第050話 身に覚えのない訪問者
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部屋に入るとベットで横になった。
次の訓練まで時間が沢山あるわけではないので寝ることはできないが、さっき汗を流すためにシャワーを浴びたので清潔だからベットに横になるくらいはいいだろう。
携帯で動画をみようかと思ったとき、部屋をノックする音が聞こえる。
誰か来たようだが誰だろうか。
「はーい誰ですか。」
扉を開くと銀丸が目の前にいた。
「やることがなかったので遊びにきたでござる!」
「銀丸か。遊びに来たっていってもこっちもやることはなんもないぞ。」
とりあえず、扉の近くで話しているのもなんなので部屋の中に案内した。
「本当に部屋の作りは全く一緒でござるな。あと、何部屋この部屋があるのでござるかな。」
「聞いたところによると10部屋はあるそうだぞ。相当金を持っているんだろうな。」
「そこでござるよな。まさか、夢衣殿の実家がここまでのお金持ちだったとは考えてもいなかったでござる。」
「本人は家族のことについて触れてほしくないみたいだから知らないくて当然だよな。」
「それに本人は家族の人達から逃げるようにして白ヶ峰学園に入学したようでござるし。」
確かにこの家は夢衣に少し厳しいような気がする。
そもそも気が強い人間が多いのかもしれない。
心優しい夢衣にはきつかったのだろう。幼少期だったらなおさらである。
本人は気づいてないかもしれないが、たまにトゲのあることをいうのはこの家の影響なのではないかと心配になってくる。
「夢衣がどこの誰だろうと今まで通りに接していくことには変わりないんだけどな。」
「それならまずはどうにかしてあの怖そうな母親を説得する方法を考えておく必要があるでござるな。」
「それもだけど、まずは決闘して強さを認めさせてやるのが、夢衣にとってあの学園が有意義だったと証明する方法だろうな。」
話は逸れていきくだらない雑談になっていった。学食何が美味しいとか学園の生徒の噂など。
そのあと、誰が強かったなどいつも雑談に流れていく。
「思い出したでござる!そういえばさっきの風の技いつの間にできるようになってたでござるか。期末試験の時には完成してたでござるか。」
「いやいや、これは期末試験のときには使ってなかった。なにせ、その時にはまだ暴発してしまってたからな。ここに来て練習してたらできるようになったんだよ。」
「もしかしたら、暴発に巻き込まれた可能性もあったんでござるか。」
「それならそれで俺の勝ちだな。」
納得したようでそろそろ銀丸は自分の部屋に戻るらしい。
30分だけ仮眠を取るので起きなかったら起こしてほしいと言い残していった。
俺は器用に30分だけ睡眠を取ることは絶対にできないので羨ましく思ってしまう。
銀丸が帰ったのを確認してテレビでも見ようと思っていると、
コンコンコン
また、銀丸が戻ってきたのか。
まだ話し足りないことがあるのだろうか。
扉を開けるとそこには知らない顔の人物がいた。
この家の人だろうから夢衣の姉妹だろうけど。
「こんにちは、あなたが”錬金術師” 霧道 歩であってるかしら。」
「えっと、そうですけど夢衣のお姉さんですか。」
「そうよ私がこの家の長女、大柏 真琴よ。覚えておくべきね。」
確かに招待された側の人間ではあるけど、ちょっと偉そうにしすぎではないか。
「なんで俺の能力について知っているのかと、何故ここに来たのかについてもお聞きしてよろしいでしょうか。」
「あら、言葉遣いはしっかりとしているのね。もっと野蛮な人かと思っていたわ。」
俺の拳が暴発する前に用件を話せよ。
イライラしていると部屋の中に入ってくる。
「なぜ、能力を知っているのかね。あなたの能力が有名だからに決まっているじゃない。」
「俺の能力がですか。過去に同じ能力を持っていた人間がいるというんですか。」
「かつてこの日本には6人の術師がいたと言われているわ。”錬金術師”、”結界術師”、”呪術師”、”占星術師”、”回復術師”、”召喚術師”。これをまとめて人類の砦と呼ぶのよ。歴史にも残る能力を持った人物がいるとしたら興味を持つのもおかしな話しではないでしょ?」
結界術師。結鈴の能力だ。
それに俺の能力も歴史に名を刻んでいるというのか。
だから、それに気付いている人間は俺を高く評価していたのか。
少しだが今までに違和感があったことが解消されていく。
「そうだとしても俺は超絶すごい能力って感じは今のところしてないですけど。」
「あなたもバカね。使い方に問題があるだけよ。そんなことは今どうでもいいのだけれどね。」
どうでも良いて言われてもな。
変な組織に狙われている俺からしたら勘違いも甚だしいもんだ。
「あなた、今すぐに学園をやめて私のボディーガードになりなさい。」
この家はすぐに人を欲しがるな。人材不足なのか。
「特防に落ちたら考えます。」
「ノーが言える立場にあると思っているの?」
「親から嫌なことがあったらノーって言いましょうと教わったので。」
「本当につれない男ね。他の男なら私を見て2つ返事で了承するのに。」
「あなたが興味あるのは俺の能力ですよね。怖くて本当なら今すぐにでも逃げたいくらいですよ。」
諦めたのか、他の作戦でも考えることにしたのか。
とりあえずは部屋から出て行ったくれることになった。
「また来るわ。その時は良い返事を聞けるといいのだけど。」
「何度来ても同じですよ。研究とかに使われそうですし。」
「否定はしないわ。」
しないのかよ。
ふと思ったのだが、それなら結鈴も狙われていたっておかしくないだろう。
今度聞いてみることにしよう。
人類の砦
名前からしても何かから守護していたのかもしれないと推測できる。
つまり、まだ人類の砦の他にも歴史に名を刻むような能力があったということになる。
心当たりがあるとするならば、”原初の凍氷”、”原初の火焔”。
こことの関わりがあるのかどうかは今度部活に行った時にでも調べてみるとするか。
余計な情報が入りこんでしまったので忘れていたが、今は目の前のことに集中しよう。
あの姉とも勝負することになるのか。
俺の能力はもしかすると完全に調べられているかもしれない。
そうなると、他の2人でどうにかするしかないだろうな。
寝転がろうと思っていたのだがさっきの会話でそんな気分にも慣れず、いろいろと気になったことについてネットで調べる。
簡単には記事が見つからないので知っている人は限られているのだろうか。
ますます、あの長女がどこから情報を持ってきたのか怖くなるな。
時間があっという間にすぎ、モヤモヤを胸の中に仕舞い込む朝の場所に移動した。
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次回は、明日投稿予定です。
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