十六話 魔王様思い出す
まず無理だと思いますが、書籍化したらエピソードZEROとか書きたいですよね。
どうしてこうも自分は、王族と縁があるものだろうか?
「ふぁぁ」
そんなつまらない事を考えていると、眠くなった来る。ほらだんだんと瞼が……重く……。
「だめだ」
頭を振り眠気を払い、考え事の海にダイブする。始めて奴と会ったのは………。
*
始まりの王、ヨミと出会ったのは零歳の頃であった。彼は祝子として、私は忌み子としてとある村で生を受けた。
その待遇は年を重ねるほどに、強く感じるようになった。彼は欲しいモノを与えられ、私は全てを奪われた。
だが、私は彼を憎んではいなかった。
私は忌み子として生きるのを、しょうがないと諦めていたが、彼は私を普通の人間として生かすことを諦めなかった。
そうしているうちに、村が崩壊し私と彼は別々に旅に出た。
彼は、この世界すべての場所を統一し、私はヒューマン以外のすべての種族を束ねた。
そうして再開した頃には、ヨミはかなり歳をとっていた。
だか、私は別れた時と寸法変わらぬ姿で居た。
けれども 私たちの間にあるモノは、変わらなかった。互いに友好の誓いを立てた私たちはそれぞれ地位に着いた。
戦争の抑止力として、私は悪なるものとなり、彼はすべての光として王の座に着いた。
…………はぁ。
思えば、生まれた時から全てが始まっていた。
それに、もし村が無くなっていなかったら?
もしもは仮定の話でありもしないが、考えてしまう。
「待たせたわね!!」
再びバンとドアが開く音がして、私は目を開ける。
眩しく光が入ってきて、やがて二人の美少女を捉える。
「今度こそ、レッスン室に行くわよ!」
「はぁ、疲れたよー」
なにやら、だるそうなナデシコを無視して、マキナはレッスン室とやらに向かって行った。
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