覚醒したい!
やばいな。普通に迷った。これだったら普通について行ったほうがよかったな。まぁいいや、こういう時こそ魔術の出番だ。でも使い方がよくわからんな…。あ、そうだ、天才で的なことを考えてしまった。主人公っていうのはやられそうになると覚醒するもんだ。まずは草原から抜けなきゃ。そして2時間ぐらい歩いていると森を見つけた。だから思いっきりに頭をぶつけた。思いっきりぶつけた。森に骨が折れるような鈍い音が響く。
「はぁーはぁー」
もう体が動かないほど痛い。辛い。それでも僕はぶつけ続けた。僕は昔から主人公に憧れていた。僕の好きなアニメの主人公たちは正気じゃなれない。だからもっと狂ってもっとやばい奴になって精神を頭をおかしくする。そのためにこんなふうに木に頭をぶつけたりも昔やったことがある。そんなことを考えながら木に頭をぶつけていると、僕は倒れていた。
「はぁーーはぁー」
「死、ぬ」
今にも意識は飛びそうだ。でも耐えてもっと強い思いを持って、
「僕は、僕はまだこんなところで死ねない。もっと強くなりたい」
いい感じだ、実に主人公っぽい。
「あー、死にたくない…」
ダメだこれ。全然覚醒しない。も、し、か、し、て、お、れ、主人公じゃない?… そう思った瞬間意識が飛んだ。
「