表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツンデレになりきれない令嬢と王子  作者: はるさんた


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/6

第3話:舞踏会での夜の輝き


宮殿の大広間は夜の灯に照らされ、豪華なシャンデリアが光を反射して煌めいていた。音楽が流れ、王族や貴族たちが優雅に舞踏を楽しむ中、ルシア・ヴァレンティナは淡いピンクのドレスに身を包み、長い栗色の髪を揺らしながら大人びた笑みを浮かべる。


「アレン様、今夜は私と踊ってくださいますか?」

ルシアは少し挑発的な目で王子を見上げる。悪役令嬢らしい余裕と、誰もが振り返る美しさ。アレン様は軽く笑い、手を差し伸べた。


「もちろんだよ、ルシア」

手を取られ、ルシアは少し意地悪そうに微笑む。軽く指先を絡め、肩を寄せ合う距離で踊り始める。


音楽が流れるたび、ルシアのドレスが揺れ、栗色の髪が金髪のアレン様の腕に触れる。

「アレン様……近すぎます……」

「ふふ、でも君の温もりが心地いいんだ」


耳元で囁かれる甘い声に、ルシアは思わず頬を赤く染める。小悪魔的な挑発をしながらも、彼の手の温もりを求めている自分に気づき、心が甘く震える。


「ルシア、君の笑顔は夜の光よりも輝いているよ」

「……アレン様……そんなことを言われると、舞踏会どころではありません……」


ルシアは恥ずかしさで視線を伏せるが、指先は自然とアレン様の手と絡む。肩が触れ合い、唇が触れそうな距離で踊る二人。周囲の喧騒は遠くに消え、広間は二人だけの世界になる。


踊りが終わる頃、アレン様はルシアの手を取り、そっと頬に唇を寄せる。

「今日も君と過ごせて幸せだよ、ルシア」

「アレン様……私もです……」


誰も知らない二人だけの秘密の時間。ルシアの小悪魔的な挑発も、アレン様の優しい包容も、すべてが混ざり合った甘い夜の舞踏会だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ