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怠惰な俺が最強になる証明  作者: 風野唄
1章 巡り合う1学期編
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第006話 静かな決着 秋鹿VS京極

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。不定期投稿ですが、なるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

次で最後の試合。今までのような私語はなく、静かな中で開始の合図を待つ。


「どうやらお前ら人気者らしいなー。少しぐらい分けて欲しいね。それじゃ、今から本日最後の試合を行う。秋鹿 対 京極。始め。」


この静かな空気に耐えられなくなったのか秋鹿が口を開く。


「なんか見られてると思うと緊張しちゃいますね。もっとみんな喋ってくれていいのに。」


やはり見られていると思うとやりにくらしい。

同じ立場にいれば俺でもそう感じていただろう。


「俺は別になんとも思わない。秋鹿は状況が変われば全力が出せないのか?」


本人は何の悪気もないような顔でそういう。


「な、なんでそんなこと言うんですか!全然そんなことないですよ!」

「そうだろうな。じゃ、先行譲ってやるから攻めてきていいぞ。」


その言葉を聞いて秋鹿は挑発と受け取ったらしい。


「すごい余裕そうですね。まるで自分の方が強いみたいな口ぶり。」

「強いみたいかどうか試してみるか?」


京極の迫力のある発言は、彼の自信からくるのだろうか。

なかなか真似できるものではないだろうな。


「それではお言葉に甘えて攻撃させてもらいます。絶対に逃げないでくださいね”追跡する狩人(トラッキングハンター)”」


3本の弓を続けて射る。

中学は弓道部だっただけあって綺麗な弓捌きだな。

どうやら京極も動きだしたようだ。


「それじゃ当たらねーぞ。」


京極は短剣を取り出して3本の弓を軽快に弾く。

しかし、秋鹿も想定の範囲内だろうな。


「逃さないに決まっているじゃないですか。”矢鳥の戯れ(やちょうのたわむれ)”」


弾かれた弓は意思のある鳥のようにもう1度、京極を狙い出す。

矢に対象者を追跡する効果を付与できるのか。厄介な能力だな。

京極は全く動かないが、後ろに迫る矢に気付いていないのか。


「サービスだ。俺の能力見せてやるよ。”瞬間移動(テレポート) シャッフル”」


一瞬で京極と秋鹿の位置が入れ替わる。

京極を追いかけていたはずの矢の射線には今、秋鹿がいる。

驚いた表情を見せた秋鹿だったが、すぐさま冷静さを取り戻す。


「”追跡する狩人 解除”。物体の場所を入れ替えることができるなんて聞いてないですよ。」

「当たり前だ。能力はなるべくバラさないのが鉄則だろ。”ワープ”」


今度は秋鹿の前までテレポートして戦闘を仕掛けた。

対象を入れ替えるだけじゃなくて、指定した場所に移動もできるのか。

京極自体の身体能力もかなり高いらしくかなりの苦戦を強いられそうだ。


「その能力ズルすぎますよ。対処するので精一杯。”熟練の狩り(オートハント)”」


秋鹿は2本の短剣を放り投げ、1本を自分で持ち構えた。

放り投げた2本は矢と同じように京極に狙いを定め浮遊している。

瞬時に危険と感じたのか京極は後退した。


「お前も厄介な能力だな。だから、サービスは終了だ。」


そう言うと持っていた短剣を投擲した。

投げた短剣と入れ替わってなにかするのか、それともワープして京極が直接戦闘してくるのか。

それほど彼には手札が多すぎた。


秋鹿は冷静にどれが来てもいいように警戒している。


「”瞬間移動 ゲート”」


ザシュッ


京極の選択はそのどれでもなった。

誰も予想していなかった突如背中に現れた一撃を秋鹿はくらってしまった。

どうやら、京極は空間と空間を繋ぐこともできるようだ。

リバイブの発動を確認し勝利が宣言される。


「そこまで!勝者 京極 瞬。見事な戦いを披露した両者に拍手を。」


秋鹿も途中までは互角の戦いをしているように見えた。

だからこそあまりにも唐突で静かな幕締めだった。


◇◆◇


倉谷先生が今日の締めくくりを始めた。


「それでは今日の総括をしていこうと思う。

みんな今日はどうだった。勝った者も負けた者。どちらにも反省すべき点はあったのではないだろうか。

負けた者は今日の悔しさを胸に、勝った者は決して慢心することのないように。」


久しぶりに体を動かして疲れた。

後半はほとんど観戦だったけど。


でも、色んな発見があったから帰ったらしっかり整理する必要があるな。

どう考えても大変そうだ。

モノクルを使えば勝手にやってくれないだろうか。


「明日、明後日も少し変わった日程なので今から説明する。しっかりと聞いておけ。

本当は入学式の日に説明するべきだったんだけどな。この学園には多く部活が存在していることは知っていると思うが、

学園の方針として部活動に関してなるべく入部してもらいたいと考えている。」


部活動か。

中学の時には何もしていなかったし、この学園でも今のところする予定はないな。


「理由としては単純なのだが、特防に入隊している者の多くが部活動を行っていたからだ。あくまで一例だが運動系では基礎的な身体能力の向上、文化系では磨かれた感性や表現力が技の発想に繋がるなどメリットが多い。

なので、少しでも入部率を増やせるよう明日、明後日は丸々部活動の見学を行える日にしてある。」


学校側の配慮というわけだな。

丸々2日も休めるなんてラッキー。


「しかし、部活動を行う気がないからといって、その2日間は普通の授業日と同じよう登校はするように。

今、2日登校するようにと言ったが初日で部活動を決め入部の申請が終わった者に関しては、すぐに部活動に参加したいやつもいると思うが、上級生は見学の対応で忙しくなるため明後日は1日休みとする。」


結局2日とも登校しないといけないのかよ。

1日休みが出来るなら、部活自体面倒だけど少しでも楽そうな部活を探すのありかもしれないな。


「本日の授業はここまでとする。帰っていいぞー。」


王馬と大柏にもどうするか聞いてみよう。

そう思い2人を探していると、どうやら2人も俺を探していたようだ。


「2人ともいたでござる。明日は部活見学らしでござるなー!楽しみでござる!」


どうやら、王馬は部活に入る気満々のようだな。


「むぅーはもうどの部活入るか決まってるよぉー。」


なん、、、だと。

あのエネルギー節約とかなんとか言っていた大柏さえ乗り気なのか。


「ほうほう。それは興味深いでござる。聞いてもいいでござるか。」

「それは料理部だよー。お菓子も作るみたいだから最初から決めてたのぉー。」


大柏は食べる専門だけじゃなく作るのも好きなのを忘れていた。


「それはいいでござるなー。拙者は剣術部か将棋部で迷っているでござる。あと乗馬部とかも捨て難いでござるな。霧道殿はだいたいは決まっているでござるか。」


「あぁー、えっと。まだだな、というか、部活自体も乗り気ではないからなー。」

「それじゃあ霧道君は2日目も確定だねぇー。」


クスクスと笑っている大柏、


「そうでござるかー、明日は3人ともバラバラに動くしかないようでござる。」


気を使いながら言う王馬、


「どうせ丸1日見学できるんだし、また明日のことは明日考えようぜ。ほら、帰るぞ。」


俺は早々と部活の話から切り替え、3人で帰ることにした。

データベース


名前:秋鹿 由美(あきしか ゆみ)

年齢:16歳 9/10生まれ

趣味:弓道、キャンプ、おしゃべり


能力:追跡する狩人(トラッキングハンター)


効果:指定した対象を自身が解除するまで追跡する効果を付与できる。付与できるのは、1度に手で触れることの出来る物であまり重いものは動かせない。自分に付与すると無意識でも戦闘することも。


備考:明るく頼りになるクラスメイト。親が猟師であり、たまに仕事についていくこともあった。人と話すことが好きであり性別や趣味を問わず様々な人との会話を楽しんでいたこともあり、中学時代はかなりモテていたらしい。ちなみに、彼女にとっての秋は、食欲の秋。


データベース


名前:京極 瞬(きょうごく しゅん)

年齢:16歳 2/3生まれ

趣味:筋トレ、格闘技、ラーメン屋めぐり


能力:瞬間移動(テレポート)


効果:指定した対象を入れ替えたり指定した場所に移動したり、空間と空間を繋ぐことも可能。攻撃手段が多く様々なパターンの技が可能。しかし、対象を指定するためには数秒間そこを確認しておく必要がある。


備考:クラストップの実力をもち、自信に満ち溢れた男。普段は少し天然な部分もある。他のクラスにも劣らないであろう実力でありながら、クラス・フォースなのは特防を目指す理由にあるようだ。ちなみに、ラーメン屋めぐりの途中で、自分が作ったほうが美味しいのではないかと考え自作したことがある。

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