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怠惰な俺が最強になる証明  作者: 風野唄
第2章 助け合う夏休み編
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第073話 何気ない言葉

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

今日でこの家ともお別れか。

こんなに心地の良い豪華な家にいられなくなると思うと少し残念になってきた。

目覚めたベッドが余計にそう感じさせる。


昨日あれだけ体と神経を使って疲れ果てているはずなのに、いつも通り食事を体が欲している。

いや、疲れているからこそ余計に食べて栄養を補充しなければいけないのかもしれないな。


食事の席に着くと2人も座っていた。俺と同様に眠そうだが食欲には勝てなかったようだ。

メイドさんが最後の食事を運んできてくれた。


朝食なのに何回見ても豪勢だなと思ってしまう。

伊勢海老のグラタンに超人気店から取り寄せたクロワッサン、国産の滅多に買えない高級フルーツの盛り合わせなどテーブルには余すことなく食事が運ばれてきた。

昨日優勝したからなのか、それとも今日でこの家ともお別れになるからなのか分からないが確実にこの量は3人では食べられない。


その謎はすぐに解けることになる。

5人の姉妹がこちらの方にやってくる。

空いている席に座って当然と言わんばかりに食事を始めた。


「あら食べないの?お腹空いているんでしょ。」


今までに何度も同じ食卓を囲ってきたかのように話しかけてくる真琴。

そんなことを言われても突然のことに驚きが隠せないのは当たり前のことだろ。


「いらないなら貰っちゃうよ。」「ご飯装うの面倒だから奪っちゃうよ。」

「あぁー!!!拙者が装ったご飯取らないで欲しいでござる!」


双子が銀丸のご飯を勝手に横取りしている。

これだけの量の食事があるのだからそっちの方から取ればいいだろ。


「夢衣、ちょっと食事の量が足りてないんじゃないの?これもいるでしょ。あー、あとこれも美味しそうよね。これなんかどうかしら。」

「ちょ、ちょっと待ってよぉー空お姉様。いくらなんでも、むぅーそんなに食べられないよぉー。」

「最後の戦いは凄かったよ。僕は夢衣姉さんの能力にも興味が湧いてきたね。あれはもっと進化するね。」


夢衣は2人の姉妹に囲まれててんやわんやな様子だ。

正直なところこの2人に絡まれるのが1番大変そうだ。


「本当に賑やかな食事ね。もう何年もみんなで食事なんてしてなかったから。」

「みんな自由な人ですからね。なんとなく想像もできます。」

「感謝してるわ。」

「感謝されるようなことをした覚えはないのですが。」

「素直に感謝を受け取れないのかな。あの子のあんなに明るい顔を見るなんて何年振りかしら。お婆様が生きていたころは何回も見ていたのだけど。」


笑っている姿なんか何回も見てきた。

それは学園の話であって、この家のではない。


「俺達が何かしたわけではないさ。自分自身で殻を打ち破った。ただそれだけだろ。」

「本当に貴方は何も分かっていないのね。これじゃあ、夢衣も苦労しそうだわ。」


俺が迷惑をかけているみたいな言い方だな。

そんな賑やかな談笑の中、もう1人予想外の人物が姿を現す。


「私も一緒に食事していいかしら。」


そして席に座る詩織さん。

一瞬にして賑やかだった食事が静かになる。

誰も言葉を発することがないので俺から話題でも振ることにした。


「あの1つ質問をしてもいいですか。地巻、柱煙、木部の処分はどうなったんですか。」

「その3人は何もお咎めなしよ。元々私の方から許可したことだし。」

「ってことは3人とも今までと同じようにここで生活していくんござるね。」

「その3人は今はこの家にいないわ。昨日決闘が終わった時から姿が見えていない。」


あれだけの裏切りを起こしたんだ。

いくら許してくれると言われても戻れる場所などないのだろう。

姿を眩ませたのが不穏なことに繋がらなければよいのだけれども。


「お母様。学園生活を続ける約束守っていただけますよねぇー。」


不安になっている夢衣は、また少しの沈黙があった後確認のための念押しをしている。

ここで口を開いたのは詩織さんではなくて、空の方だった。


「えっ。何よそれ聞いてないんですけど。夏休みでこっちに帰ってくるって話しだったんじゃないの。」

「何も分かってなかったんだね空姉さんは。夢衣姉さんの居場所はここじゃないのさ。それに僕達が悪戯しすぎて怖くなっていると思うよ。」


気付いてなかったのかよ。このシスコンは。

夢衣、ここで言わなきゃいけないことがあるだろ。


「確かに昔はすごく怖かったよぉー。むぅーばっかりなんでこんな酷いことされないといけないんだろぉーって。でも、今はちょっとしたすれ違いだったのかもって思てきたよぉー。まだ怖いけど少しだけこの家のこと好きになれたしぃー。」

「な、なら戻ってきてくれてもいいんだよ。ほら、ちょっとくらいなら優しくしてあげるし。」


首を横に振る夢衣。


「むぅーはあの学園で、あの学園の仲間達と過ごしたい。自分が成長できるのはあの場所しかないと思ってるのぉー。」

「好きにしなさい。」


詩織さんかの許可が出たからなのか。

これ以上は何も言えないと思ったか空も黙りこんでしまう。


食事の時間も終わったので部屋に戻り荷物をまとめる。

俺はそこまで多くの荷物をもってきた訳ではないもですぐに準備を終わらせて玄関の方に向かう。

銀丸も同じようで待機しているようだ。


少し遅れて夢衣も合流した。


「じゃあ帰ろうかぁー。」

「挨拶しにいかなくていいのか。」

「そういうの柄でもないから大丈夫だよぉー。」

「夢衣が言うならいいか。」


俺達が帰ろうとすると。


「ちょっと待ちなさいよーーー!」


案の定、空が全力でこちらに走ってくる。


「グスッ。ほんどうにぃー、いっじゃうのー。」

「こーら。だめだよ空姉さん。夢衣姉さんのことを思うなら行かしてあげないと。」


思が泣きつこうとする空を止めてくれている。


「おもしろ侍また来る?」「来る来る?」

「またいつか来るでござるよ。」


いつの間にか双子に気に入られている銀丸。

機会があればまた来ることになるのは嘘ではないだろう。


「あの話、忘れないでね。いつでも空けておくわよ。」

「あまり期待しすぎないでもらえると助かるのですが。」


長女はいつまで俺のことをスカウトするつもりなのだろうか。

俺に会って口を開けばこの話ばかりだ。


遅れて見送りに来た詩織さん。

夢衣もここまで来たら何も言わずに学園に戻ることはできないな。


「いってきます!」

「いってらっしゃい。」


普通の家族と変わらない挨拶。

それでも、この家にとっては大きな一歩である。

俺達は夏の最初にしては壮絶なイベントを終わらせた。

ご覧いただきありがとうございました!

次回は、明日投稿予定です。

宜しければブックマーク、いいねお願いいたします。


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