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10年前の嘘  作者: たけけん
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第6話 「おいていかないで」

 真子さんにひかるとキスをしようとしている所を見られて真子さんと会うのが気まずくなってしまった。

兄「お、おはよう」

じ「おはよう、優」

ば「停電したけど眠れたかい?」

兄「なんとか大丈夫だったよ」

真「なんとかねー」

真子さんがこっちを見てニヤニヤしている、やっぱり今朝の事をからかおうとしている

じ「昨日、ひかるの悲鳴が聞こえたが大丈夫だったのか?」

ひ「う、うん」

ば「ひかるの部屋に行こうとしたけど、真子が行かなくてもいいと言ったから行くのをやめたのよ」

兄「え?真子さんが?」

真子さんは昨日の夜、ひかるの部屋を見に来ていた、そこで俺とひかるが一緒にいるのを

見て気を利かせたのであった、だとすると今朝のキスまでの流れを見てわざと止めに入ったのか?と思った。

真「そんな事はいいから早く朝ご飯食べて買い物行かないと」

停電のため、食料が無くなってしまった。

じ「優とひかるは学校休みになってよかったな」

真「どこにも遊びに行けないから良くはないでしょ」

兄「今日、学校休みだから俺が買い物行こうか?」

ば「それは、有難いよ、お願いしていい?」

兄「いいよ!」

真「ひかるも一緒に行ってきなよ」

ひ「え!うーん、私も行くよ」

ひかるは普段。俺が買い物に行く時はすぐにでも「一緒に行く!」と言うのになぜか今日はすぐに「行く!」と言わなかった。

ひかるは今朝の事をなんとも思っていないと思っていたがやはり照れくさいのかもしれない

兄「それじゃー、買い物行ってくるねー」

ひ「行ってきまーす」

ば「気を付けて行くんだよ」

兄&ひ「はーい」

俺とひかるは近くのスーパーへ買い物に行った、昨日からの停電で街は復旧作業でてんやわんや電線を直す業者の人があちらこちらにいる、いつもとは違う街並み

兄「スーパーやっているといいなー」

ひ「そうだね…」

ひかるはやっぱりいつもより暗い

兄「スーパーでアイス買うか?」

ひ「アイス…今日はいいや」

なんでこんなに落ち込んでいるのか俺には分からない、キスが出来なかったから?真子さんにキスをしようとしているのがバレたから?さっぱり分からない、段々俺はイライラしてきた。

兄「ひかる!!!」

ひ「!?」

俺の大きな声にひかるが驚いた。

兄「なんで、朝ご飯の時から元気が無いんだ?」

ひ「そんな事ないよ…」

兄「嘘つくな!今朝の事で落ち込んでいるのか?」

ひ「だから、なんでもないよ…」

兄「そんな元気の無い、ひかる俺は嫌いだ!!!」

その言葉にひかるは敏感に反応した、昔から俺に嫌いと言われるとひかるは敏感に反応するのであった、だから俺も「嫌い」という言葉を使うのをやめていた、だが、あまりにイライラしていた為、久しぶりに使ってしまった。

ひ「お兄ちゃんは、、私が嫌いなの?」

ひかるは今にも泣きそうになっていた。

兄「違うよ、今の…」

ひ「私が悪いよね、ごめんね…」

そう言うとひかるは走り出した。

兄「ひかる待てって!!」

俺はひかるを追いかけようとしたが足が動かなかった。

兄『なんだ、これ?』

 『体が重い、息が苦しい、目の前がぼやける』

 『ひかる行かないで…』

 『父さん、母さん…』

その後の事はよく覚えていない、ただ暗闇でひかるの声が聞こえるだけであった。

ひ「お兄ちゃん!!」

 「ごめんね、ごめんね」

 「生きて!」

 「ひかるを措いて行かないで!」

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