崖の上
掲載日:2010/06/03
私は海の見える崖の上に足を投げ出して座っていた。
横にいる彼はずっと家族のことや仕事などの他愛もない話をしている。
私は「はあ。」とか「そうですか。」と相槌を打っているだけだった。
「あのぅ。勝さん。」
不意に後ろから声をかけられたので、私は後ろを振り向いた。
若い女性が驚いた顔をして立っていた。
「誰と話をしているんですか。」とその女性が私に尋ねてきた。
「えーと」と呟きながら横を見た。
先ほどの彼はいなかった。
誰だったのか。と思っていると横に彼女が座っていた。
座っている女性は誰だったかを思い出そうとしている私を見ながら
彼女は家族のことや友達の話をし始めた。
前の人もその前の人も皆が私に「誰」と話をしているか聞いてくる。
前の人もその前の人も皆・・・私は思い出せない。
皆が他愛もない話をする。
私は相槌を打つだけだった。
塀の街とは違う「私」の話。
永遠に続くような形の話なので似たような話があるかもしれません。
オリジナルとして書いていますが、そうでないようでしたら
削除しようと思います。




