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第一話 私はコレで魔女になりました-7
「そんなのいやよ。返してってば」
だが、そんなことはお構いなしに呪文を唱え始めた。
「やめてよ」
「空き缶になーれ」
「きゃー」
一瞬のうちに、女の子は空き缶に変えられてしまった。
だが、そんなこと彼女はお構いなしだ。
「じゃ、私、急いでるから。家あっちだよね?」
そういうと、空き缶になった彼女をその方向に向かって思い切り蹴飛ばしてしまった。
クワァンッ。
明るく乾いた音が誰もいない公園に響いた。
「ひどいよー。妖ー」