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【本編完結】異世界転移したので、まずはそれっぽい名前を名乗るところから始めようと思います。  作者: いか人参
番外編〜ハッピーエンドのその先〜

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その後の話⑧


国境付近に派遣した全軍が王都に帰還した後、今後の国の方針を決めるため重役達が王宮の会議室に集められていた。



楕円形の大きなテーブルに並ぶ王の席にはタテロットが座し、王と王弟の姿は見えない。


王の位置に鎮座するタテロットを囲うように、テト、魔道隊大隊長のコピルト、王立騎士団長のシュトルナー、大臣達が席についている。


タテロットの後ろにはフランタンが立って控えており、テトにはダミが彼の側近として同席していた。




「先の大規模掃討作戦では皆大義であった。」


タテロットは大仰に言葉を掛けると、一人一人と目を合わせていく。

彼の労いの言葉に、テト以外の皆が深く頭を下げた。



「ロワール公爵の大魔法のおかげで、この王国に平和がもたされた。大きな混乱もない。これでもう魔物に怯えることはないであろう。彼の行いは称賛に値する。国を挙げた祝賀会でその貢献に感謝を示そう。」


タテロットがテトに視線を送ると、彼は小さく頷き返した。


一見、遠慮しているように見えるその様だったが、実際は邸に残して来たアレスのことが気になって気になって仕方がなく、一秒でも早くこの場を去りたかっただけである。


この世が平和になった今、テトにとって国の会議は意味のないものとなっていたのだ。



「これからのことだが、今後は魔力に依存しない国を目指す。諸君も既知の通り、長きに渡って運用されて来たこの国の魔力増強計画には無理があった。これ以上続ける理由もなく、続けられる見込みもない。」


タテロットの考えに動揺する者はおらず、皆予想通りと言った顔で冷静に話を聞いている。



「まずは、魔力保有者の婚姻の制限の撤廃及び魔法使いの王家入りの廃止に向けた法改正を行う。次に、国家事業として魔力以外のエネルギー開発に取り組む。この研究には最も魔力の仕組みを理解しているロワール公爵に任せる。異論はないな?」


「…御意に。」


また面倒そうなことを押し付けて来たなと一瞬断りそうになったが、王宮に関連する仕事ならアレスに褒めてもらえるかもしれない…そう邪なことを思ったテトは承諾することにした。


睨み付けられると思っていたタテロットは、すんなりと受け入れたテトに対して一瞬大きく目を見開いた。

だが、このような場でお前本気かと聞き返すことも出来ず、余計なことを考えることはやめた。




「フランタン、法改正はお前に任せる。可能な限り最短で実現させろ。」


「…承知致しました。」


圧を感じる声音で盛大にプレッシャーをかけられたフランタンは、怯みながら返事を返した。



「これらの決定について、大臣達から有力貴族に先触れを出すように。何か反論や意見を耳にしたらすぐに知らせろ。」


「畏まりました。」「承知致しました。」


「最後に、王位継承の件だが、近日中に国王陛下からその位を賜ることが決まった。これから色々と忙しくなるが、今ここが国の転換期であり、間違いなく歴史上で最も重要な時期となる。私と共に、この国を新たな境地へと導いてくれ。諸君の働きに期待している。」


タテロットの言葉に、会議室にいた者は全員一斉に立ち上がり胸に手を当てて頭を下げ、フリーデン王国に対する心からの忠誠を示した。


これで退出出来ると思って皆と同時に立ち上がっテトは、部屋を出ようとする前にダミに軽く膝裏を蹴られ、渋々他の者と同じ姿勢を取っていた。


そんな二人のやり取りをバッチリと目にしていたタテロットは思い切り苦笑していたが、頭を下げていた臣下達に気付かれることはなかった。



会議終了後、一目散に部屋の外に駆け出すテトの跡を追いかけようとしたダミだったが、呼び止められてその足を止めた。



「お前に話がある。」


「…何でございましょうか。」


にっこりと微笑んでくるタテロットに、嫌な予感しかしないダミ。


勿体ぶらずに早く今すぐ即刻言え…


そう思いながらもさすがに口にすることは出来ず、信頼できる臣下をイメージした芯のある瞳でタテロットのことを見返した。


彼はフランタンに目配せをして人払いをさせると、二人きりとなった会議室でようやく話を始めた。





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