表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/27

25.終わり1

「ハデス、お邪魔します」


 可愛らしい子供特有の高い声が、島の浜辺に響いた。

 色が白く、黒髪に赤い目をした不思議な少女だった。


「ここは、確かに私が居る島ですが、私の家というわけではないのですが……」


 ハデスの声が、島の浜辺にいる者たちに届いた。


「子供の言う事に、けちをつけるな。今日こそお前をバラバラにしてやろうか」

「ミコト。今日くらいは、ハデスとの喧嘩は無しでいこうよ」


 両側で少女の手を引くのは、もう完全に大人へと成長したバイスとミコトだった。


 ミコトは、もうハデスの作る霧で日光を遮ってもらってはいない。自分で作った動物の骨に布を張った傘を、優雅にさしている。


 その後ろには、族長になったバイスに仕える漕ぎ手がいる。

 

 ――あの数年前の事件の後、バイスは誰かが神を独占し、言葉を伝える制度をやめた。


 神殿を開放し、ハデスやデメテルに誰もが会えるようにしたのだ。結果、誰もが平等に教育を受け、皆がその知識でもって町をよりよくしていこうと頑張っている。

 また、何かを決めるときには、誰か一人が決めた事に従うというのもやめた。決めなくてはならない事がある時は、町の中から代表を数十名選出しておいて話し合いで決定している。


 様々な事が変わり、良くなったことが多かった。


 しかし、色々な意見が出て、皆が自分の意思で動くようになったが故の問題も出てきていた。

バイスやミコトは、問題の収拾をつけるのに忙しく働いている。


 デメテルと同じく連絡の取れなかった、ヘラが治める町と交易も開始していた。 ミコトが住んでいたヘラの町も、バイスの町と同様の状況に陥っていて、交易は難航している。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ