~Ⅰ説~『転校生と婚約者』
「私を一泊でいいから泊めてください。」
突然、見知らぬ同い年らしい女性に言われた。
さて何故こうなったかというと、3時間ほど前に振りかってお教えしましょうか。
『~~3時間前~~』
「zzz」
俺、原塚和夜は学校の屋上でのんびり寝ていた。ただ今の時刻は午後2時16分、平日の金曜日である。
さて夢の中にいることだし、自己紹介をしましょうか。
俺、原塚和夜。高校2年生。現在1人暮らし。彼女はいない&いない暦→生まれてから現在進行形。
成績は上の下。運動神経は普通。趣味はアニメを見ること。特技は特にない。
家族は全員交通事故で死亡。中2の秋から中3の秋までの1年間と高1全部、不登校。
何故、そこまで不登校な俺が今学校にいると思う?答えは・・・・こいつだ・・・
「こ~ら~寝てないで起きなさいよ。ちょっと和夜聞いてるの??」
声の主、藤川彩奈がこっちを見て言った。
ちなみに現在俺がここにいる理由はこいつのおかげだ。
「聞いているし起きている そして彩奈・・・パンツ丸見えだぞ」
言った瞬間に目の前が暗くなる。彩奈の足蹴りが顔面に入ったからだ。
親切に教えてやったのにそれはないだろ、彩奈・・・・
「ほら早く行くよ。」
彩奈は和夜の手を握り歩き出した。
「何処に?」
和夜は疑問に思い聞いた。(ぃゃ和夜・・・・授業へ出ろ 彩奈が正しい)
「そりゃ~教室にでしょうが。何当たり前のこと聞いてんの?」
世間から言えば正論だが俺にとったら反論にしか聞こえない。
だが彩奈を怒らすと・・・・・・・・・・・・・ブルっ寒気がする。
しかたなくついて行った。
ガラッ
彩奈と和夜が教室に着いた時、授業は終わりに差し掛かっていた。
「おっ藤川お疲れ。そして原塚。ちょっと来い。」
姫塚先生(通称:プリンセス)からのお呼び出しだ。ここで拒否をするとやばくなる。
「何ですか?」
姫塚先生は声を小さくした。
「明日、転校生が来る。」
転校生・・・・・・明日?
「それを何故俺に言うんです?」
それは誰が聞いたって正論だ。
「その転校生はお前のことを婚約者だと言い張るんだ。」
和夜はフリーズした。誰だって急に婚約者がいるって聞いたらフリーズするものだ。
「・・・・・・・はぁ!!??」
フリーズ解除した和夜は頭の整理をした。
婚約者・・・・・・・・え?俺の?
「和夜どうしたの?」
彩奈が和夜の大声に驚きながら言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
フリーズ最発動。やっぱり想像がつかない。俺に婚約者がいるわけがない。
いたとしてもその相手が明日来る転校生なわけがない。
ってかいるはずがない。
「先生、和夜に話したことを私に教えてください。」
「まぁいいが・・・・・・」
いいんかい!
「明日、転校生が来るみたいなんだが・・・なんか原塚のことを自分の婚約者だと言い張るみたいで・・・その転校生はもちもん女子だ。」
「ちょっ姫塚先生!?声が大きい・・・・・」
遅かった。
「はぁ~~~~~~!?」
なんか・・・・・・後ろからものすごい殺気が・・・・・
誰か助けて欲しい。
「原~!塚~!死ね~~~~~~~~~!!!!!!!!」
和夜は教室を飛び出した。
「疲れた~。」
和夜はソファーに倒れこんだ。疲労の困憊でゲームでのGameOverと同じように倒れこんだ。
クラスの男子生徒全員とクラスの誰かが教えたらしく全校生徒(9割が男子生徒)VS和夜との追いかけっこをしたからである。
ハッ!
和夜は目を覚ました。いつのまにか寝ていたようだ。
水・・・
水分を取ろうとコップに手をかけたその時、玄関からチャイムがなった。
『ピンポーン』
誰だろう・・・彩奈かな・・・それはないはず・・・
「はいはいどちら様で?」
和夜が扉を開けた。
そこにいたのは同い年ぐらいの女性がいた。
「あの・・・あなたの名前は原塚和夜で合ってる?」
和夜はその女性に突然奇妙な問いかけをされた。
「・・・・・・・え?たた確かに俺は原塚和夜ですが・・・・あなたは一体誰ですか?」
和夜からの質問は何処・何時・誰から見ても普通の質問だった。
「やっと会えた・・・・そうだった。あたしは姫野華奈。これからよろしくね。」
姫野って言えば最近倒産したBig会社の『姫野コンプライアンス』の姫野しか思い出せない。
・・・ん?・・え?は?・・・これからも? よろしく?・・・・
「ちちちちょっっと待って。よろしくって・・・あなたは一体ここで何をする気ですか!?」
当然の質問である。
だが華奈という名の人はすんなり答えていく。
「あたしはあなたの婚約者なんだけど、婚約者同士が一緒に暮らすのは可笑しい?」
和夜は学校のやつを思い出した。そして周りの目が気になる。
「とりあえず中に入って。」
和夜は華奈を中へ招き入れる。
「おじゃましま~~す」
「さて、まずこっちから質問いいか?」
ただいま原塚和夜と姫野華奈は机を挟んで互いに目をむいている。
「うんいいよ。」
「1つ目、姫野さんは俺の婚約者なんか?」
和夜からして見ればあり得ないことだった。
「そうだよ。あたしは和夜の婚約者だよ。」
はっきりと言うな。はっきりと。
「2つ目、姫野さんの姫野はあの姫野コンプライアンスの姫野?」
その質問を聞いた華奈は少し落ち込んだ顔をして下を向いた。
「ごごごめん・・・もしそうなら、そのお嬢様が何故、平凡の俺の婚約者なんだ?」
顔を下に向けながら華奈は言った。
「昔、和夜に逢った事があって・・・その時あたしは虐められていた。友達も・・誰一人いなかった。」
「・・・・・・・」
2つ目の最初の方は無視ですかい。
華奈は話を続けた。
「原因は豪富と貧民の格差みたいで、ある日一人の男の子に出会った。」