第075話 お前は誰だ
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夏休みも中盤といったところで俺達はある問題に直面していた。
「やばいでござるな。」
「それそろ始めないとな。」
「倉谷先生怒るとめっちゃ怖いもんねぇー。」
そう、課題である。
学生の多くが苦しめられてきたのではないだろうか。
今、目の前の机には大量の課題が並べられている。
俺達は前半のほとんどを大柏邸で過ごしていた。
その時には課題など当然のように持っていかなかったので一切手をつけていない。
しかし、夏休みの折り返しまで来て何もしないのは流石に危険ということで3人で集まることにした。
「拙者は苦手分野が多いでござるから力にはなれないでござるよ。」
「俺も勉強は普通くらいだな。教えるって程でもないし、それぞれで頑張るしかないな。」
「へぇー、2人とも意外だねぇー。筆記試験の順位はどんな感じだったのぉー?」
そういえば夏休み始まる直前にモノクルで結果を確認できるようになってたらしいな。
見てみるか。
筆記順位 :72/120位
学年ランク:91/120位
筆記試験は可もなく不可もなくといった感じになっている。
注目すべきはそこではない。
なんと、学年ランクが大幅に向上している。
確かにptが入る試験ではかなり良い結果を残してきたと自負しているが、ここまでとは。
俺が1学期のことを思い出していると、横から夢衣が俺の携帯を覗きこんでくる。
「1学期でここまでの順位に上がるなんてすごいよぉー!」
「なになに気になるでござるよ!」
「なんだよ。お前らばっかり俺の見てズルいだろ。」
「拙者は、筆記86位の学年ランクは82位でござるな。」
筆記の結果はともかく学年ランクが近付いてきているのは、俺の成長をますます感じさせる。
銀丸は中間試験では0ptと苦戦していたようだが、大量得点の機会がある期末試験では決勝まで勝ち上がるほどの好成績を収めている。
なので、ここまでの順位になっているのも納得できるな。筆記は、得意科目の歴史と古典で他の教科をカバーしているようなので順位としては、最低というまでではない。
そもそもこの学園の点数の基準が高いというのもあってこの順位なのだろう。
「で、散々人の順位を聞いてきた夢衣はどうなんだ。」
「そうでござるよ。自分ばかり聞いておいて言わないなんてないでござるよな。」
「あははは、えーっとねぇー。学年ランクが107位だよ。」
この学年ランクが低くなっているのは仕方ないだろう。
夢衣は、中間・期末と良い結果に恵まれなかった。
本人の実力自体は申し分ないのだが、勝負の世界は残酷なもので実力があるから必ず勝てると言うわけでもないのだろう。
「で、筆記試験の順位は?」
「い、言わないとだめかなぁー?」
「勿体ぶっているとハードルが上がっていくだけだぞ。」
「夢衣殿ならどんな結果でも驚きはしないでござるよ。」
「それなら教えるけどさぁー。筆記は115位。こんなのほぼ最下位だよぉー。」
普通の授業中に居眠りばかりしているから低いとは思っていたがまさかここまでとは。
よくこの学園に入れたなと純粋に感心している。
筆記はあくまで特防に落ちてしまった時に、一般企業でも苦労しないようにと配慮されているものなので直接的な評価にはならないのかもしれないな。
これ以上傷を抉るのは良くないので大人しく課題を進めるか。
歴史と古典の課題は銀丸に教えてもらって、その他の教科は俺が教えることになった。
教えると言っても夢衣がすぐに基礎的な問題について答えを聞いてくるので仕方なく答えを言うというものだったけど。
1時間も経てば疲れが出始めてしまう。
これ以上続けても効率が落ちてしまうので長引いてしまうだろう。
宿題をダラダラとやるのも面倒なのでここで一旦休憩を挟むことにした。
「俺何かお菓子とかジュース買ってくるけど、欲しいものあるか?」
「拙者は何でも良いでござるよ。なんなら拙者も手伝うでござるが。」
「気にするな。コンビニまでなんてすぐそこなんだしお前は休んどけよ。」
「むぅーは、コーラーとメロンソーダと、ポテチとクッキーもいいなぁー。」
「お前は自重することを覚えろ。」
とりあえずは適当に選ぶことにしてコンビニの方に向かう。
コンビニに着くと外の暑さを忘れられるほど気持ちの良い冷風が迎えてくれる。
お菓子コーナーへ真っ先に足を進めるとそこには知っている顔の人物がいた。
「奇遇ですね霧道君。お菓子でも食べられるんですか?」
「課題の途中だから休憩がてらにな。氷室もコンビニとか利用するんだな。」
「僕を何だと思っているですか。それにしても課題ですか。残り半分なのに何も手をつけてないと大変ですもんね。」
「本当そうなんだよ。一気終わらせるのも苦労するしな。」
買い物を終わらせて後は寮にそのまま帰宅。
もちろん、氷室とも道中が一緒なので世間話を始める。
氷室はランクも筆記も常に1位らしく悩みなんてないんだろうな。
寮も近くなってきたのでそろそろ本題に入るか。
「悪いんだが質問してもいいか。」
「霧道君が質問なんて珍しいですね。僕が答えられる範囲ならなんでも答えますよ。」
「そうかよ。”錬金術師 知識の錬成”」
錬成した銃の銃口を氷室に向ける。
「これも初めてじゃないだろ?あの時聞けなかったことだ。お前は誰だ。」
「何を言ってるのか分からないですよ。」
「俺は課題をしてたとしか言ってないのになんで何も手をつけてないって知ってるんだよ。」
「それはなんとなくの予想でそう言っただけですよ。」
「お前は俺の動きを観察してたんだろ?夏休みの序盤から寮にいなかったことも今日焦って勉強会を開いたことも。」
「根拠の薄い理由で僕は疑われているんですね。ちょっと傷つきましたよ。」
「そう。これは根拠が薄い。だからお前の尻尾を掴むには直接接触した今しかないだろ?」
「どうやって証明するんですか。」
「簡単な話だ。俺が引き金を引く。氷室なら能力を使って簡単に止められる。」
逃げる隙も与えない為に引き金を引こうとした。
「降参です。」
そういって能力を解除する氷室だった者。
そこには俺も1度会ったことのある人物が姿を現す。
「クラス・ファースト、物部 加恵。お前が俺の後をつけていたのか。」
「そうですよ。まさか、あんな言葉1つでここまでの行動に出られるなんて。」
「こんなことをするのはお前が高貴なる騎士団の一員だからか。」
「高貴なる騎士団ですか。あいつらと同じにされるのは気分が悪いですね。私が何者かそれはいずれ分かることになりますよ。それまでのお楽しみにしておいてください。」
その場を去ろうとする物部を止めることはしなかった。
今はまだ触れてはいけない何かな気がして。
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