配信殺人と呪われたゲーム【5】
「俺の友人の名前は来島一成って言うんですけど、今回、有名になっているとある事件の犯人だと思われてるみたいなんです……」
「その有名な事件って?」
「SNSで話題になってる生配信中の死亡事件です」
俺は思わず笹川のデスクトップを見た。笹川も同じことを思ったようで、思わず目が合ってしまい、笹川が心底嫌そうに眉間に皺を寄せた。
間違いない。先ほど笹川が見ていた映像の事件だ。
「その事件の犯人ってことは……生配信中に殺人事件が起こったってこと?」
「警察はそう思っているみたいです。でも……事故だとも思っているかもしれません」
「どういうこと?」
「来島は……もしかしたら本当にナユユンさんを自分が殺してしまったかもしれないと塞ぎこんでしまったんです」
思わず「は?」という言葉がでてきそうになるのを間一髪で塞いだ。
犯人かもしれない男が、自分が犯人かもしれないと落ち込んでいるという状況。聞いただけではどういう状況なのか全く分からない。
ソファーに座っている砂橋は話を聞いて考えこんでいるように両手で口元を軽く隠しているが、口元は笑っている。
俺は心の中でため息を吐いた。




