猫
いつか歌詞になってくれると信じて書いた文章です。
こんな雨の日だったな。君と出会ったんだ。
傘をさしている私をじとっとした目で見つめてさ。
「入りたいの?」そう聞いた私に君はプイッと知らんぷり。
よおし、それなら、と追いかけたって絶対追いつけるわけないし。やめた。
視線、君から向けられて。
なんでかな?私こんなにドキドキして。
きっと名前もまだない君と、友だちになれたら、なんて。
雨の中、一人飛び出して、びしょ濡れになりたいと思ったんだ。
そうすればきっと一人でも、生きていけるような気がした。
こんな雨の日だったな。君と出会ったんだ。
トボトボ歩いてる私を興味なさそうに見つめてさ。
「またあったね」なんて話しかけちゃってちょっと恥ずかしいや。
今首を傾げたのは”久しぶり”、それとも”誰だっけ?”
雨天、君から飛沫とばされて。
待って!って私笑っちゃって。
家に帰る前になんとか仕返ししてやろう、なんて。
雨の中、一人飛び出して、びしょ濡れになっても良かったんだ。
そうすればあなたはもっと私を見つめてくれる気がした。
こんな雨の日だったな。君を見つけたんだ。
道路の真ん中、こっちを見つめてはくれなかった。
言葉は出なかった。駆け寄った私は君に初めて触れた。
降りしきる雨が手に当たって、冷たくて。
君の姿を茶色で隠して、手を合わせて、さよならを、
雨はもう、止んでいたけれど、びしょ濡れのままだ、私の顔。
そうすればきっと一人でも寂しくないよね、ねえ。
雨の中、一人飛び出して、びしょ濡れになりたいと想ったんだ。
そうすればきっといつまでも、君を忘れない気がした。




