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第33話「交戦 Part 1」

長いです

なのにPart 1


ごめんなさい

 島の視察、調査、そして占拠は朝早くから行われた。まずは二朱町(にあちょう)が管轄している区域…役所や消防団の詰所の他に…曽野上(そのうえ)の会社、つまり30艘ほどの漁船が停泊している漁港が管理下に置かれ、やはり養殖場や牧場にもまた、兵士たちが無遠慮に立ち入った。町長の指示で島民のほとんどが自宅待機していたが、農業や牧畜を営んでいる人たちはそういうわけにはいかない。クゥクゥ達の従事を失った彼らには、普段よりも業務が増えてしまっている。養殖場にも種々の魚の餌やりや環境管理のため、沢渡(さわたり)さんをはじめとする研究員達が出所していて、兵士たちと揉める一幕があった。兵士たちに同行していた鷹美(たかみ)さんが研究員達をなだめ、おとなしく従うように、そして兵士たちに対してはなんら臆するような態度をとらず、仕事の邪魔をしないよう強く要求していた。

 鷹美さんだけではなく、町長、小恋(ここ)ちゃん、役所の職員たちも各所で対応していた。 僕ら…メェメェ3兄弟もまた空を飛んで各所を移動しつつ、小、極小メェメェを使って、争いが起きないよう監視していた。もしも銃声が一発でも聞こえれば、ただちにそれを鳴らした兵士を拘束する心づもりだった。

 兵士たちは武器を携行していなかったが、それは午前中までの話だ。管理下に置いた各所に数名ずつの人員を配置し、戦場で使うような無線通信システムを設置した後、銃器を含む各種装備を車に積んで、移動を始めた。梁神の宣言通り、クゥクゥの管理エリアにも立ち入る事になったのだ。町長からの幾度もの呼びかけ(クゥクゥの宿舎にも繋がっている島内放送による)にも関わらず、彼らは話し合いの席に現われなかった。さっきも言ったように、普段なら島の様々な仕事に協力してくれていたクゥクゥ達は、共同区域(クゥクゥ側に島民のプライベートエリア以外の制限区域はないらしい)のどこにも姿を見せなかった。もちろん、カンペンが訪れていた高齢者世帯や、ホテルの厨房にも。

 兵士たちはおそらく100人以上が上陸していた。まだフェリーや海上にいる(官公庁船も1隻だけじゃないかもしれない)遊軍を入れると、200人以上要るのかもしれない。

 8台の車が山を登った。やがて道路が途切れて、兵士たちが徒歩で森を抜けた先には、空を隠すものがない草原が広がっていた。標高は500か600メートルくらいだろうか。かなり涼しく、西風が吹いていた。ざっと5平方キロメートル程ある傾斜の緩やかな高原は、島の北西寄りに位置している。西側は断崖といえるほどの急な斜面になっていて、北西に入り江を挟んで高い峰が見えた。北、東、南側は森に囲まれていて、車が通って来た南東以外に道は設けられていないようだ。

 彼ら(約30人の兵士たち)は北東の森の中にクゥクゥの発電施設が隠されているという情報と梁神(はりかみ)の命令のもと、町長と小恋ちゃん、あと3名の(おそらく明日川(あしたがわ)家の)年配の男たちを連れてやってきたのだ。梁神自身はいない。ヤツは後方で各所に指示を出しており、この時は陸にいるのか、船にいるのかもわからなかった。 鷹美さんと町長の秘書は万一の事態に備えて、また島民のケアのために町に残った。それと、他にも島民である10名弱の漁師たちが、2台の軽トラックに分かれて付いてきた。社長の曽野上は自分の会社に残っているというのに…。こいつらは、きっと綾里(あやり)さんを追っかけて来たのだろうな。

 そう、クゥクゥとの衝突を危惧する僕ら…メェメェ3兄弟とその搭乗者達も、当然この場にやって来た。 上空からでは木々に隠されていて、発電施設なんてものが実際にあるか確かめられなかった。 あまりに付近の低空を飛んだり、森の中に入ったりするとクゥクゥ側のメェメェ…つまりカンペンメェメェやニアが攻撃してくるかも知れない、と簾藤(れんどう)メェメェが脅したので、探索はすぐに中止した。

 島には本土から電力は届いていない。島の東南にはディーゼルや風力、水力発電設備があり、建設はずっと前に大手電力会社によって行われたが、その後は島が買い取って、技術者を雇って(つまり島に引き入れて)管理を行っているらしい。しかしいずれも小規模で、その発電量では今のような島の近代的な開発は望めない。つまり他にもエネルギーがあるという訳だ。それは普通の火力発電、ましてや原子力発電なんかではない、異世界の、メェメェの未知のエネルギー…きっと、こちらのものよりはるかに高効率で、環境性能に優れたものなのだろう。 しかし、僕の目的はその解明ではない。雲妻を除いたメェメェ3兄弟チームもまたそうであろう(というか、3兄弟は知っているだろうし)。

 では町長が素直に兵を案内している理由は? 町民を人質に取られている状況なのかもしれないが、これを機に、その施設を自分の管理下に置こうとしているとも考えられる。でもそうなると、梁神がセットで付いてくるわけだし…。 そんなに悪人じゃないと思うし、小恋ちゃんだって反対すると思うのだが…。

 きちんと整備されている芝生のように、高さが整った黄緑色の草が並んでいる。夜中と午前中に少し雨が降り、葉先についたままの雫が、晴天に変わった太陽光を反射していて、草原は輝いているように見えた。 こんな気持ちのいい場所で争いが起きるだなんて、想像できなかった。

 兵士が島の地図を広げて、町長に現在位置を確認させていた。傍には小恋ちゃんがいる。簾藤メェメェが言うには、大切な場所はこの世界のGPSやサーモグラフィー等では決して探知できないよう、異世界の技術で隠されているらしい。森の中に入って確かな道順を辿らないと、永遠に着かないという。その道順を、町長は知っているのだろうか?

 ヘルメットを被り、銃器を携えた兵士たちが柔らかい土と輝く草を踏みつけながら、それぞれ3~5メートルの間隔を空けて行進した。町長、小恋ちゃん、職員たちも兵士たちに混ざっている(混ざらされている)。 その50メートル程後方を僕らが乗るメェメェ3兄弟が、地面から1メートルほど上空を浮遊しながら並行していた。 漁師たちが幸塚(こうづか)メェメェを取り囲みながら歩いている。 お前ら…まさか綾里さんを守っているつもりなのか?

 強い風が吹いて、草原が揺れた。深緑色の緩やかなウェーブが連続して駆け抜ける光景に、思わず見蕩れてしまった。そして、まるでその風を起こしたのは自分だと言うかのように、北東の森の中からメェメェが姿を現した。 …カンペンメェメェだ。 そして他にも複数の…15くらいの中メェメェが同様に森の中から、本体の後を追って現れた。しかもそれぞれに人が乗っていた。上に跨ったり、抱きつくように掴まっているわけではなく、彼らのサイドに片側の手足で触れて、立って、一緒に浮遊していた。なんと上下の底部付近に、ハンドルやフットバーみたいなものを備えて…生やして(?)いたのだ。中には両サイドに…つまり2人を乗せているメェメェもいた。あんな使い方もできるのか。いや、あんな事もやってもらえるのか。

 兵士たちが銃器を構えた。拳銃だけじゃなく、自動小銃やグレネードランチャー、1人だけだが、むき出しのミサイル弾頭が先に付いた、ロケットランチャーみたいな大層なものを携行しているヤツまでいた。

 こちらよりもずっと速く、クゥクゥ達は草の上1~2メートル上を進んで、みるみる両陣営の距離が縮まっていった。空中から小メェメェ達が浮かび上がるように姿を現し、その総数は…数えきれないほどになった。クゥクゥは20名もいなかったが、メェメェの分身体はかるく100を超えていたと思う。

 どうしよう…と僕が迷うのを尻目に、3兄弟もそれぞれ自分の分身体を身に寄せた。中メェメェ3体(簾藤メェメェにも、先の雲妻(くもづま)メェメェとの勝負中に、とうとう3体目が生まれた)が1メートル程高く浮いた本体の下に潜ると、それぞれの頭部(?)から薄い複数の光の線が浮かび上がるように現れ、連結するかのようにメェメェ本体の底部と繋がった。その他にも中~小~極小を周辺に配置し、その総数はクゥクゥ側に負けない程のものだった。どれがどの分身体かわからなくなったが、半分以上が幸塚メェメェのもので、そのまた半分以上が雲妻メェメェのものだろう。つまり簾藤メェメェの分身体は、まだ20もなかった。

 クゥクゥ達が中メェメェから地上に降りると同時に、陣営の中央に位置したカンペンメェメェの蓋が開き、中から現れた1人の少女…40kgもなさそうなほど小柄な体が、3メートル弱の高さから草の上にふわりと降り立った。

 60~80メートルほどの距離を挟んで、僕らは対峙した。真面目で、責任感と負けん気が強くて、それでいて実は気弱で、どこか抜けている少女の、少しおかしい日本語による激しい抗議と、(主に僕に向けての)非難が始まったのだった。



 フェリー内で兵士たちのリーダーだった黒い軍服の男が、またもこの部隊のリーダーだった。 迷彩服を着た兵も多くいたが、その中にあの女兵士2人はいなかった。 きっと後方の部隊に配置されたと思って、僕は安心したのだが…。

 カンペンメェメェを背後に置いたまま、クゥクゥ達は歩いて近づいてきた。胸を張って堂々と、兵士たちの武装にまったく怯む様子がない。そして彼らが着ている青い作業服の左右の胸ポケットが触れずに開いて、その中から極小のメェメェ達が飛び出した。

 彼らの武装もまた、メェメェなのか?

 各々2メートルほどの間隔を空けて、横に8人ずつ、縦に2列に並んだ16人のクゥクゥ…西欧ファンタジーアニメに出てくるような美形の若者たち、そしてその周囲を飛び回る数十の極小メェメェ達。彼らが先陣だった。

 兵士たちが銃を構えたまま、左右に広がっていった。本陣が後方にあるわけじゃないから、突破されたって意味はない。彼らは包囲しようとしていた。逆にクゥクゥ達は徐々に間隔を狭めて、密集していった。兵士たちが彼らの前方180度を包囲し、クロスファイヤが可能な状況となった。

 え… どうすんの? 撃ったって、きっとメェメェが銃弾を防ぐよ? クゥクゥはどうするつもりなんだ? 反撃するのか? みんなホントに… 戦う気なのか?

 カンペンメェメェが後方で動かないままだったので、同じくらい兵士達から離れている僕らも、動いてはいけない気持ちになっていた。…たぶん雲妻や綾里さんも同じだったろう。

 クゥクゥと兵士たちがわずか15mほど空けた位置で行進を止めた後、2~3分の間、膠着状態が続いた。小恋ちゃん達も兵士たちの陣に加わったままだ。

「と、止めないと…」 僕は息が詰まりそうだった。

「始まっていないだろ」

「始まってからじゃ遅いでしょ!」

「この位置で止まっていたら、何も進まない」

「じゃ、じゃあ、こっちの世界でも戦争をするっていうんですか?」

「うまく調整するんだよ、双方にそれほどの被害が出ないように」

「それほどの被害って…」 どの程度の事を言っているんだよ。

「いいか、これはまたレベルアップの機会になる、特にお前の方のな。分身体から送られてくる情報をすべて整理して、俯瞰で状況を見る事を学ぶんだ。上手くやれば、思うように事態を誘導する事ができる」

「誘導?」

「他の奴らよりも、あれこれ考え過ぎるお前に向いている。脳が破裂しそうな気分になるかもしれねぇが、ひたすら耐えろ。そのうちに馴れる」

「耐えろって… いったい何をやれって言うんですか」

「これまで通りにやれ、いや、これまで以上に注意を払い、そしてよく考えろ。 気絶しないように気をしっかり保て。 迷ってもいい、 間違えてもいい、ただ、決して途中で放り投げるな。 お前ならできる!」

「頼みましたよ」

 あれ? いまの…女の人? 前に聞いた声 …幸塚メェメェ?

 交戦の口火を切ったのは、意外にもクゥクゥ側だった。中央にいた兵士3人が、ワイヤーで引っ張られたように後方に、7~8メートルも吹き飛ばされた。想定していたのか、3人とも背を丸めて後転し、受け身を取ったように見えたが、ダメージを緩和しきれなかったのか、その場で(うずくま)ってしまった。それを見た兵士全員が身を屈め、前衛は腹ばいになった。しかしそれでも小メェメェから発せられた衝撃波を躱せず、体を横にしたまま芝生の上をすごい勢いで転がっていったり、掴んだ土と草を巻き添えに2メートル程飛び上がり、地面に背中を打ちつけたりする者がいた。

 スクリーンが倍に(40ほどに)細分化されて、様々な角度からの映像が映し出された。全身に寒気が走って、緊張で体が硬直した。僕の体調変化に反応したかのように、メェメェ内部の気温が上がった。

 後衛の兵士が前方にダッシュして、グレネードランチャーを発射した…と思ったのだが、放たれた弾は発射後、ただちに網に変化した。クゥクゥに当たる2メートル程手前で3~4メートル四方に広がった細かい目の白い網は、意表を突いたのか、クゥクゥ1人と極小メェメェ2体を一緒に絡めとった。 別の兵士たちもまた、次々とネットランチャーを発射する。2人のクゥクゥが1つの網に一緒に捕まってしまったが、それ以降のものはすべて逆方向に跳ね返され、1人の兵士が、自分が発射した網に捕らえられた。網に絡まっていた極小メェメェはすぐに網の目を抜けて、レーザーのような細い白の光線を底部から発射し、女性のクゥクゥを助けるべく、網を次々と切断し始めた。

 ランチャーを持った兵士が後退し、入れ替わりに前に出た兵士数名が発射した弾がクゥクゥ達の左…西側後方の地面に着弾した。白煙が大量に発生し、海から吹く風に煽られて、たちまちクゥクゥらを包み込んだ。彼らの咳き込む声が聞こえると共に、兵士たちが一斉に煙から距離をとるべく後退した。小恋ちゃん達もようやく下がってくれた。

 催涙弾か? やりすぎじゃないか? でもまだ、これくらいで済むならば… どうか下がってくれまいか。

 ガスはすぐに散った。メェメェ達が吹き飛ばしたのだろう。 苦しむクゥクゥ達の姿が見えた。両目を抑えたり、嘔吐したりしている。ガスを回避したと思われる5人の男性クゥクゥ達の腕や足に、複数の極小メェメェが纏わせるようにくっつくと、彼らの体がわずかに浮きあがって、草の上をすべるように飛行した。たちまち後退している兵士たちの背に追いつくと、軽く手足で触れられただけの兵士たちの体がピョンと2メートル程飛び上がって、屈むように体を丸めて空中で1~2回転した後、頭から地面に落ちた。ヘルメットをしていなかったら頭蓋を折るか、あっても首の骨を折って、最悪死ぬかもしれないような勢いだった。(あとで知ったが、地面に落ちる直前で上にひっぱりあげられていたようで、重篤な危害を加えられたものはいなかった) 

 次々と兵士たちが倒れて、後衛はリーダーを加えて残り8人になった。クゥクゥ側はガスを吸い込んだ4人が戦闘不能状態になったようで、カンペンメェメェから離れた中メェメェに掴まって、戦線を離脱していった。

 まだカンペンメェメェ本体は動かない。だから3兄弟も動かなかった。

 やはり正面からでは、予測不能な異世界の力に適う訳がなかった。しかし兵士たちもまだ実弾を使っていない。クゥクゥも確かに凄い戦闘力だと思うが、それでもこの程度では赤紫や大量の反逆者たち(たしか、ピチルだっけ? いや、ビチラだっけ?)を相手に戦争だなんて、とてもできやしないだろう。

 ガスマスクを装着したリーダーたちが、また催涙弾やネットランチャーを発射するが、地上1メートルの高さもないが空を飛び、しかも時速50キロ以上の速さで自在に移動するクゥクゥを捕まえられない。催涙弾は空中で破裂し(極小メェメェに破壊され)、ガスはすぐに霧散した。しかしガスは少なからず空気中に残っていて、影響を受ける者(後方のクゥクゥや、マスクを未装着の兵士)も多くいた。

 スケートボーダーのように華麗な滑空で翻弄していた5人のクゥクゥだったが、体勢を整えるべく、また、催涙ガスやネットによって動きを制限されたままの仲間を防衛するべく後退した。その彼らに向けて、一斉に銃弾が発せられた。それは…実弾だった。 メェメェが発するエネルギーを全身に纏っていた彼らはそれらをなんなく跳ね返したが、その後も鳴りやまない銃声に警戒し、地面に降りて身を伏せた。

 え? どこから?

 リーダーたちが発砲したものじゃない。ずっと後方の南から、そして東から狙撃しているものだった。 森の中に他の兵が潜んでいたのか? ちょっと待て、これは……シャレにならなくなってきたぞ。

「みんな、早く後ろへ逃げてください!」

 スピーカーを通したような大きな声は、綾里さんのものだった。彼女の…幸塚メェメェの周りにはまだ、9人の漁師たちが残っていた。他人事のようにのんきな様子で(いや、単に現実感を持てなかったのだろう)ぼうっと立ち尽くしていた。

 尚も続く銃声がこだまし、もはやどこから撃っているのか判別できなくなった。綾里さんがもう一度、今度は怒りが混じったような声を出して、ようやく輩たちも後方へ走り出した。

「止めないと!」綾里さんは僕らにも訴えかけるように言った。

 総数約50の中~小メェメェを引き連れて、幸塚メェメェが動き出した。

 さっきとは逆に、僕は全身が熱くなった。

「雲妻さん、僕らも!」

 声が外に発されていない事に気づかないまま、僕は何度も呼びかけた。雲妻はその間も動かなかった。しかし、彼もまた自分の声を発してもらえなかったのかも知れない。

「はやく! メェメェ様!」

「もう少し待て!」

「どうして!」

 僕は分割されたスクリーンの右上にある1画面に気づいた。複雑に絡まってしまったネットからまだ抜け出せないままでいた女性のクゥクゥの足首に、実弾が当たった。彼女はネットに絡まったまま地面に伏せ、足を抑えた。苦悶の表情と指の隙間から流れ出る、僕らと同じ赤い血が見えた。ネットを切断していた極小メェメェと、さらにもう数体が、防衛のために彼女の周囲に集まった。

 メェメェ達の動きが場当たり的になっている…。カンペンメェメェ、そしてカンペン、もっとしっかりしろよ!

 遠距離からの銃声が止んで、幸塚メェメェが再び開いた50メートルほどの陣営間に移動した時、催涙弾が連続して…10発近く発射された。やや弧を描いた弾は、ほとんどがクゥクゥ陣営に届く前に空中でガスをまき散らすか、遠く跳ね飛ばされて海に落ちるかしたが、1発がクゥクゥ陣営近くの地面に着弾、、もう1発が幸塚メェメェの本体に当たってしまった。

 ガスはすぐにまた吹き消されたが、クゥクゥの多くが、また少量のガスを吸ってしまった。地面に膝をついた彼らを庇うため、綾里さんは前に移動しようとしたのだが、その進路を塞いだのは、ガスに紛れていつの間にか移動していたカンペンメェメェだった。はげしく本体をぶつけ合った2人のメェメェは、傾けた頭部…たぶん額の辺りをくっつけ合ったまま動きを止めた。彼女達の周囲を飛び回るいくつもの分身体が敵味方入り混じって、竜巻のようなメェメェの渦を作った。それぞれが戦っているのか、もしくは囃し立てているだけか…。

 幸塚メェメェもまた、両目を開いた。 とうとうメェメェ同士の戦いが始まってしまったのだ。以前とは違って、今度は3兄弟も多少レベルアップしている。特に幸塚メェメェは最も成長が進んでいるから、そう簡単にはやられないと思われる。 …なんて見物している場合じゃない。はやく止めないと、メェメェも、人間も。

 雲妻メェメェの方が先に動いた。中メェメェを両陣営に2つずつ飛ばして、クゥクゥ、そして兵士側も防衛しようとしている。そして脚部に2体の中メェメェを繋いだままの本体が、その中央…カンペンと幸塚メェメェの真上50メートルくらいまで上昇した。

 状況を、分析しようとしているのか?

「ぼ、僕らも…」

「同じ事をやってどうする!」

「じゃあ何をするんですか! このまま黙って見てるんですか!」

「すべての情報を注視しろと言ったろ、お前は調整役だ。いま何をするべきか、よく考えろ」

「調整って言われても…」

「今はまだ、バランスを保て…。ゆっくり、慎重に情勢を動かすんだ。俺たちの目的は?」

 …クゥクゥの支配区域に侵入する事。 情勢をゆっくり…動かす。なるべく双方に被害が出ないように。カンペンメェメェの相手は幸塚メェメェに、この場の人間たちの防衛は雲妻メェメェに…。2人とも、役割を担っているのか? ならば僕の役割は… まず…

 周囲の…50~60に増えていたマルチスクリーンすべてを見る。なにか注意を引いたものを瞬時に分析する。深く考えるな、直観でいい。情報の整理、意見や判断の正否はメェメェがやってくれる。なにが見える? なにを見た? どこへ行く? なにをするべきだ? 

 僕の思考を読んで判断したメェメェは、東に向かって飛んだ。 森の中に入って狙撃兵を制圧する …ケガをさせる必要はない。動けなくして、武器を奪えばいい。 太陽光がほとんど遮られたところまで進んで、20余りの小メェメェ達を散開させた。数秒で次々に情報が伝わった。各所でライフルを構えた迷彩服の兵士の姿が、マルチスクリーンに表示された。…30名はいる。

 僕は大声で警告した。 「これ以上発砲しないでください! すぐに武器を捨てて、両手を上げて森から出てください……ってか、出ろ!」

 声はきちんと外部に、増幅された上で出ていた。しかし兵士たちは動かなかった。もちろん武器も持ったままだ。

「武器を捨てろっつってんだろ!」

 そう怒鳴った直後、各小メェメェから発された衝撃波、または電流、もしくは微量なレーザービームが、兵士たちの体を強めに引っ叩いた。簾藤メェメェがやった事なのか、僕の命令を聞いてくれたのか…。それでも頑なに移動せず、ライフルを離さない兵士もいたが、ビームを3発食らった兵士が無線で中止の指示を各隊員に送ると、ようやくライフルを地面に置いて、森の外に向かって歩き始めた。

 つ、次は…何を。

「待て、まだだ」

 へ? まだいる?

 武器を捨てた兵士たちが次々と悲鳴をあげて倒されていった。肩を外されたり、腕を折られたりした様子の者もいる。慌ててライフルを拾って応戦した兵士もいたが、銃弾は透明のバリアに跳ね返された。兵士から数メートル離れた木の傍に立っている若い…まだ未成年に見える作業着姿の女の子が、小メェメェを手に持って、バトンのようにくるくると回した後で横に払うように振ると、兵士の体は触れられてもいないのに足をすくわれ、尻もちをついて倒れた。つぎに少女がバトンを縦に振ると、兵士はヘルメットごと脳天を割られたかのようにガクンと下を向いて、そのまま意識を失った。…まるで魔法少女だ。

 勝ち誇った表情のその女の子を、僕は知っていた。

「オロさん?」

 メェメェスピーカーは各分身体…極小メェメェにまで繋がっていた。…まったく気が利かない。

「その声は簾藤さん …いいえ! 裏切り者ですね!」

 気づいた彼女が、送受信トランシーバー兼カメラ(極小メェメェ)を睨んだ。

「い、いや、違うんですよ。 その、誤解なんです」

「なにが誤解なのですか! あなたのせいでどれだけの迷惑を被ったか! カンペンがどれだけ悲しんだと思うのですか! 私たちだって…歓迎パーティーの準備までしていたというのに、色紙を大量に消費したせっかくの飾り付けが、全部パーですよ! 他の何に使えって言うんですか!」

「ええ? いやその…すみません」 パーティーって…。 

「いいえ許しません!」と、彼女はバトンを…じゃなくて小メェメェの先をカメラに…じゃなくて分身体に向けた。

「切り刻んで鶏のエサにした挙句、錦糸卵にしてさし上げます!」

 …工程が多い。 しかも二度も切り刻むの?

「と、とにかく、僕は君たちの敵になったわけじゃないんだって!」

「信用できません。 しかし、今はあなたに構っている暇はありませんでした」と言って、オロは気絶した兵士の片足を持って、強引に引き摺り始めた。

「ちょ、ちょっと、あの…何をしているんです?」

「知れた事を、捕虜にするんです。牢屋に入れます! そして強制労働です! 3食昼寝付きです!」

 いやその… 今はツッコミを入れている余裕はないんだっつの。

 他の映像にも、兵士が拘束されている様子が写っていた。やはりザッサやクルミンも映っている。彼らは別動隊として森に潜んでいた兵士を発見し、攻撃しようとしていたのだ。

「ちょっと、みんな待ってくれ!」 

「ぐずぐずしている暇はないぞ」

 簾藤メェメェに言われるまでもない。 もしも捕虜なんかに取られたら、きっと事態が膠着してしまう。

 球体コントローラーを握る10本の指を、キーボードを叩くかのように細かく動かして、分身体に指令を出した…つもりだが、その直感的な、というか根拠のない操作が関係していたかどうかはわからない。だが僕の願い通りに、彼らは動いてくれた。

 小~極小メェメェ達は各兵士たちの迷彩服の中に入り込んで、彼らの体を強引に持ち上げて動かした。

「ああ!」と、オロが叫んだ。

「何をするんです! ドロボー!」

「ごめんよー!」

 気絶していない者も含めて、30余りの兵士を森から無理やり追い出し、僕らも高原に戻った。オロ達は追ってこなかった。ザッサが撤退の指示を出したからだろう。

 武器を失った兵士もまた撤退するほかない。負傷者を救助した後、リーダーの指示により、全兵士が南東へ、車を駐めてある方向へ後退を始めた。クゥクゥ達も撤退したのか、全員姿を消していた。撃たれた女性のクゥクゥもどうやら助けられたようで、少しホッとした。

 メェメェ達は…まだカンペンメェメェと幸塚メェメェが本体をくっ付けて競り合っていた。さっきと位置が変わっている。ずっと額(?)を突き合わせていたわけじゃないようだ。雲妻メェメェが上空にいない。芝生が300メートルほど抉り取られている。…その先に、体を横にしている本体があった。 やられたのか? 成長したメェメェ2体がかりでも、まだカンペンメェメェに適わないのか。

 複数の中メェメェ同士がドッグファイトをしている。際限なく球を入れたピンボールマシンのように、空中を跳ねて、ぶつかり合っていた。どれがどの分身体かまるでわからない。しかし地面に突き刺さっている2体は、おそらく兄弟の分身体だろう。

 撤退中だった兵士の1人が下品な罵り声をあげて、カンペンと幸塚メェメェに向けてロケットランチャーを発射した。幸塚メェメェは急上昇して躱したが、カンペンメェメェはもろに食らった。…が、煙と炎の奥に、煤も付いていない真っ白なボディと、怒ったように光度を上げた、六角ダイヤモンド型の両目が見えた。自然を破壊する炎を吹き消しながら、カンペンメェメェがロケットを発射した兵士に迫った。

 その勢いだと…殺しちゃうぞ!

 そう危惧した瞬間に、脚部に位置した3体の中メェメェが、エネルギーを噴射していた。カンペンメェメェに体当たりすると、各内臓が胸と腹を突き破ってしまうかのような衝撃があって、3秒間ほど死んでしまったような意識の空白が挟まった後、頭と首、背中に激痛を感じた。(そうか、シートは逆を向いているんだった。気を付けないと…) 痛みは数秒で収まったが、やはりメェメェ同士の本気の戦いとなると、内部もただでは済まないみたいだ。

「このぉー!」

 カンペンの声が伝わった。中メェメェ複数が両側から、逃げる間もなく襲ってきた。ほぼ同時に左右に強い衝撃があった。ついさっきの本体をぶつけ合った時と比べると軽いものだったが、さらに加えられた電気ショックは、微量とは言えないものだった。

「いたー!」と、僕は大声をあげた。

 ロケット砲を撃った兵士は、とうに後方へ逃げていやがった。早く距離を取りたかったが、互いに手も足もないくせに、羽交い絞めにされているかのように動けなかった。

「れ、簾藤響輝(ひびき)ですね! ここで会ったが百万円!」

「違う!」

「嘘をつきなさい! いえ、つくんじゃありません! そこにある、赤紫色に染まった異変が何よりの証拠ぉー!」

「いや簾藤だけど、 百万じゃなくて百! 円じゃなくて年! また間違ってる!」

「そ、そんな指摘は後にしてください!」

「い、一旦落ち着いて! 矛を収めよう」

「ほ、ほこさめ? な、何を…難しいことを言って! ケ、ケムマキしようと… 目つぶしを食らわせようとしていますね!」

「違うって! マエマエ様同士で争っている場合じゃないでしょ!? お互いに」

「そのマエマエ様…じゃなくて、出来損ないは大変危険なんです! そしてあなたはホラつき…嘘つきです! 小恋さんと一緒です! わたしを放って! 一人ぼっちにして!」

 声だけじゃなく、鼻をすする音がメェメェの外殻を通り抜けてくる。 流れ出ているのは鼻水だけじゃないのだろう。

「ごめん! 後で何度でも謝るから! とにかくこの場は…」

「許しません! あなたも、他の出来損ない達も、ぶっ殺してでも連れ帰ります!」

「ダメだ!」 君は、君らは、そんな事をしちゃあダメなんだよ!

 簾藤メェメェを挟んでいた中メェメェ達が離れて、ようやく電撃から解放された。しかしそれは再度体当たりをするために距離を取っただけの事で、50メートルほどの距離を空けた空中で、それらはUターンした。簾藤メェメェはフルパワーを出していて、脚部の3体の中メェメェ達も全エネルギーを放出し、爆発してしまいそうな程に激しく揺れていた。僕の体もまた、内も外も熱くなっていて、大量の汗が吹き出ていた。それでもカンペンメェメェから離れられない。周囲にオレンジ色の光線が何十本も現れていて、僕らに巻きつくように取り囲んでいた。

 空中で多数の中小メェメェ達が2小隊を編成している。まもなく突撃準備が整うみたいだ。…ヤバい。

「マエマエ様!」

「大丈夫だ」

「ホントに?」

「殺されはしない。だから…」

「だから?」

「気を失うなよ」

 相当痛いって事じゃないか!

 せめてもの抵抗で突入させた小メェメェ数体が軽く跳ね飛ばされた後、2小隊は突撃を開始した。左右からの挟み撃ち…避けられない! 僕は歯を食いしばり、首に力を入れた。むち打ち予防だ。

「大丈夫!」

 女の人の声が重なって(つまり2人の声が)聞こえた。

 突撃小隊それぞれに別の小隊が十字に交差するように特攻をかけて、乱戦になった。それでも中メェメェ数体が突破してきたが、本体同士の鍔迫り合いに参入したもう1体が、バランスを優勢に変えてくれた。カンペンメェメェが弾かれたように後ろに下がると、オレンジ色の光線も解かれた。簾藤メェメェは即座に脚部の中メェメェを胴体部に移動させて、体当たりしてきた中メェメェに向けて高エネルギーを射出した。突撃兵達は皆バランスを崩し、進路をずらせてすれ違っていった。

 近づいた本体から、綾里さんの声が伝わった。

「簾藤さん、ケガは?」

「あ、ありません。ありがとう」

「いえ、こちらも危なかったのですが、簾藤さんが時間を稼いでくれたおかげで回復しました」

「そ、そうだったんですか…」

「彼女は、一体どうして私たちを攻撃してくるのでしょう。変異体ってどういう意味なんでしょうか」

「さ、さあ」

「争う気はないって言ってるのに… まったく話を聞かない」

 やはり、幸塚メェメェは彼女に説明していないみたいだ。

「彼女はとても危険ですが、3人がかりなら勝てるかも…」

「4人!」

 えっ? …そうか、一緒に乗っているんだった。

「そうでした、4人がかりで」と、綾里さんは少しおどけたような口ぶりで答えた。

「だ、大丈夫なんですか? (たま)ちゃん」

「この方が安心ですから」

「だいじょぶ!」

 やけに呑気だな。それに、強気にも思える。綾里さん…こんな人だったっけ? 電撃攻撃とか食らっていないのか? だとしても、さすがに子供をこんな争いに巻き込むのは、問題あるんじゃないのか?

「綾里さん達は下がってください。危険です」

「でも…」

「僕がなんとかしますから」

「来ますよ!」

「えっ!」

 と気づいた時には、もう吹っ飛ばされていた。そしてまた数秒の間、意識が飛んでしまっていた。幸塚メェメェは上空に回避している。カンペンメェメェは50メートル以上離れている。こちらを向いて、力を溜めている様子だった。簾藤メェメェの中メェメェが3体とも、体当たりを受けた位置で横になって転がっていた。どうやら連結が外れた上にエネルギーを使い果たして、しばし動けないみたいだ。本体は抉り取った土と芝生にまみれたまま、ゆらゆらと安定しない様子で、わずかに宙に浮いている。後ろは崖だ。いっそ海に落ちた方が緊急避難になるか? いや、どこまでも沈んでいってしまいそうだ。

 いかん…これじゃあまたやられる。頼みの綱の幸塚メェメェは、100メートル以上の上空でカンペンメェメェ分身体の…おそらく全員に囲まれていて、こっちまですぐに移動できない様子だった。また歯を食いしばり、衝撃と電撃を覚悟した。両目を光らせたカンペンメェメェが、あと2秒足らずで衝突する。

 あれ? 右端にちらっと見えた画面に映っていた。 そうか、もう1人いたんだった。 まだ動けたんだ。

 カンペンメェメェの動きが止まった。しばらく動けないふりをしていた雲妻メェメェが、本体と全ての分身体から拘束用のレーザービームを発射して、カンペンメェメェの本体にいくつも巻きつけていた。暴れ馬の首に縄をひっかけたかのように引っ張っている。レーザービームは何本もちぎれたように消失したが、消える度に次のビームを、各分身体が発射していた。

 カンペンメェメェはターゲットを変えて、つまり雲妻メェメェに向かって突進し始めた。すぐに察知した雲妻メェメェはレーザーをすべて解いて、分身体を自身の本体に向けて集結させた。両目を開けて、強く光らせている。

「それじゃあやられるよ! 逃げろっ 雲妻さん!」

 分身体じゃいくら集めても、本体は止められない…と思う。

 雲妻メェメェの分身体は、本体の右側ばかりに集結した。脚部にあった中メェメェが外れて、5体の中メェメェが全て底部を合わせて繋がり、本体の全長を超える…5メートル以上のメェメェになった。そして小メェメェ、極小メェメェ数十もその5メートルメェメェを補強するかのように外側にくっ付いて、なんだかひと回り太くなったように見えた。

 …いったい、何してるの?

 本体の全表面にいくつもの雷のようなギザギザの光線を(まと)い、やがてそれらを長すぎる、巨大すぎる右腕になった連結分身体に、エネルギーを注入するかのように伝わらせていった。光線は右腕に移動すると、徐々に赤色に変化していった。

 そして振りかぶるかのように一度後方へ下げた後、勢いよく前に突き出した。 右のストレート…パンチだ。カンペンメェメェの頭突き(?)とその拳(?)がぶつかり合った。周囲に衝撃波が広がって、直径1キロメートルの範囲の芝生が、すべて消失した。 雲妻メェメェの右…腕はバラバラになって地面に落ちた。連結が外れただけじゃない。割れて、折れてしまっている分身体もいた。

 しかし動きが止まったのは、カンペンメェメェの方だった。光が消えた両目を閉じて、地面の上に静かに着地した。上空で幸塚メェメェを取り囲んでいた分身体はすべて姿を消した。 小メェメェと極小メェメェは空に溶け込むように、中メェメェ以上のものは、飛んで行って森の中に隠れた。

 雲妻メェメェもかなりのダメージを重ねたようだが、浮遊するエネルギーは残っているようだ。幸塚メェメェも降下してくる。3兄弟はゆっくりと、動かないままのカンペンメェメェの傍に集まっていった。

 

「よし…もういいだろう、十分すぎるくらいだ」と、簾藤メェメェが呟いた。

 大して活躍しなかったくせに何を偉そうに、とこの時は思ったのだが、言葉の意味が違った。彼は僕に調整役になれ、と言った。つまり、彼もまた調整役だったのだ。


 まだ終わらない。 終われなかった。 回想は、この争いは、もう1話続きます。

 


あ~


次回

第34話「交戦 Part 2」

は、12月23日投稿予定です

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― 新着の感想 ―
ついに交戦ですか。 大中小のメェメェが入り乱れる独創的な戦闘に引き込まれます。 数100もの大中小メェメェがそれぞれ意思を持って戦う様は圧巻でしょうね。CGアニメでその動きを見てみたいものです。Ne…
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