第044話 隠された存在
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本戦はいよいよ決勝というところまで来た。
決勝戦は、氷室と来井がいる第1チームと王馬のいる第29チームの戦い。
序盤は来井が1人で突っ走りそれを第29チームの見事な連携により阻止。
さすがはここまで勝ち上がってきたチーム同士の戦いだな。全く隙が見当たらない。
そして王馬だが、かなりの活躍を見せている。第1チームのクラス・セカンドの生徒を1人で陽動し、対等に戦っている。観戦している生徒達もこの以外な活躍に盛り上がりを見せている。
自分が褒められたわけではないけれど、嬉しいと思えるのはアイツの今までの努力を知っているからだろう。
中盤では、満を持して氷室が登場した。登場した時は、一瞬で決着がつくのかと思っていたのだが氷室と同じクラス・ファーストの竜ヶ崎という生徒がほぼ互角と言っていいほどの勝負を繰り広げている。
先ほどまではやけに煩かった観戦会場も今は静まり返っている。
それほどにこの戦いは魅せるなにかを感じ取れた。
第29チームが氷室に気を取られ加勢しようとしていると第1チームが来井を救出してしまう。
守り切れば勝ちという場面ではあったが氷室という存在を無視することもできないので、結局試合は振り出しに戻ってしまった。
ついに時間を残り少なくなってしまい、これが最終局面だろうといったところになる。
第29チームは、氷室を竜ヶ崎に任せることにして他の3人を探すことにしたらしい。
見つけることはできたが、残り時間はあまり残されていない。
しかし、氷室じゃないからと言って他の3人が弱いというわけでもなく苦戦を強いられた。
焦りと緊張を見せる最後の3分間だった。
結果は、氷室が率いる第1チームの勝利になった。
第1チームの獲得したptは100。
最後まで互角の勝負を見せていた竜ヶ崎だったのだが、最後の最後で氷室に敗れてしまい捕獲されてしまった。
そこで試合の時間が終わり、長く続いた白熱の戦いに幕を下ろした。
試合終了後に先生達からの総評を少し聞き、次の段階に移る。
「次は、この試験の肝となる反逆者探しを行ってもらう各自最初の顔合わせで使用した場所に移動して、その場に置いてある指示書の通りに進めるように。」
◇◆◇
最初の初めて顔を合わせた個別訓練場にやってきた。
別にそれほど長い期間が空いていたわけではないが懐かしいという感情がピッタリなのは不思議なものだ。
他の3人もそう思っているのか指示書を読む前にしばらく周囲を観察している。
ここが最初と違う点は指示書とタブレット、そして観戦用のモニターに1学年1学期期末試験と表示されていることくらいだ。
俺達は、そろそろ始めないといけないと感じたので指示書に目を通す。
簡単な注意事項が書かれているので、代表して小鳥が読み上げる。
いろいろ難しい言葉で書かれてはいるものの要約するとこのような感じだ。
・話合いの時間は10分。タブレットの開始のボタンをタップすると計測が開始される。
・投票できるのは、2つの種類で反逆者無か反逆者有。仮に有とする場合、次に反逆者だと思う人物を選択すること。
・反逆者有の票が同票になってしまった場合、再度5分間の話合いの時間を設ける。それでも同票になる場合はルーレットでの選択になるため注意するように。
この3つを覚えておけば問題はないだろう。
「それで反逆者を見つけようってことだけどどうするかな。」
「どうするって話し合っていくしかないでしょ。」
最初は疑い探りを入れ合い、とてもだが団結するという雰囲気すらないバラバラのチームだった言える。
「俺は、確かに最初はどうせこの中に反逆者がいて自分だけ美味しい思いしようとする奴がいるんだろうなとか思ってたけどよ。今は、なんとなくだけどそんなの有り得ないって思いたい自分がいる。」
「私も似たような意見ね。結局準決勝まで勝ち進めることはできたんだし。最終的な獲得ptは1000ptだったのよ。これで反逆者がいるとするなら協力的すぎて意味がないもの。」
「2人ともその意見なら俺も疑うことはしない。ここまで勝ちあがれたのは確実に全員の力だからな。」
「私、すごい楽しかったです。最初は不安しかなかったけどこのチームで良かったって本当に思えました。」
口を揃えて良かったと褒め合う時間が続く。
俺も居心地は良かったと思えたのは嘘じゃないしな。
10分間というのは感想を言い合うのには少し短く感じてしまった。
気付けば投票の時間になっていた。
何を投票するのかなどと野暮なこと聞くことはしない。
皆が投票するのは反逆者無。これで統一されていることは言うまでもないからである。
全員が投票を終え画面の表示に目を向ける。
[投票結果 反逆者無 4票]
「ほらな。俺はみんな信じ合えるって思ってたぜ!」
投票結果が揃ったのが嬉しかった様子の白太。
しかし、流れてくるのは残念なお知らせ。
ブッブーー
[不正解 勝者:反逆者 月野小鳥]
「・・・えっ。どういう、ことなの。」
動揺が隠せないといった感じの結鈴。
「お、おい冗談だよな。なんでだよ小鳥!俺達仲間だったじゃないか!嘘ついてたってことかよ!」
取り乱している白太が大きな声を上げる。
「あ、あの。そうじゃなくて。え、えっと。」
説明をしなければいけないはずの小鳥は緊張からか上手く喋れなくなってしまっている。
少しだけ喋りやすくするためにフォローしておくか。
「気付かなかったのも無理はないだろうな。なにせ、小鳥も本気で勝たせるためにここまで訓練や話し合いに参加してたんだからな。」
「どういうことだよ歩。お前、最初から気付いてたってことか!なら、なんで止めなかった!」
「私の口から伝えさせてください!!!」
今までに聞いたことのない声量を出す小鳥。2人もそれに驚いたのか小鳥に顔を向け話を聞いている。
「私、反逆者になったときに怖かったんです。同じチームになる人を裏切ることになると思うと手が震えました。だから、1日目の夜に歩君に電話を掛けて相談したんです。そしたら、お前は全力で勝つことだけに集中しろって。他の2人に反逆者がいないと思わせるくらい頑張ればいいって。それを聞いて安心して後のことは歩君に任せてしまったんです。」
「喜んでやってたわけじゃないのは分かったからいいか。投票間違えてしまったから−100ptなるのはちょっと痛いけどな。」
場を和ませるたまにそんなことを言う白太だが、そこも一応考えてある。
「それなら問題はないぞ。俺達3人のマイナスされるptは合計で300pt。小鳥がプラスで獲得したptも300pt。これをランクファイトで条件をつけてMAXptで移動させれば、俺達のマイナス分は相殺される。小鳥も了承済みだ。」
「それなら私達にも話してくれればここまで混乱しなかったわよ。」
「確かめる必要があったんだよ。他の2人がちゃんと俺達のことを信頼してくれているかどうかを。」
「それが最後の投票だったってわけね。意外と歩は頭が冴えているのね。一杯食わせれたって感じ。」
きちんと誤解を解くことができ期末試験も無事に終了した。
いよいよ待ちに待った夏休みになる。
どこまでゴロゴロしようが怒られないぜ。
俺のいろいろな出会いがあった1学期が幕を閉じた。
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次回は、明日投稿予定です。
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