インフルエンザがやってくる!
例のインフルエンザが流行っていた時に書いたヤツです。
「あれ?
隣にいたヤツ、今日はいないな。
休みか?」
「ああ、どうもインフルエンザにかかったらしいよ。
食事も食べられないくらいヒドイんだって」
「アイツもかよ、インフルエンザ流行ってるなあ……。
ま、でもインフルエンザって、要はタダの酷い風邪だろ?」
「確かに、簡単に言うとそうなんだけどね。
でもインフルエンザは凄い災厄を撒き散らすこともあるんだよ?」
「災厄てお前」
「有名なインフルエンザと言えばスペイン風邪。
全世界でパンデミックを起こして、死んだヒトは1億人とも言われている」
「い、いちおく!?」
「それだけじゃないよ。
インフルエンザはトリの他にもヒトやブタなんかにも感染するの。
ただ、基本的には種を越えて感染しない。
トリのインフルエンザはトリにだけだし、ヒトのインフルエンザはヒトにだけ。
勿論、ブタもおんなじ」
「ふ~ん。
じゃあ別に、関係ないんじゃねえの?」
「言ったよね、基本的には……って。
インフルエンザは、すぐに変異するの。
何かの弾みで……例えば今までヒトにしか感染しなかったインフルエンザウイルスが変化してトリにも感染するようになるとね、一気にパンデミックを引き起こす可能性があるんだよ」
「ヒェ~、インフルエンザって言っても侮れないんだなあ……俺も気を付けようっと」
「フフフ……そう言ってもらえるとわざわざ語った甲斐があったかなあ。
……あ、ご飯をくれる人間さんだ」
「お、メシだメシだ!
いつもアリガトな、人間さん!
……って、オイ。
何だか今日、大分量が多いな。
しかもやたら豪華だぞ?
何か良いことあったのか?」
「う~ん、その割には何だか泣きそうな顔してるけど……」
『くそ、くそ、くそったれめ!
何で私達みたいな弱小の養鶏農家に、寄りにもよってインフルエンザが起こるんだ……!』
「……ま、い~じゃんか、しっかり食べて体力つけないと、インフルエンザにかかっちまうぞ?」
「フフフ、それもそうだね。
それじゃあ」
「「いただきま~す!!」」