目の色が左右違っちゃいました
陛下はもともと金目で、真ん中がちょぅと緑がかっていて、闇の中では緑に光るお目々の持ち主でしたが、年とともに黒目の中のほうがうっすら白く濁ってしまっていて、もうあんまり見えてないかもね、とお医者様に言われておりました。
それが先日、トイレを失敗しだした頃。
おねえちゃんが、
「あれ、陛下ついに片目が見えなくなったね」
と言い出しました。
見れば、片目が妙に黒々として綺麗なビー玉のようになっていて驚きました。
「え、なんかきれいな目になって濁りも消えてるけど、これダメなやつ?」
「反射する光がないから真っ黒に見えてるだけ。あり得ないけど万が一、白内障が治ったとして、この明るさの中瞳孔が細くならないわけないでしょ。光を一切感じないからまん丸にビー玉みたいになってるんだよ」
……なるほど。
「だからトイレも見えなくてわかんなくなっちゃったのかな……もう片一方も見えなくなっちゃうのかな……」
見えない聞こえないということは、静かな暗闇にぽつんとひとりいるみたいな感じなのかな。
そんな事を考えて、虚空に向かって陛下が鳴く時は抱っこしたり撫でたり、聞こえないと思っても
「ここにいるよ、ここにいるよ」
と声をかけながら床をトントン叩いてみたりしてました。
そしたら、前回の話の療法食を与えて少ししたら。
真っ黒だった目がまた少し光を反射するようになりました。
「おねえちゃんおねえちゃん!! 陛下の目、また光ってるかも!」
「おお……。あ、でも見えてはいないかもね?」
「なんで?」
「色が変。赤く光ってる」
「マジか……」
陛下の目は、多少見えてそうな方は緑の光のままだけど、一回真っ黒になった方の目はなんだか赤茶色く光ってます。
「え、赤、大丈夫そう? なんか、目の中とか脳とかの出血だったら……」
「うん、怖いね。赤く濁ってるわけではなさそうだけど……。様子が変だったらすぐお医者さん行こう」
真冬の外に連れ出すのはそれはそれで怖く、少し様子を観察してましたが……。
むしろまた元気にぶつからず歩くようになり、トイレも失敗が格段に減りました。
なんだこれ。
目は相変わらず左右の光が違う色ですが、ご機嫌にご飯を食べるようになり、少し太りました。
どゆこと???
まあ元気に越したことはないです。
今はなんだか楽しそうに机の脚を避けつつ部屋をウロウロしてる陛下、
「ねえちょっと、ごはんは?」
だそうです。
カリカリ出してきます。




