第093話 利害の一致
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馬鹿にはできない金額に闘志を燃やしているが1年生3人の中から1人が2回戦わなければならない。
それに、こちらは1年しかいないが他の部活の生徒は普通に上級生が出てくることが考えられる。
そうなった時に努力では埋まらない経験の差の部分が生まれてくる。
「どうするの。ウチは戦闘が得意じゃないからパスするなの。」
「私もあんまり自信ないな。1対1だと隙が大きくて上手にできるか分からないし、上級生相手だと緊張しちゃいそう。」
「・・・。そうなると俺しか残っていないな。」
うーん。正直、戦うこと自体にはあまり抵抗はない。
上級生と戦う機会など滅多にないし、ここでの戦闘経験は自分の大きな糧になるだろう。
しかし、問題はそこではない。
多くの生徒に手の内を見せることになる。これが後々不利に働くこともあるだろうからな。
「霧道、副部長だし適任。実力だってついてきてるし。」
「俺、いつも間に副部長になってたんですか。しっかり部活来てる小鳥がどう考えたって副部長でしょ。」
「どうせ、普通の部員でも副部長でも変わらないから来た順で。」
別に面倒な仕事を押し付けられている訳ではないから良いのだけど、普通そういうのは本人に言っておくものではないだろうか。
まぁ、これ以上追求しても何も出てこないだろうからやめておこう。
「とりあえずは俺が2戦するってことで決定にしましょう。対戦経験はあるに越したことはないですしね。」
「霧道、更生計画が上手くいってる。」
「霧道君、もしかして悪なの?」
「変なことを吹き込まないでください。それともう2週間しか期間がないんですから出来ることはやっておきましょう。」
俺は携帯を取り出して銀丸と夢衣にメールを送っておく。
今は2人とも部活中だろうし急いですぐにできることでもないしな。
◇◆◇
・・・3日後
「さっそく利害の一致ってことで協力させてもらうよ東源さん。」
「いやー、まさか君の方から誘ってくれるなんてお姉さん嬉しいねー!」
「部費を集めることは重要なこと。それに必要ならなんでもする。」
BBQをした部活での合同練習を設けることにしたのだ。
自分達の部活だけで練習したって分からないことも多いだろうし、第三者からの意見も重要なのは間違いない。
それは良いのだけど、俺には予想していなかった出来事があった。
「歩君紹介するねぇー。この期末試験の時に一緒だったクラス・ファーストの 物部 佳衣 さん。2学期から新入部員として料理部に入部したのぉー。」
「そっちも新入部員でござるか。こっちも新入部員のクラス・ファーストの 糸繰 葉樹 殿でござるよ。」
アイツらは俺の親しい関係の者から調査を入れているようだ。
直接なにかしてくるとは考えにくいが、面倒なのは確かだ。
「よろしくお願いしますね。霧道さん。」
「やめておけ物部。俺はあの方からお前が霧道に接触しないよう見張っておけと命令されている。」
「失礼な方なのですね。私はただ挨拶をしただけですよ。」
ここまで表立って対立されてしまうと、いつこちらにまで飛び火するか分からない。
そう思っていると新庄先輩から提案が出る。
「せっかくだし、部員同士で実践形式の対戦をしてみないかい。」
「うーん。それもいいけど、もしこの部活のどれかと対戦するってなった時に不利になっちゃいそうだなー。」
「それなら、能力の使用禁止にすればいい。それと3つの部活動から1人ずつ選出して同時に対戦すれば、本番とは形式も違うからいい。」
折衷案としてその方法が採用されることになった。
それならこれを良い機会として捉えるべきだろう。
「最初、俺からやらせてもらって良いですか。それとクラス・ファーストの人と戦ってみたいので、物部さんと糸繰さん指名したいんですけど。」
「2人が良いなら僕は構わないけど、霧道君今日は積極的だね。」
「私はそれで構わないですよ。面白そうなので。」
「俺もお前と戦いたいと思っていたところだ。実力が知りたいとな。」
「じゃ、決まりー!」
フィールドは適当に決めてもらって始めることになる。
ここで俺は勝たないといけない。
俺が抑止力にならなければ何をしてくるのか分からないからな。
「よーい始めー。」
なんともゆるい感じで試合が始まる。
本番ではないからこれも仕方がないことなのだろう。
「いちいちお前らに時間は掛けられんからな。こっちからいくぞ。」
動き出したのは糸繰だ。
この様子では近接にも心得があるように思える。
まず、どちらから狙ってくるかが重要だが迷わず俺の方へと進んでくる。
「俺の実力が見れればそれで良いってことかよ。」
「当たり前だ。あの女は眼中になどないからな。」
普通の生徒よりは素早くキレのあるパンチを連発してくる。
だけど、ホログラ・アルファに鍛えられた俺には目で捉えることができる。
「自分の実力に自惚れ過ぎだ。」
連発し過ぎたからなのか一瞬の隙が見えたのを見逃さず、反撃の拳をお見舞いして野郎と思ったが邪魔が入る。
俺と糸繰の間を割るように蹴りが入る。
「これで貸し1ですね糸繰さん。」
「ほざけ。あの一撃を打たせてカウンターするところだった。」
チッ。2人を相手するのは難しい。
ここから全力を出させてもらうぞ。
「悪いがお前らみたいな集団に負ける訳にはいかねーんだよ。”我流体術 迅重”」
「情報にはない技だな。いつの間に。」
「これは良い情報が取れたみたいだね。」
俺は油断している2人と一気に距離を詰める。
防御体勢を取る糸繰だが、この技はスピードだけじゃない。
ダメージはあまりないようだが、元々あまり広く設定されていないフィールドの外に出てしまう。
あの一撃を無傷で塞がれてしまうのは予想外だ。
「どうしてだ。完全に威力を殺したはずなのに、ここまで飛ばされるとは。少しは認識を改める必要があるのか。いや、もっとまともなルールなら。」
初見せの技だから情報にないのは仕方ない。
不意の一撃で場外に飛ばされ、ルール上では負けになってしまったことが悔しい様子の糸繰。
握った拳は震えている。
俺の最下位だと甘く思っていたからこうなったのだ。
アイツと正面からまともに戦ったらどうなったのかそれも少し知りたくなった。
あとは、物部だけだ。
そう思って物部の方を向きな直すと、
「あれでは流石に降参です。」
勝手に降参していた。
少しは戦闘の情報を取りたかったが、状況の判断力が高いのは間違いないだろうな。
あの時割って入らなければ俺がやられたにせよ、糸繰がやられたにせよ取れる情報が少なくなるからな。
「最後は握手で健闘を讃えよう。」
新庄先輩らしい武士道精神の塊のような発言だ。
話す気ができたので俺は最後の握手の瞬間に警告する。
「お前らボスに伝えておけ。俺と親しい人をあまり巻き込むなよってな。」
「今回勝ったご褒美に伝えといてあげますよ。」
「あまり今回のことで調子に乗るなよ。あのまま続ければ俺が勝っていた。」
悪の進行が早いことに焦りを感じつつ勝利をもぎ取った。
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次回は、月曜日投稿予定です。
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