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10年前の嘘  作者: たけけん
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第5話 「ファーストキス」

雷と停電の夜が明けた。

停電はまだ続いていた為、学校がその日は無くなり、朝からスマホや外の放送で目が覚めた。

兄「うーーーん」

俺は伸びをしようとしたが体が上手く動かない、その理由は目を開けてすぐに分かった、ひかるとハグをしている形で寝ていたから

昨日の事を思い出して、やっと状況を理解した。

兄『まあ、いいか、今日は学校休み、だからもうちょっと寝ていよう』

そう思うとひかるの方を見た、改めてひかるをこんなに近くで見ると可愛いと素直に思ってしまう、シスコンと呼ばれても仕方がないと再確認をする優

優はひかるの寝顔を見て昔の思い出を思い出していた。


~優9歳・ひかる6歳~


親が亡くなって1年の時が流れた、俺とひかるは親が亡くなった悲しみから中々立ち直れず学校へもあまり行けない生活が続いていた、そんな時にひかるからある提案をしてきたのであった

ひ「お兄ちゃん、ひかると結婚して!」

兄「え!?ひかるどうしたの?」

ひ「だって、パパとママは結婚しているから天国へも一緒にお出掛けしちゃったの?

  だから、お兄ちゃんと結婚すればひかると一緒に天国へ行けるよね?」

その質問に当時の俺は何も答える事が出来なかった、天国と死という言葉の理解をまだちゃんと出来ない、ひかるが口にした言葉は俺の心を強く叩いた。

ひ「ねえ、お兄ちゃんここで結婚式上げよう!」

兄「どういう事?」

ひ「この前、テレビで観たの!チュウすると結婚出来るって!」

当時のひかるは結婚=キスだと思っていた為、そのような提案をしてきた。

兄「さすがにそれは、恥ずかしいよ」

ひ「お兄ちゃん結婚してよ!!!(キス)」

確かに今思えばタイミングとしてはいい状況であった、おじいちゃんとおばあちゃん・真子さんは出掛けていて家には俺とひかるしかいなかったから

ひ「お兄ちゃん、ひかるの事嫌い?」

当時キスがどういうものか知らない、ひかるは俺が嫌っているから出来ないと思った

兄「好きだよ」

ひ「だったら結婚してよ!(キス)」

そういうとひかるは目を閉じて俺からのキスを待った。

俺はその時目を閉じてキスを待つ、ひかるの顔を見て涙が出てきた。

俺の心に1つの気持ちが込み上げてきた。

『ひかるを守りたい』

同じ悲しみ・痛みを知っているからこそこんな事を言ってきたのだと思った。

そのまま、俺はひかるの唇に自分の唇を付けた、これが僕とひかるのファーストキスの瞬間

その後は、お互い恥ずかしかった、けどニヤニヤしていたのはなんとなく覚えている

ひかるはあの時、結婚と言っていたが今でも俺と結婚していると思っているのだろうか

まあ、そんな事はどうでもいい事だ、今でもひかるを守れる事が一番だから


~現在~


ひ「うーーーん、お兄ちゃんおはようー」

兄「おはよう、ひかる」

ひ「なんで、ニヤニヤしているの?」

 「まさか、私の寝顔見て興奮したの?キモイ」

兄「そんな訳ない!!!!」

ひ「正直に言えば許してあげるよ」

兄「だから、違うからな!!」

ひ「まさか、寝ている間にキスした?」

兄「し、してないよ!!」

ひ「なんで動揺しているの?」

昔のキスの事を思い出していたとは言えない、それにタイミング悪くキスの話題が出てきた事により動揺してしまった。

ひ「寝ている間にするキスはノーカンだよ!」

兄「何言っているんだ?」

ひ「キスしたいならば今、しなさい!」

兄「バカな事言うな!もう中3と高3の兄妹がキ、キスなんて!」

ひ「私は別に気にしないよー」

兄「俺が気にするんだよ!」

ひ「昔は結婚キスしてくれたクセに」

兄「覚えているのか?」

ひ「覚えているよ、だって私の今の所の旦那さんはお兄ちゃんだから!」

恥ずかしそうにひかるは言ったが、その言葉は俺にとってすごく嬉しい言葉

その後、ひかるはあの時のように目を閉じた。

俺はひかるの顔を見てまた、涙が出てきた、何も変わっていない当時の、ひかるがそこにはいた、俺は何も考えずあの時のようにひかるの唇に自分の唇を付けようとした。

真「おーい、お前ら朝ご飯だぞー!」

兄&ひ「!!!」

真「あー、ごめんタイミング悪かったな」

兄「真子さん!!」

真「朝ご飯、後でいいから続けていいぞー」

兄「違うから!!」

真「別に気にするなって、まだキス出来てないでしょ」

その言葉に俺とひかるは顔を赤くした、他の人に言われるとここまで恥ずかしいものだと思わなかった

真「一緒に寝て、お目覚めのチュウかー青春だねー」

兄「だから、違うから!!」

真「分かったから朝ご飯食べにきなよ」

そう言うと真子さんは下へ降りて行った、なんか気まずい空気が流れる

兄「朝ご飯、食べに行く?」

気の利いたことが言えない自分が恥ずかしい

ひ「うん」

ひかるはそう答えると耳元で

ひ「2回目のキスはお預けだね」

と言って下へ降りて行った。


ひかるがあの時よりちょっと大人に見えた。


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