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自作小説倶楽部 第1冊/2010年下半期(第1-6集)  作者: 自作小説倶楽部
第4集(2010年10月)/テーマ「秋」&「衣替え」
35/67

No.2  紫草 著/恋の秋 『バージンロード』


注意・この物語はフィクションです。登場する人物・事柄は全て架空のものです。


自作10月/恋の秋 『バージンロード』(副題)


 秋。

 有名な映画のタイトルが頭に浮かんだ。そういいながら見たこともないくせに。

 小さな頃から知る女と結婚を意識することになるなんて、考えたこともなかった。


 悪いこともしたし、警官の見回りの自転車から逃げ切ったこともあったっけ。今思えば、無謀すぎるな。

 人を回りにいつも集めて、何かしら楽しんでいる奴だった。

 ただの友達の一人だったのに…


 別の女の相談もしたし、逆に彼奴の男の振られ話につきあって、一晩飲み明かしたこともある。

 酒に強い奴だったのにいつの間にか余り飲まなくなって、いつの頃からか時折暗い表情をするようになって、その顔を忘れることができなくなった。


 後から思えば、それが分岐点だったのだろう。

 気付けば、一緒に暮らそうと誘っていた。

 強気を自負する女のくせに、言った途端に泣き出した。

 女だな、と思った時に、いつか結婚するんだろうなと思った。


 あれから数年。

 喧嘩もするし、めちゃめちゃ仲良かったりもする。そんな二人は、他人からはどう見えるのだろう。

 でも二人が楽しくて幸せであれば、それでいいか。


 もうすぐ、彼奴は花嫁になる。

 勿論、俺のだ。

 結婚の準備に忙しくなって、口ではあれこれ文句を言うものの、結構楽しんでやっている。

 花嫁衣裳だけは、絶対見るなと言われてまだ見せてもらっていない。

 ま、当日見られるからいいけどさ。


 アレは嫌。コレも嫌。ソレも嫌。

 でも、それが照れ隠しだということも分かっているから内緒でフォローしておいてやろう。

 その代わり、絶対逃げ出すなよ。

 当日、『やっぱり恥かしい』とかって言いそうだからな。ただ、それも後になれば珍しい思い出になるのだろうか。

 否、やっぱりそれだけは阻止しなければ。


 幼馴染みの花嫁。

 どんな顔をして、バージンロードを歩いてくるのだろう。

 きっと見慣れた筈の彼奴の顔が、別人のように見えるんだろうな。どきどきして、綺麗で、今までよりもずっと愛おしくなる。

 でも、それは俺だけの秘密。誰にも明かさない。


 幸せになろうな。

 喧嘩しながらでも、何があっても守ってやるから。

 だから、ずっと仲良く暮らそう。


 四季の物語シリーズ完結編『恋の秋』

 新婚旅行がちょっとお預けになっちゃうから、二人でワインでも飲みながら『恋の秋』でも借りてきて見ようか。


 秋は、恋を失うばかりの季節じゃない。こんな秋があってもいいよな――。


【了】 著 作:紫 草  

Copyright © murasakisou,All rights reserved.

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