こちらに向けられて。 丸い光が瞳に映る。
二人 擦れ違う通路。手を上げて立てば 独り占め。
縛られた女優が 物憂げに 見詰めている そんな背表紙。
ごきごきと足を組み 組む五体。
何故。
○
目が 並んで 列に収まり 見詰める。
気が散る。 背表紙には目が有る や。
何の為に。
細る。
痛む。
うすら 寒い 滴り。
才人は どちらか どちらもか。
抱え込んだ影は濃く 満月が巡り 差し出される。