表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
171/469

配信殺人と呪われたゲーム【31】


 呼び出された蒼梧と来島は困惑した表情で、そばボーロの入った袋を砂橋に手渡した。砂橋は嬉しそうにそれを受け取り、袋を開けると一つ食べる。


「うん、美味しい。お菓子作り、好きなんだね」

「あ、はい……」


 いきなり菓子を作って持ってこいと呼び出されるとは思ってもみなかっただろう。


 しかも、ここは亡くなった成瀬唯香の住んでいたマンションの前だ。二人にはまだそのことを伝えていないが、来島は怯えたような目をして、少し離れたところで電話をかけている熊岸警部を見た。


「大丈夫だからな」

「で、でも……」


 蒼梧が来島の背中を撫でる。


「噛み砕いて説明するね。来島くん。ナユユンこと、成瀬唯香さんはそばアレルギーだったんだ」


 来島の顔が青ざめたどころか、白くなり、ふらふらとする彼を蒼梧が慌てて支える。俺は思わず砂橋を睨む。


「でも、安心してよ。成瀬唯香さんは君の作ったそばボーロを食べてない」

「え?」


 いきなりの告白にいっぱいいっぱいになっている来島に代わって、蒼梧が目を丸くする。


「腹の中にもそばボーロはなかった。よかったね。君は犯人じゃないよ」


「じゃ、じゃあ……ナユユンさんはなんで……」


「死因はアレルギーによるアナフィラキシーショックだよ」


 来島の足から力が抜けていくのを蒼梧がまた慌てて支えた。

 蒼梧は来島の手を自分の首の後ろに回した。


「食べてないけど、アレルギーで死んだ。それに、来島くんはファンだから、配信を見てたんでしょう?」


「は、はい……。確かに俺のお菓子は食べてなかったです」


 顔面蒼白になりながらも来島は首を横に振った。


「じゃあ、どうしてナユユンさんは……」


 それは俺も気になるところだ。


「その話は四階の彼女の部屋に行ってから話そうよ」


 砂橋はそう言うと熊岸警部を振り返った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ