第067話 重い言葉
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「残念だけど今の貴方達では木部に誰も勝つことはできないわ。」
これは挑発ではなく忠告。
実力を持ったものが与えた少しもの情け。
昔の俺ならありがたくその忠告をもらって逃げただろうな。
「生憎、俺達は諦めるって選択肢がないんだ。倒される準備しといてそこで待ってろ。」
「拙者も歩殿と同意見でござる。拙者も武士の端くれ。通さなければいけない道理があるでござる。」
夢衣は下を向いて顔すら合わせられなかった最初の日とは違い、ただ決意した目だけを真琴に見せて構える。
その顔を見れば言葉がなくても意思は伝わる。
「そこで話しを進めないでよ。」「私達もいるんだけど。」
この双子はまだ何か隠している。
それが何かは分からないけど注意が真琴に向いている今、仕掛けてくる可能性は高い。
どちらだ。どちらが先に来る。
先ほどまでの時間が嘘だったかのように静かだ。
全ての音が鮮明に耳元に残る。
ザッ!
動き出したのは、双子達。
「地味だよ。地味すぎるからもっと派手にしてあげる!”爆弾変化 煌く爆破”」
手の中に隠されていた砂を放り投げてくる。
投げた砂はキラキラと光を放ちながら爆発を起こす。
強すぎる真琴達よりもこっちを倒し切るほうが勝てる未来が見えたのだろうか。
それともこいつの自己判断だろか。
「その爆破も強すぎんだよ。”錬金術師 元素錬成”」
風の玉は勢いによって爆発を相殺する。
その爆発に隠れてもう1人こちらにやってくる。
「そっちのチームで1番強いのはお前だな!霧道歩!!!”筋肉強化 マッスルアタック”」
しまった!
この距離まで詰められてしまった。
ダガーを錬成していなければこちらの戦闘力はかなり半減されてしまう。
体術は俺の能力でカバーできないからな。
ギリギリで避けようと思うが間に合うかどうか微妙なラインだ。
なら、避けなくてもいい。俺は1人ではないからな。
「確かに歩殿が強いのは認めるでござるが、拙者とて負けるつもりはないでござる。”中級 金の番人”」
重い一撃を放たれたが、銀丸がしっかりと受けきる。
しかし、この決闘では一息つく暇などない。
受け切ったと思った瞬間に次の攻撃が来る。
俺達と力と呼ばれている付き人の間を割るようにして、木部の一撃が来る。
「・・・・・。”気分屋な刃 運天命”」
さっき腕を切り裂いた時とは違う。
攻撃はゆっくりとしていて時間をかけている。
違うのは速さだけじゃない。
先ほどまで2人がいた地面は凄まじい衝撃でひび割れてしまう。
「”札術の陣 捕縛の札”」
札の能力によって身動きが取れなくなってしまう木部。
ここで戦闘には参加できないと思っていた双子が動き出す。
「この未来を待ってたんだよ。」「ずっとずっとね。」
「「”未来視 過去視 予言された死”」」
双子は一直線に木部の方へ向かっていく。
ここで木部に勝てる予言があったのだろう。
決して戦闘力は高くない双子の捨身の一撃。
守られていたように見えてこの攻撃にかけていたのか。
強敵を自らの手で倒し切ることで、後のことを付き人に任せる作戦か。
身動きが取れないからなのか、全く抵抗することはなく双子の攻撃を見せる。
ナイフが腹を擦り大量の血が溢れ出してくる。
これだけ大量の血が流れてしまえば、いずれリバイブが起動してしまうだろう。
強敵の最後はとても呆気なく静かなものだった。
「あら。木部がやられてしまったのは意外だったわ。私が直々に動く必要があるなんて不運だわ。”真の言の葉 消えない言葉”」
その後に真琴は大きく息を吸って声を出す。
「”双子は30秒間その場を動くことはできない”」
その言葉を聞いた双子は動くことができない。
言葉を真実にする能力。
本当にそうなのだとすれば対策のしなければ一瞬で壊滅するのは免れない。
「未来様!華子様!今助けます!」
「本当に許せない。派手とか地味とかこの際関係ない。潰す。」
「「”札術の陣 爆発変化 大爆破の札”」」
いくつもの札が真琴に襲いかかっていく。
札についてはずっと観察していたが使用者によってコントロールをしている。
つまり、狙った獲物は逃さないということだ。
「馬鹿ね。意味がないに決まっているじゃない。”札を操っている者は手元が狂ってしまい狙いが変わってしまう”」
こっちに向かってくる札の数々。
双子にも向かっているようだ。
この数が爆発されたらこっちも無傷では済まないだろう。
俺がなんとか相殺しきるしかない。
と、思った瞬間に夢衣がカバーに入っている。
「”魔法のお菓子 ビスケット”」
多くのビスケットを食べきった夢衣がビスケットの壁を作ってくれる。
ビスケットは粉々にされてしまうが、防ぐことはできた。
しかし、動くことができなかった双子は自らの付き人の手によってリタイアすることになった。
「”錬金術師 知識の錬成”」
言葉を聞いてはいけないのならば、聴覚を失っても防ぐまでだ。
耳栓を錬成する。
銀丸と夢衣に渡すのは勿論のこと、3人の付き人にも渡しておく。
「なぜ俺達にもこれを渡すんだ!お前達に助けてもらう覚えはないんだよ!」
「なら、真琴の能力を喰らってリタイアするんだな。いいか、アイツの能力は人を操ることもできる。自分が標的にならないように操るなら次に攻撃されるのは、俺達かお前達のどちらかだ。」
「やめろ、力。これは有り難くもらっておくぞ、霧道歩。だが、これは貸しではない利害の一致だ。」
それでいいんだよ。音が聞こえないのはかなりのデメリットが生じる。
相手の動きを察知するのは視覚を頼りにするしかない。
それに連携もアイコンタクトなどの動きでするしかない。
「”ーーーーー ーーーーー”」
真琴の口が開く。
何か能力を使ってくるのは分かる。
しかし、言葉が使えないのなら意味はないはず。
ヒラッヒラッ
目の前に紙を投げられる。
紙には”耳栓を取れ”そう書かれている。
!!?
俺はその紙を見ると体が勝手に動き出し耳栓をとる。
「駄目でしょ人の話は聞かないと。それと聞かないだけじゃ駄目よ。見るのも命取り。」
「デタラメだよアンタ。」
「貴方もでしょ。まだ本気には遠い。そうでしょ。」
あの木部という男だけが強いわけではなかった。
それもそうか。そうでなければ大柏家の長女がここまで恐れられることはなかっただろう。
俺はそう思いながら攻略の糸口を冷静に探していた。
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