表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作小説倶楽部 第1冊/2010年下半期(第1-6集)  作者: 自作小説倶楽部
第6集(2010年12月)/テーマ「雪・氷」&「鍋」
64/67

No.6 レーグル著 「雪・氷『第二次なんとかかんとか』」



「第二次苺シロップ式冬国革命に関する信頼性の低い情報」



「とりあえず、話を聞かせてもらおうかしら」


「全ては弟の「雪だるまが作りたい」の一言で始まったんだ。


 昨日の土曜日、ここら辺では珍しいことに雪が降っただろ。それで今朝、うちの庭に積もった雪を見て、弟がそう言った。俺は面白そうだから手伝うことにしたんだ。雪だるまはすぐに出来あがったんだけど、目や鼻を付けたいって言って、弟が家の中を探し始めた。その時、俺は雪だるまにかき氷のシロップをかけて食べてみたいって思ったんだ。


 それで、弟が家の中を探しているうちに近所のスーパーまで行って、かき氷用のシロップを買ってきた。時期が時期だけにちょっと時間が掛かったけど、何種類か買うことは出来た。そして家に帰ると庭が騒がしい。庭に行くと、弟が跳び跳ねるのに合わせて、毛糸の帽子を被った雪だるまがジャンプしていたんだ。

 俺が頭を抱えながら話を聞くと、どうやら雪だるまは、この世界とは別の世界の『冬の国』から来たらしい。昨日降った雪に乗って来たのに、バラバラに降り積もってしまい、身動き取れなかったところを雪だるまの形に整えられて、動けるようになったそうだ。冬の国は今、重大な危機にあるらしく、その危機を救う伝説の魔法使いがこの世界にいるとかで探しに来たんだとか。弟はこの話を聞いて、魔法使い探しを手伝う気でいた。もちろん止めた。時間が掛かれば冬休みの宿題も出来ないし、大体、魔法使いなんて非科学的だろう。でも、弟は諦めなかった。冬休みの宿題をすぐに終わらせるって言って、自分の部屋に走って行ったんだ。


 このままじゃ弟がおかしなことに巻き込まれると思って、俺はスーパーの袋に入っていた苺シロップとスプーンを取り出し、シロップを雪だるまに掛けた。もちろん食べてやろうと思ったんだ。そしたら、最初は雪が融けて焦っていたんだけど、しばらくしたら急に俺の手を掴んで来た。そして次の瞬間、周りが真っ白になった。吹雪が俺と雪だるまを包んでいたんだ。すごい風が吹いて、俺は目を閉じてしまったけど、吹雪はほんの数秒で止んだ。そして周りを見ると、一面の雪景色が広がっていたんだ。そこが冬の国だった。

 そのまま雪だるまに連れていかれたのは氷で出来た城だった。そこにはたくさんの雪だるまがいて、俺はシロップを掛けたせいで怒られるのかと思ったけど、話を聞いていると、どうやら俺を連れてきた雪だるまは苺シロップを何かの魔法の薬だと勘違いしていたらしい。さすがに正直に言うのはまずいと思って、適当に相槌を打ってたら、いつの間にか俺がこの国を救わなきゃいけなくなってしまったんだ。

 本来なら冬の国はいつも雪が降っているようなとても寒い国だったが、最近は雪があまり降らなくなってしまったそうだ。要するに、温暖化だ。原因は氷の城の北にある山にあるらしく、何体もの雪だるまが行ってみたけど、一体として帰って来てないんだとか。結局断りきれなくて、俺を連れてきた雪だるまと一緒に北の山に登ることになったんだ。


 北の山は確かに変だった。標高が高くなるとむしろ気温は上がって、雪だるまもちょっとずつ融け始めていた。山頂近くに熱風を吹き出す洞窟があったから、雪だるまを残して俺は中に入った。すると、中には大きな冷凍庫があって、それがすごい音を立てながら熱風を出してたんだ。俺はその冷凍庫のコンセントを抜いて冷凍庫の扉を開けた。中には大きな雪だるまが一つ入っていた。そいつは冬の国の王様だと名乗ったけど、要するにこいつが大きな冷凍庫を動かしているせいで気温が上がっているんだと思ったから、かき氷用のシロップを掛けて食べることにしたんだ。洞窟の中は真夏みたいに暑かったから、とっても美味しかった。そしたら、王様は王の位を息子に譲るから許してくれと言いだしたんだ。俺はかき氷の食べ過ぎて頭が痛くなって来ていたから、適当に返事しながら王様を洞窟の外まで連れ出した。そして、外で待っていた雪だるまと一緒にお城まで戻って、事実を話したんだ。

 結局、王様は息子に王の位を譲って隠居することになった。城の外に出ると、いつの間にか雪が降りだしていて、雪だるまたちは俺にお礼を言って、何か願い事は無いかって聞いてきたんだ。俺は家で宿題を頑張っている弟のことを思い出して、ここら辺に雪を振らせてくれないかって頼むと、雪だるまたちは分かりましたって胸を張った。


 その後、もう一度吹雪に包まれた俺は自分の家の庭に帰って来たんだけど、その時にはもう陽が沈みかけていて、慌てて君の家に行く準備をして、今に至る。



 そういうわけで、クリスマスの夜に降る雪が僕から君へのプレゼントさ。」




「おもしろいけど却下」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ