表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

勇者は○○に夢中です

「ふぅ、困ったもんですじゃ」


部屋に入るなりため息をつき開口一番にそう言って席に着いた。

「おや、どうなさった?」

先にいたものがその様子に反応した。

「何を困っているというのか、第42世界の」

「おぉ第12世界のもいたのかね。実に困っておるのじゃよ」

第42世界と呼ばれたものは一同を見回し、続けた。


「我らは数多ある世界のそれぞれにてラスボスを務めておるじゃろう。

世界の定めた運命(シナリオ)に従って結末(エンディング)を迎えるように活動(ロール)しておる。

運命(シナリオ)の主役は世界を救う勇者(プレイヤー)じゃ。

運命(シナリオ)を進めるには勇者(プレイヤー)がイベントをこなすしかないじゃろう?」


「ふむ。それで?」

何人かが頷き、先を促した。


勇者(プレイヤー)がイベントをこなさなければ、運命(シナリオ)は動かん。

どれだけ我らの準備が整っておようと、じゃ。

何日、何ヶ月どれだけ経とうと勇者(プレイヤー)が進まねば我らは何もできぬ!」


「それはそうだが第42世界の、何が言いたいのだ?」

長くなりそうなので第12世界と呼ばれたものは本題を尋ねた。


「いまわしの世界の勇者(プレイヤー)


釣 り に 夢 中


運命(シナリオ)そっちのけなのじゃ!!」


第42世界の叫びが辺りに響いた。

少しの静寂が訪れ……


「お、オレのところもだ!」

「我の世界も!」

「わたしの世界でもです!」

「うちはカジノにはまって!」

「コッチは図鑑コンプに!」

「鬼ごっこのハイスコア狙ってて!」

「うちは武器強化や錬金にはまったみたいでなぁ」

「モンスターを仲間にするのに夢中で!」

「なわとびずっとやってるのぅ」

「隠し宝箱探すのに夢中になってる」

「遺跡でずっと発掘してるぞ、オレのとこは」

「今はスノボーにハマってる」

「カードゲームを極めておるのじゃ」

「ひたすら金稼ぎしておる」

「大根 盗ンデル」

「なんか旗探してるゼ」

「…アルバイト…してる…」

「トロフィー集めとるぞ」

「ポスターを貼ってるよ、ひたすらね」

横道(サブシナリオ)に入ったまま出てこない」

「称号集めとるな」


たくさんの同様な悲痛な声が続いた。

多くの世界で勇者(プレイヤー)は目的を失っているようだ。


「このままカジキが釣れなければ…いやまだカツオも釣れておらん…他にも釣る気の様じゃし…

どうしたらいいのじゃ……?」


「しかし我らには運命(シナリオ)を動かす力はないぞ!?」

「なんであんなにやりこみ要素を創ってしまったんじゃ!」

「もう随分と長いこと進んでないなぁ」

「うちは攫った姫が退屈してるからってモンスターたちと仲良くし始めたのだが」

「俺は隠しボスだけど仲間だから一緒に釣りとかしてるな」

「お前それならイベントこなすように言えよ」

「あんな勇者(プレイヤー)に言えねぇよ。すげぇ形相なんだぞ!」

「一刻も早く世界救って欲しいんだけどな」

勇者(プレイヤー)が来る直前に滅ぼされる町の住人 (雇われ)がまだかまだかって待ってんだけどさぁ。もう無人でもいいかなぁ?家帰りたい言ってんだよね」

「同じ所にものすごく出入りしておるせいで近隣住民から苦情きてるのだが。わしのところに。解せぬ」

「うちだけかと思ったら意外と皆様同様な状況なのですねぇ」

「エネルギー 不足 近イ」

「うちは周回だからもう諦めているゼ」

「我らにはどうしようもできぬぞ…」

勇者(プレイヤー)のせいで経済流通がおかしくなってきたのだがどうしたら?」

「由々しき事態じゃのぅ」






どうしたら勇者(プレイヤー)は先に進むのか。

数多のラスボス達は、頭を抱えた。

彼らのその悩みが尽きることは勇者(プレイヤー)が先に進まない限りーーーーーーーーーーーーーーーーーーー無い。

いろいろなゲームのラスボスたちが集まって悩みを打ち明けてみました。

キャラは知らないから適当だけどね!

よくあるやりこみ要素と適当に有名どころ?を書いてみました。


ゲームは好きだけどやりこみ要素で躓き挫折することは多い…

でもやってる間はそれに夢中になる。

正直世界を救うより今コレをクリアすることに命賭けてる!

みたいな状況になる。


少しでもクスッとしてもらえたらいいなぁ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 心当たりのあるものが多々……。でもプレイヤーが脇道で遊んでいる間はシナリオ進行しない、つまり世界も滅びないので大丈夫ですよ!
2014/10/23 11:29 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ