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5.石壁の中の人の嘆き

「……分かっていました」


 先に口を開いたのは石の中の男・ハデスだった。


「分かっていたって?」


 バイスは、目の前の男にようやく返事をする。ハデスの言葉は、牢獄暮らしが長いバイスには難しかった。さっき男が喋ったことも、所々しか理解できていない。


「神官でもなければ話ができないという事です」

「神官……」


 そうハデスに言われて、バイスの脳裏に浮かんだのは自分の島の神官だった。

自分を鬼に食べさせろ、と神様に言われたと言った神官は、今どうしているだろう。神殿で神様の言葉を聞くのに、忙しくしているのだろうか。

 ハデスは、バイスと驚いて腰が抜けたままの鬼を見比べる。


「何故、私はこのような愚かな生物に造り出されたのでしょうか。全くもって、謎です」


 ゆるく頭を振ったハデスは、薄く笑った。手を上げて、バイスと鬼の後方へ指を指す。

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