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五話 魔王様勇者に会う

少し進むかも?

活動報告に質問を書きました。良かったら見ていってください。

「今、なんか変な声が聞こえませんでした?」

「い、いや?そ、そうか?」

戸惑いながらも誤魔化す。まさか勇者だったとは……。

「まぁまぁ、それにしても久しぶりに、お目覚めになった景色はどうでした?」

デンニーとか言った男が話をそらす。

ナイスだ!


「そうだな。随分と変わっていた」

生活水準が上がった変わりに、人々の目は皆、黒い笑顔を浮かべている。コレは進歩と言って良いのだろうか?

「それはとても良かった」

勝手に勘違いしてくれたデンニー。やりやすいヤツで良かった。


「では私はここらで」

そう言ってデンニーは立ち上がる。

「え?私おいてくの?」

勇者の困惑の声を無視して、デンニーは出ていく。




「私……どうすんのよ?」

すっかり素に戻った勇者が、聞いてくる。

「………しらないよ」

「因みにですが魔王様?多分もうすぐ薬切れますよ。」

ジニーがイタズラな笑みを浮かべて、忠告をしてくる。

バレたら舐められかねない。

「分かったよ……勇者よ」


「なによ?」

不機嫌目に勇者は返事する。

「今日は解散としよう」

「なんでよ?この後は、ご飯を奢ってくれるんでしょ?一人ってのは初耳だけど」

ぐぬぬぬ……ジニー、もしかしてその文化も続けてた?


「それで?どこへつれてってくれる……!?」

いきなり勇者が黙る。

「どうしたのだ?」

手を見る。すべすべしてて、柔らかそうな見慣れた手だった。

「ぶふぁw魔王様ぁw」

失笑どころか大爆笑しているジニー。慣れろ。

「か…………」

ほらぁ、引いてるよ。


「可愛い!!!」

「え?」

なんだって?

「はぁー……全てが可愛い。語彙力消えるわぁ」

限界オタクだぁ!?

ジニーから気をつけろと、言われていた人種がここに居る。


「あ、あの……?」

おそるおそる話しかける。

「ぶぁぁ、話しかけられたぁ……ふぅ」

なんだふぅって?なんかスッキリしてない?


「はいはい、そこまでですよ」

「なんです?おさわりしてないですよ?」

身長の高くなったジニーと勇者が、やり取りをしている。

「彼女はアイドル候補なので、あまり、唾をつけないでくれますか?」

「アイドルねぇ?こんな子にそんな事させるの?」

なに?あいどるって、そんな危険なの?

「彼女が望んだことでもありますから」

なんか不穏じゃない?


「ふーん。"でも"ねぇ?それって、貴方も望んだ事ってことよね?」

「えぇ」

「二人してなんの話なの!?」

蚊帳の外の私は声をあげる。

「ごめんね?」

カツカツと、ハイヒールを鳴らして私に近寄る勇者。


「何か有ったら、すぐに逃げるんだよ?」

「それってどうゆ──」

「じゃね。ゲロカワ魔王様と腐れ外道」

むっ。勝手に人の部下を腐れ外道呼びとは、何様だ?

「………えぇ。今は、それで良いですよ」

ジニーはさすがのスルースキルで、無視をしている。


ドアが大きな音を立て閉まり、勇者は去っていった。

一帯全体なんだったのだろうか?

私は嵐のように過ぎた時間を考えようと思ったが、時間の無駄と気づき夕食の準備をしに行った。


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