表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オンラインの魔法使い  作者: オナキレマ
2/4

リターン

 ミル島。

 そこは世間の騒ぎとは離れていた森のなかだった。木葉の間間に流れ込んだ光芒が人の気配とは少しも探せない回りを照らしていた。鳥はあちこちを飛び回りながら自分達で囀った。聞くものにおいてはただの囀りと聞こえるかも、自然の歌にでも聞こえるかも知れない音だった。

 会館はそこにあった。長い間管理されていばかりにすかすかに壊れた窓、塗りが剥げた壁、所々に張れた蜘蛛の巣。まるで誰かを待っていたようにその場を守っていた。

 「今まで残っているとは知らなかったな。ずいぶん古かった気がするが・・・。」

 彼は、いや、カロンは懐かしい気分で会館を見上げた。しっとりに沈んだ赤黒い髪、印象深い金色の瞳。腰に指したまさに夜明けのような倹からはただならぬ気が感じられた。

 「あ。」

 足を運ぶ途中、碑を見ては軽く微笑み掛けた。

 「ポラリス・・・。」

 北斗星。迷う人たちの道標になってくれる星座。

 ゲームとは現実とは違って、いつ、どこから出会いが空しくになくなるか知らない世間だった。それで互いが離れることがあってもいつでもまた会える印のためにこのギルドが作られたのだ。

 その証にこの世界を去ったから2年が過ぎてもここは変わらなかった。 

 「ミル会館を永久保存できるように作るためにどれだけ頑張ったのか・・・。あの時皆で三日間も徹夜してクエストをしながらまったく大変だったのに・・・。」

 この世界に永久保存の特性をもつオブジェクト少ない。その中でもプレーヤーが使えるのは極めて制限されている。それがオブジェクトならもっとも。ドラゴンの寝床に隠れて伝説の宝を見つかり、封印された悪神を倒れるなどいつ一つでも簡単にできない問題を解くために大変だった。

 「あの時は死ぬかも知れないと思ったが、今にしてはもう一度してもいいかも・・・。ハハ、これだはやつらが悪口をするかも。」

 苦笑いをして扉を開けた。2年前と変わらない時間が歓迎するような気がした。

 内でしゃべっていた仲間たちが何気なく迎るかも。もしくはなぜ今にして戻ったのか問いながら両腕で首を締めるかも。何の説明もなく消えた誤りもあってHPが許容する限り放っておこうと。そしてあの日を絶対に誤ろうと。

 「・・・そうね。」

 浮かんだ気分がすべてあっといまに冷たく冷めた。記憶の中で飲みながら話したテーブルには埃ばかりが、暖炉には火が消えていて、天井には蜘蛛の巣が。部屋にあった全てが2年の間止んでいた。

 「何も言わずやめたから然も有りなんと。」

 誰もいなかった。過去のあの瞬間には確かにあった暖かみが冷気に変わっていた。

 「ハア・・・。」

 もう2年だ。現実なら知るか、ゲームで2年は絆があっさりに断絶できる時間なのだ。彼らが彼を待つのにはとても長い時間だったはず。

 それでも彼らならいるかも知れないと思った。何の自信感なのかは知らない。そうしかったらよいという期待の代弁だったなのかも知らない。

 「プレンド・リスト」

 この世界に戻ったから初めてシステムの機能を呼んだ。目の前には今まで作った友だちの名前が出てきた。

 「・・・誰もないな。」

 時間帯が合ったないかも知らないだが、そうしても肯定的に考えなかった。

 「まあ、今までプレーしなかった僕が悪かった、うん、悪かった。」

 息を吸い込んで気分転換する。薄暗い部屋見回って向き直った。

 「早く約束の場に行かないと。こうしたら間に合わないかもしれん。あ、しかしこの姿で行ったら人の目につくだろう。」

 彼が着ている装備は全部探しがたい高レベルのアイテムだった。会いに行く人たちのレベルを顧慮してみると目につくのは当然だった。万一でも正体をバレたくなかったので着替えるにした。

 「大体レベル50のアイテムなら問題ないたろう。インベントリー。」

 中にはカロンの名声を証してくる高価のアイテムが並んでいた。

 「すっかり高レベルの装備か。近くの町で買うのがいいなのか。そうしたら遅れるはずなのに・・・。」

 結局せめて平凡に見える装備に選んだ。ここには彼一人しかなかったからシステムで着替えるにした。着ていた服が消えて、3秒の後に新しい服に変換された。勿論、自分で着替えれば空白の時間を無くすことができるが、その場合には過程が煩わしくて時間が掛けるという欠点があった。

 「これなら。」

 持っている装備の中で総合能力が一番低いものだった。特殊なスキルが付加されたのもあって珍しかったが、レベル50ほどに見えるには十分だった。

 「さて・・・。インベントリー、グリフォンの笛。」

 インベントリーから遠距離の移動に必要なアイテムを取り出した。グリフォンの王、ヘウガルリドに掛った呪を解いた代価だった。グリフォンとの友好的な関係を証明するアイテムでもあった。

 「よお。」

 螺に似た笛を吹いたらやがて近くにあったグリフォンの一匹が会館の前に飛び込んだ。グリフォンは嬉しさを表するように声を限りに吠えると、羽ばたきながら跨がれという身ぶりをした。

 「商業都市イエストに頼む。」

 やがてグリフォンが吠えで答えた。


主人公の言葉遣い、何が何か全然知らない!誰か助けて!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ