洗脳
今回の作戦は単純だ。ヒロインっていうのは大体優しい人に惚れるもの、命をかけて守られたりそういう時に惚れるんだ。ただ普通に学園生活を送ったところで、ヒロインと仲良くなる可能性が低い。だからヒロインを龍に襲わせそこを僕が助ける。完璧な計画だ。今早速計画を実行している。やっぱこいつは昔から必要とされてきていない、そんな感じのやつだ。褒められることも大切にされることも少なかっただろう。だから少し優しい言葉をかければ、何とかなる。
「なんで…どうしてそこまでして私を助けるの⁉︎こんな価値の無い、死んだって誰も悲しまない。クズ人間な私を…どうして…どうしてそこまでして…!」
やっぱりそれっぽいこと言ってきたわ。作戦通りだ、この世界こんなぬるゲーだったのか。
「死んでいい人間なんていない!価値のない人間なんていない!それに僕は、君が死んだら悲しいよ…」
らくしょーすぎー!攻略完了。ん?…なにか忘れてるような?
その瞬間、僕は気づくとヒロインちゃんに、押し飛ばされていた。
「え?」
振り向くとヒロインちゃんは炎の中だった。
「そんな…」
しくじった。ああ最悪だ…作戦も失敗。この龍ふざけてんのか?龍にいい感じやったら逃げていいって伝えるべきだったな。そのくらい察せよ。全部終わった、もういいこの龍は殺そうか…僕はその瞬間、魔法と魔法を組み合わせた魔術ではなく単純に、軽く1000度を超える熱さの白い炎で龍を焼き切った。




