鳴神
近頃お前は、
昼過ぎになると現れるんだ
気が付くと近くにいて
重い低音を響かせる
近所のこどもが
驚いて逃げていくぞ
隣の猫が
身を翻して逃げていくぞ
まったくお前は
そうやって楽しんでいるんだ
先触れならばもう少し
穏やかにやってくればいいものを
けれども
これがお前だな
けれども
それがお前だな
俺はお前の訪れを
わくわくしながら待つこどもだ
薄暗くなっていく街を見て
外に飛び出す変わり者だ
さあ、遊ぼうか
お前と俺とで
お前は得意の太鼓と光で
世界を舞台に変えるから
俺はそれを独り占めして
世界を舞台に踊るんだ