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夕暮れサロン殺人事件【18】


 トランプで遊びつつ、大久保さんと一ノ瀬さんからお菓子を勧められ、口に運んでいると、いつの間にかババ抜きは古賀さんと稲垣さん二人の勝負になっていた。


 二人とも、お互いの手元にあるジョーカーを引きあっていて、なかなか勝負が終わらない。そして、二人ともいちいちゆっくりと相手のトランプに手を伸ばす。


「今のうちにここについて教えてあげた方がいいわね。砂橋さん、パンフレットは持っているかしら?」

「あ、はい。持ってます」


 後ろのポケットにいれていたパンプレットを取り出すと一ノ瀬さんがそれを開く。何も書き込まれていない地図の一階の居住区を一室ずつ指さす。


「一階の左下が私の部屋。その上が神宮司さん。右下が大塚さん。その上が小佐野さん」


 じっとパンフレットを見ながら、場所と名前を一致させていく。


「二階の左下が古賀さん、その上が杉崎さん。右下が大久保さん、その上があなたね」


 僕の部屋ということは自動的に前の毒殺で亡くなった井土侑大さんの部屋だったということになる。その前に亡くなった長良澪さんの部屋もどこだったのか知りたいが、焦ってはいけない。


「三階の左下が赤池さん、その上が稲垣さん。右下が勝俣さん、その上が雨宮さんね」


 分かったかしら、と確認してくる一ノ瀬さんに僕は頷いた。


 注意して見ておかないといけない勝俣さんが三階で僕が二階というのはちょっといただけないが、それは仕方ないだろう。空いていた部屋が二階の部屋しかなかったんだから。


「はい。甘いものをどうぞ~」


 大久保さんが僕の口の前までチョコレートを差し出してくるので大人しくチョコレートを手でもらっておいた。


 やっとババ抜きの勝者が稲垣さんに決まった時には、大久保さんは場に捨てられていたトランプを使って、軽いマジックを僕に対して披露してくれていた。


 テクニックも何も必要としないマジック。十五枚の中から僕が選んだ柄のトランプを見ずに当てていくというものだった。


 マジックは手を出したことがないけど、この程度なら僕もできそうだ。そういえば、赤西ちゃんと弾正は上手くやっているだろうか。


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