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第四十一話 棺桶

 かつて父が世話になった遠縁・S氏の弟御の話。

 

 ある朝、彼は家族に、昨夜見た不吉な夢の話を聞かせた。工事現場で棺桶が掘り起こされる夢だそうだ。


「しかもその棺桶、空っぽなんだよ。いやー、薄気味悪い夢だったなあ……」


 そう言って出勤した彼は、そのまま帰って来なかった。出先で倒れて、文字通り“帰らぬ人”となってしまったのだった。


 アメリカの某大統領が暗殺される前、自身の葬式の夢を見たエピソードは有名だが、S氏の弟御が見た夢もこれと同じ部類のようだ。


 後日、家族から彼の夢の話を聞いた人達は「〇〇さん、自分の棺桶を掘り起こしてしまったんだな」と口を揃えたという。

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