第095話 八戸場の告白
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2学期の始めは暑さが残っていて大変だ。
東源先輩の指示で特訓を行なっているから余計にそれを感じる。
小鳥が来るのは分かっていたが、ちゃんと八戸場も参加しているんだな。
「霧道、サボってないで特訓に戻って。」
「確かに部費が貰えるのは嬉しいですけど、ここまで根を詰めてたら最後まで持たないですよ。」
「うー。まともなことを霧道に言われると癪。」
俺だってまともなことくらい言うだろ。
いや、まともなことしか言ってなかっただろ。
「しょうがないけど、ここまでする。」
「やっと終わったなのー!」
「おつかれ様でした。今日は用事があるので先に帰らせてもらいますね。」
いつものようにみんなと話しながら帰るとでも思っていたけど、用事があるらしい。
用事があるなら断っても良かったのにきちんと参加するなんて真面目なやつだな。
俺も少しは見習った方がいいかもしれない。
感心していると横から八戸場が話しかけてくる。
「今から時間あるの?ちょっと話があるなの。」
「俺にか。ここじゃダメなのか。」
「まぁ、立ち話するのもなんだから軽くお茶でもするなの。1杯奢るの。」
まぁ、時間なんていくらでもあるから問題はない。
それに奢りでお茶を飲もうと誘ってくれたのに断るわけにも行かないからな。
八戸場に連れられて喫茶店に来た。
店内に入ると心地良い風とコーヒーの良い匂いが出迎えてくれる。
「良くこの店見つけたな。かなり雰囲気も落ち着いた感じでおしゃれだし良いな。」
「入学当初の時には見つけてたなの。こういう場所でするゲームも格別なの。それとここのコーヒーを飲んだら他の所では飲めなくなってしまうの。」
まだコーヒーを飲んでいない俺でさえ、ここのコーヒーが美味しいことは分かる。
席に着いてコーヒーを頼むと本題に入る。
「で、なんで俺に話ってなんだよ。わざわざここに連れてきたってことは大事な話があるんだろ。」
「焦らせないで欲しいの。今からちゃんと話すなの。」
そう言いながらもコーヒーを1口飲んで落ち着こうとしている。
気になる話の内容を聞かせてもらえずに御預けを食っているような感覚になるな。
「ここでクイズなの。ウチは誰でしょう。」
何を言っているのだろうか。
普通に答えるとすれば八戸場志那。1年クラス・セカンドの生徒で、俺と同じ部活に所属している。
しかし、どう考えてもその答えを待っているようには思えない。
「これは少し意地悪が過ぎたの。質問を変えた方がいいかもなの。クイズ2、ウチはどちらに属しているでしょう。」
!!?
ここでこいつの口からそんな言葉を聞くことになるとは思わなかった。
どちらと言われれば2つの選択肢があることになる。
それに属しているという言い方なら組織的な何か。
今、俺の中にある当てはまりそうな答えは2つ。
「高貴なる騎士団か平等振興会。お前はそのどちらかなのか。」
「質問に質問で返すなんて高度なテクニック持ってるなの。そうなの。答えは高貴なる騎士団所属、学園潜入情報部隊の八戸場志那なの。改めまして以後お見知り置きを。」
学園潜入情報部隊。
高貴なる騎士団にはそうやって部隊ごとに分けられているのか。
恐らく糸繰だってそこの部隊の人間だろう。
「俺には分からない。何故、このタイミングで俺に正体を明かした。今は、高貴なる騎士団と平等振興会、それと俺での探りを入れている情報合戦の最中だ。お前は、その中で俺に一切疑われることなく接近することに成功した。」
「それなのに何故。ってことが聞きたいの?ウチにとってあんな訳の分からない組織に入ったのはゲーム。そう、つまらない日常に刺激を与えるゲームでしかなかったの。」
ゲームだと。
組織が行動している理由を知っておきながらゲーム感覚で参加していたのか。
俺には全くもって理解が出来ない。
「でも、あの人達と一緒にいても何も変わらなかったの。平等振興会とかいう変な組織に少し牽制されたからって逃げ腰になって。貴方を組織に入れたいと言う割に強引な手は使わないの。これがゲームだったらゲームオーバー。死んでたの。それでね、気付いちゃったのもっと面白くなるシナリオを。」
刺激が欲しいからというのが八戸場の行動する理由の核となる部分。
面白くなりそうならどうなったて構わない。
それがこの女。
入部時にはそんな片鱗に気付くことすら出来なかった。
「ウチは、高貴なる騎士団に潜入しつつ、もっともっと面白そうな貴方に加勢することにしたの。」
「悪いが、俺にはその話が本当なのかどうか分からない。自分が高貴なる騎士団だと明かして俺につくというのをどうやって信用すればいい。」
ありえないことだ。
例え、こいつが本当に俺の力になろうとしていたとしても、疑心暗鬼のままではデメリットになるだけだ。
それに普通に考えたら協力するフリをして組織に情報を流すと思うだろ。
「良い、その表情がたまらなく良いの。目の前に現れた選択肢。だけどそれは、明らかに罠に見える。2択に悩み溺れる姿が堪らなく好きなの。」
恍惚として狂気の笑みを見せる八戸場。
ダメだこいつ。本当に組織とかには興味がなく、面白いことについて行きたいのだろう。
「30秒だけ時間をくれ。これで大きく未来が変わる気がする。」
「面白いの。いいよ、待っといてあげるなの。」
俺は確かにあの2つの組織に対抗できるような仲間を集めることが必要だと考えてはいた。
今、俺がその話をしているのは生徒会長と副生徒会長だけ。
人脈が少ないので他に何人集めらるか不明だし、こんなことに巻き込むのは申し訳ない。
そう考えると目の前のこいつは好都合。元からこの争いには関与しているし、相手の方から協力を打診してきた。
1番大きいのは、高貴なる騎士団の情報を持っているということだろう。
しかし、明らかなジョーカー。持っていても強くなるか弱くなるかは賭けでしかない。
「っとそろそろ30秒なの。結論は出たの。」
「分かった。協力をお願いする。ただし、条件付きだ。紙に俺を裏切らないことと、また組織に協力したくなったら一言俺に言ってから組織に協力することって書いた契約書を作れ。それが条件だ。」
「安心して欲しいの。こんな面白そうな方を裏切る訳がないの。でも、それだけ良いならありがたいの。ということで、これからウチの暇つぶしに付き合ってね!」
この選択間違ってたのかもしれないな。
数日後、本当に契約書を書いた八戸場がやってきたのだった。
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次回は、明日投稿予定です。
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