第018話 リングの行方
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<来井side>
チッ、どこにいっても人が多すぎる。
リングはなるべく守りきりたいから隠れるしかない。
だが、チームメイトとは別行動の今なら最悪能力を使用できる。
今後の動きについて考えていると誰が近くにやってくる。
「来井殿じゃないでござるか。なぜ、1人なんでござる?」
「ククク、1人なら狙ってほしいって言ってるもんだね。」
王馬 銀丸 と 灰化 学か。
それに、後ろにいるのはクラス上位の秋鹿。
「俺が1人でいる理由なんてどうでもいいだろ。悪いが俺のリングは渡さない。用がなければさっさと散れ。」
3人いるチームと戦うメリットなどないからな。
これでどこかに行けば楽なんだが実際はそう上手くいかないだろうな。
「リングを渡してください。私達はあなたのリバイブを発動させるのなんて簡単ですよ。」
「俺達が散るわけないだろ、お前は本当に生意気なやつだね。ククク。」
仕方ない。ここは、不意打ちで1人を持っていければ一旦引くだろう。
しかし、そんな隙がないのは知っている。
「お前らだけじゃ、俺は抑えられないぞ。俺からリングを奪いたいなら後10人は連れてこい。」
「イライラさせてくれるねーー。ククク”毒香る花々 毒蕾開花”」
1人でこちらに来る灰化。俺の挑発がしっかり効いていたらしく、王馬と秋鹿も予測していないかったのか連携が間に合っていない。
冷静さを失ったやつ1人を倒すくらい俺ならどうということはない。
能力を使うことしか芸のない馬鹿には特にな。
腰に差した刀を抜き出す。
「”我流 夕暮れ提灯”」
灰化の放つ毒をなぎ払う。
そして、火花散る斬撃は灰化を赤く染め上げてリバイブを起動させた。
これで1対2。さっきの馬鹿とは違って手強いことは間違いない。
能力無しで使える技はあまり多くない。手が知られれば、対策されてしまう。
その前に逃げ出したい。
「王馬さん、気をつけましょう。彼、能力を使っていませんがかなり強いようです。」
「そうでござるな。ここは、練習してきたあれを実践する時でござる。」
2人の能力の合わせ技か。強力なことは確かだし、逃げることも許されないだろうな。
王馬が構えの体勢になり、その背中を秋鹿が支えている。
「”竜王の時間 追跡する狩人 狙撃一手”」
周りの木々も倒してしまう斬撃が俺の方を目掛けて襲いかかる。
秋鹿との連携技ということは、技で打ち消すしかないのだろう。
「諦めの悪いやつらだ。”我流 朝日差し”」
森の倒された木々から溢れる日差しを刀身に集めて放つ輝く一撃。
ドガァーン!!!
う、受け切れない。
残りの衝撃を全身に受け、立っているのがやっとのほどのダメージが蓄積される。
この後、俺が戦って勝てる未来がない。俺は、あれ程どうにかすると息巻いていたが負けたのか。
しかし、俺はptよりも能力を使わなかったのでそれでいい。
「俺の負けだ。リングならくれてやる。それで満足しろ。」
3つ全てを指から外して、その場から数歩下がる。
警戒しながら、受け取る秋鹿。
リングをジロジロみながら何かを確認している。
「このリングはどこから?」
「どこからも何も最初から持っていた俺達のチームのリングだ。」
しかし、それを聞いても納得していない秋鹿。
バツの悪そうな顔で説明を始めた。
「このリングは偽物ですね。私達はスタート直後にリングを全て観察していましたが、各リングには輪の内側に恐らくチームを識別する番号が彫られています。しかし、これにはそれがありません。来井さんのチームには、霧道さんがいるので恐らくそれに気付かずに錬成されたリングを渡されたのかと。」
「偽物だと。俺がそこまで邪魔だったというのか。やはり、全員俺が邪魔だと言うのか。」
俺の中で黒く渦巻く感情を抑えることができない。
やめろ。ここはまだ人がいる。
誰にも見られたくはない。
許せない。ユルセない。キリミチ アユム。
グアァアアーーーー!!!
「オレガァジャマダトイウノカァーーー!”自我なき狂戦士”!!!」
それは黒い闇に包まれて元の姿が誰かも分からないほどに醜い姿。
その醜く凶暴な闇の姿をした何かが2人に襲いかかる。
「コロス。”自我なき狂戦士 閉ザサレタ夜闇”」
辺りが一面黒に染められていく。
王馬がその中に取り込まれてしまう。
「しまったでござる!秋鹿殿だけでも逃げるでござる!!」
「すみません!このリングだけは守りきってみせます!」
王馬はリングを秋鹿に投げて渡し託した。
光の1つも許されない空間に包まれ身動きさえ許されない。
「これじゃどうしよもないでござるが悪あがきはさせてもらうでござる。”竜王の時間 上級 角々鹿々」
いくつもの斬撃が黒い空間の中を飛び交う。
しかし、どれも手応えなく闇に吸い込まれていく。
そこで王馬は意識を失い、リバイブが起動した。
そして、来井もまた力を使い切り気絶でリタイア。
<霧道side>
潜伏するのに丁度良い岩場を見つけたので時間終了まで時間を待つ。
そう考えていると近くで秋鹿が走っているのが見えた。
「休憩は終わりだ音橋。1人で走っている秋鹿を見つけたから追いかけるぞ。」
「本当ですか?リングを持っているか確認しましょう。」
俺達もこっそり秋鹿の後を追い、疲れて立ち止まった瞬間を捕らえた。
「そんなに焦ってどうした秋鹿。誰かにでも襲われたか?」
「こんにちは霧道さん、音橋さん。もしかして、これも作戦のうちですか。先ほど来井さんを見つけてリングを奪おうとしたら、あなたの作った偽物と知った来井さんに返り討ちにされましたよ。」
俺と音橋は顔を見合わせる。
「来井君に3人掛かりで負けたんですか。来井君、能力を使わないと言ってたからてっきりもう。」
「使ったんだろうな能力を。それも人には見せられない、もしくは自分でも制御できないのをな。」
能力の発動を拒み、チームでの行動を極端に嫌う人間。どちかの理由に当てはまっていてもおかしくはないだろう。
「やっぱり、霧道さんの考えた作戦だったのですね。」
「いや、まさか能力を使うなんて想像もしてなかったな。ましてや、来井のおかげで壊滅状態になったチームを探すこと自体、そもそも来井の居場所を知らない俺達には不可能だろ。」
確かにこれが嬉しい誤算であったのは間違いないのだがな。
「こちらは、2人。そっちは、1人でしかも手負い。抵抗するかリングを渡すか選べ。」
「それは勿論渡さないし、負けません。”追跡する狩人 熟練の狩り”」
ナイフを構えて近接戦闘に備える、秋鹿。
その能力じゃ、人数有利は覆せない。
このルールとその能力じゃ相性が悪かったな。
「”錬金術師 代償の錬成”」
土から生み出す鉄壁。ナイフだけでは刃が通らない。
これだけでは、攻撃に移れないが問題ない。
「”七色の音色 スタンメドレー”」
耳を防げなかった時点で麻痺するのは確定だったな。
10ptと100ptのリングを奪った。
その後リバイブを発動させても良かったが、クラスメイトである同情で見逃すことにした。
ドォーーーーン
90分の終わりを告げる合図を確認して俺達は安堵した。
1対1ではない、多数と多数のぶつかり合いは考えることも多かった。
試験終了後の説明が終わったら、すぐにでも寝たい気分だ。
データベース
名前:灰化 学
年齢:16歳 1/16生まれ
趣味:掃除、実験、ガーデニング
能力:毒香る花々
効果:様々な効果の毒を持つ花を出すことができる。事前に花を育てる必要があり、火や斬撃にも少し弱い。神経毒や混乱を招く毒などが戦闘の主なスタイル。
備考:実験が好きなクラスメイト。ガーデニングが趣味なので朝が早く、実験は人の邪魔にならないように夜遅くから始めるため睡眠時間が短いので目の下にクマがある。ちなみに、掃除も好きなので意外と部屋は綺麗な方である。




