第003話 目指せ最強!倉谷響の誘惑
誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。不定期投稿ですが、なるべく投稿できるようにします。
今回から戦闘シーンにしようと思っていましたが長くなりそうだったので、次話にします。本当にソーリー。
よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。
「本日の日程は、昨日説明した通り行われる。詳しい説明は、第2訓練場でするので遅刻することのないように。以上だ。それと、霧道は第2訓練場に移動する前に職員室へ来るように。」
登校2日目にして担任に目をつけられるとは、大変なことになってしまった。
昨日の件まだ引きずっているのか。
「どんまいでござる。拙者達は先に行ってるでござるよ。」
「霧道君ってもしかしてわるい人?いけないよぉー。」
「俺が怒られると決まったわけじゃないだろ。さっさといけよ。」
俺だって呼ばれた理由に見当がつかない。
学園生活は、穏便に過ごすという目標はすでに失敗に終わった。
職員室につき、先生の元まで案内されたが、その間ほかの教師の視線が痛かった。
「先生、呼ばれた理由がわからないのですがどのような用件ですか。まさか、昨日の自己紹介の件じゃないですよね。」
「その件については、また後日ゆっくり話そうじゃないか。」
そこは水に流してほしい。
器が小さいと婚期逃しますよ。
「単刀直入に言うとだな。お前、入試試験を本気で受けていなかっただろう。」
この教師、随分とひどいことをいうものだ。
本気で受けていた生徒だったら確実に泣いているだろう。
「先生が何を言っているのか分かりませんよ。どうしてそんなこと言うんですか。」
「勿論、何の証拠もなくそんなことを言っているわけではない。入試試験の映像は、学園の者なら誰でも確認できるようになっている。そこで私はクラス全員分のデータを確認した。」
だらしない性格かと思っていたが、クラスの情報はしっかり集めていたか。
「霧道、お前の実技試験に関して能力が確認されなかった。戦闘方法は、用意されたバックから爆発物を取り出して投げるか、予め用意していたであろう拳銃で戦うの2つのみだった。使用された物に関しても市販の物と変わりはない。
それに試験内容は、試験用ダミー人形を制限時間内により多く倒すというものだったが、お前は積極的にポイントを取りにいかず自分の近くに来たものだけを取っていた。仮に能力を使用していたとして、本気でないことは明らかだ。
反論はあるか?」
ただ能力に関して調べていただけでなく、戦闘スタイルなんかも確認していたのか。
それなら、疑問が出てくる。
「確かに入試試験に関しては必要最低限で受けていました。それは、認めます。でも、それなら何故俺は不合格にならなかったのでしょうか。」
実際、あの入試はなんとなくで受けたし、自分でも合格しているとは思ってもいなかった。
俺が特防に入隊したい理由も安定して高収入が稼げるという理由だけだったし。
「それはだな、生徒会長の推薦だ。この学校では学園長推薦と生徒会長推薦の2枠が設けられている。
教師も反対意見が多かったが規則は規則なのでな。お前の入学が認められたというわけだ。」
「学園最強の生徒会長がですか・・・。」
「そこで私はこう考えたんだよ。
生徒会長が理由もなく 霧道 歩 を推薦するわけがないとな。きっとお前には本人でさえ知らない隠された才能が眠っているのだよ。」
この壮大な前振りの後に良い言葉が続くとは考えられない。先生は胡散くさい笑顔を浮かべ話を続けた。
「で、だな。君には5つの希望を目指してもらいたいのだよ。安心しろ君になら絶対できると先生信じているぞ。」
力強く俺の肩を掴んできた。
最弱の人間に頼むことじゃないだろ。
早く断らなければ面倒なことになりそうだ。
「確かに入試は本気で挑んでませんけど、俺が本気だしてもクラスの上位ランクにすら届かないと思いますよ。ということで、その願いは他の生徒に頼んでください。」
そう言い残して逃げようとした時、先生が呼び止める。
「霧道、何故生徒会長に新入生の推薦枠があると思う。それはな、5つの希望は特防の入隊率の貢献と学園の秩序の安定をもたらしていることから、ある程度の自由を許されているからだ。
ちなみに5つの希望は一定数の授業の免除と可能な程度の要望を学園側に通すことができるぞ。」
授業の免除、、、だと。それは聞き逃してはならない。
しかし、俺は先生の手のひらの上で踊らされていることは理解しているので言い返してやることにした。
「先生。俺、最強目指してみようと思います。」
倉谷先生と熱い握手を交わした。
◇◆◇
良い話を聞いて調子を良くしながら第2訓練場に移動した。
訓練所につくと王馬と大柏を見つけたので近づいていく。
「おぉー霧道殿、遅かったでござるな。なんでそんなに嬉しそうなんでござるか。」
「それは良いことを聞いたからな。」
まだ、5つの希望になれると決まったわけではないのに免除のことを思い出しニヤニヤする。
「怒られると思ってたのにぃー、元気そうだねー。」
俺も怒られることを想定していたから、今日は気分がいい。
そうして、気分を良くしていると倉谷先生がやってきた。
「これより対人形式による戦闘訓練を行う。この授業は、今の自分の実力を知ると同時に1年間の目標や他の生徒はどのような戦い方をするのか知る良い機会となる。心して挑むように。」
先生が言った通り、今までは能力の使用は制限されており他の能力を見ることは滅多にない。
強くなるためには大事な初戦ということだ。
「さっそく、試合を行うと言いたいところだが生徒には重要なものを配る。1人1個受け取るように。」
生徒には、黒色のブレスレットが配れた。
金属のような硬い物体で作られているようだが、重さは全く感じないな。
重要なものらしいので説明をよく聴いておくことにした。
「これは君達の命を守る救命ブレスレット、通称リバイブだ。
これは公式の試合でも使用されているもので、致命傷になる攻撃等を受けると自動的に治療と防護壁の展開を開始する。
治療に関してはどのよう状況であろうと蘇生が可能であり、防護壁に関してもいかなる攻撃も防ぐ優れものだ。1回使用すると再度使用するには5時間のインターバルが必要となるので注意するように。
それと女子生徒からの要望が多かったのでブレスレットの色はいつでも変更可能だから覚えておくといい。」
かなり重要なアイテムだし無くすことのないように肌身離さず身につけておく方がいいか。
「それでは、対戦試合に移ろうと思う。試合はランクが下から順にするので自分の順番を確認するように。まずは、 霧道 歩 対 犬飼 渉だ。両者、準備をするように。」
いきなり俺からスタートかよ。
面倒だけど昨日とは違い最強を目指す理由ができた。
手を抜くことはできないな。
怠惰の証明 キーワード
能力
戦闘するためには必須といえるもので、様々な超能力が発見されている。
国家専属能力特殊防衛部隊
通称、特防と呼ばれている機関。国同士の争いを起こさないために集められ能力をもった選ばれた者の集まり。安定した高収入が約束されている。
5つの希望
白ヶ峰学園における学園ランク上位5名のこと。特防の入隊率の貢献や学園の秩序を守っていることから、ある程度の自由が許されている。
学園ランク・学年ランク
白ヶ峰学園での強さの指標とされている。5年間でこの順位を上げると特防で評価されやすいことに間違いない。
学園生活支援アプリ モノクル
学園内の生活におけるサポートをAI学園マスコットのモノノがしてくれる。かなり優秀なAIが搭載されており学園では必要不可欠である。モノノは猫とも犬とも言えない不思議なイラストである。