十一話 魔王様新しいレッスンを受ける
関係ないですが、シャニマスのにちかちゃん可愛いですよね
「よく皆時間より早く来たわね」
オネェは私たちを真剣な眼差しで、見る。
レッスン開始から早一週間が立っていた。
その間に、私は振り付けを覚えある程度踊れるようになっていた。だが、マキナのラインまで行くには、まだ遠かった。
「ストレッチは全員済んでいます」
ユニットの中でいつの間にか、リーダー的な存在になっていたマキナがオネェに言う。
「言い心がけね。でも今日はダンスじゃないわ」
ダンスじゃない?今日はてっきり通しで踊るものだと思っていた。
「今日はね、歌をやるわよ!!!」
「歌……ですか?」
一番歌が上手そうなナデシコが反応する。
「そうよ。隣の部屋にボイストレーニング用の部屋があるから、そこでやるの。荷物を持って入ってちょうだい」
そう言い器用に尻尾で扉を絞め、すぐ隣の部屋に入っていくオネェ。
「始めてはいるね」
ナデシコが興奮気味に言う。
確かにこの隣は入った事がない。だから楽しみなのは分かる。だが、私は恐れている事が起きた。
でも、自分は歌が下手なのだ。
いやそれなら何で、アイドル目指してんだよって気だが、忘れていたのだ。普段歌わないし、五百年眠っていたから忘れてたの!!
「……ふぅーー」
マキナが深呼吸を繰り返している。多分天使のような声なんだろうな。
よし、私も頑張ろう。
荷物を持ち、部屋に入る。そこには、大きな機械(魔力探知機だろうか?)と鍵盤のようなものを触るオネェが待っていた。
音をならす度に、彼の獣の耳がピコピコと動く。そこだけを見れば可愛いものだ。
「あら、来たわね?」
全員が荷物を起き終えたときオネェが鍵盤と向き合う顔をあげる。
「さて、歌う前に準備運動をしましょう」
そこから、オネェによる準備運動が始まった。
準備運動と言っても、体を動かすのではない。
オネェが弾く鍵盤の音に合わせて、喉の奥から声を出す運動。
オネェ曰く、コレをやると良く響く綺麗な音が、奥から出せるとの事だった。
「この時点で、喉が痛くなった子はいる?」
誰も手を上げない。逆に喉の調子が良くなった感じがする。
「じゃあ、今から配る楽譜を配るから、その音楽を歌ってね」
オネェはそう言い、一枚の薄い紙を渡してくる。
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