前日になった
急遽退院日決まる。
2017.1.14土曜日。
電子メールにて通知される。
早く順調で滞りなく決まった。
○
お見舞いも今日で最後。
寒く雨に降られた。
天気雨だ。
暖かい日差し。
それ以上に冷たい風と雨。
光が差し込み斑になる歩道。
別たれた明暗。
学生の集団。
○
縦にも横にも分厚く白い雲。
夏の様だ。
病院の上には青。
病院の周囲には白。
寒波は厳しく寒くて動きが鈍る。
○
エレベーター。
丁度に駆け込み7Fを押す。
ぐうん。
ちん。
滑り降りナースステーションへ。
面会を伝える。
「面会いいですか。」
少し間が空く。
ステーション内部で発生する目配せ。
奥から寄って来る一人の看護師さん。
「×××さんですね。どうぞ。」
僕は頷いた。
○
連日だ。
顔も覚えられた。
それも今日まで。
馴れたアルコール消毒をする。
手に刷り込む。
入室の手順。
既に開け放たれた病室の扉。
潜り抜け真っ直ぐ行って右方向窓際。
今日は今までより確り引かれたカーテン。
丁寧かつ万全な目隠し。
そっと捲る。
覗いた先でぐっすりと眠っていた。
幸せな眠りを堪能している。
顔色も良い。
○
静まり返った四人部屋の病室。
きっちり引かれた四枚のカーテン。
茶色と桃色の中間色に見受けられるそれは
部屋に割り振られた患者さんの存在を伝えている。
今この瞬間に在室かは知れないが。
病室の窓から外を眺めた。
十数秒の間。
振り返る。
寝ている。
外を眺める見舞い客。
ぼんやりと眺められる高所の窓からの景観。
患者を放っておいて。
しばし待つ。
何秒か。
振り返る。
寝ている。
○
そのままにして帰った。
昼寝の邪魔には為らなかったはずだ。
ならなかった。




