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第三話 不吉な予言
これも父の友人・M氏の体験した話だ。
彼は夢の中で、しばしば謎の人物から縁起でもない言葉をかけられるという。
“明日、お前、血吐くよ”
と言われた翌朝、M氏は洗面所で吐血した。
“明日、お前の叔母さん死ぬよ”
それを聞いた翌日、示し合わせたように叔母の訃報を受けた。
謎の人物が夢に出るのは不定期だが、不吉な予言は恐ろしく的中率が高い。
「いつか、“明日、お前死ぬよ”って言われるんじゃないかと思うと、怖いんだよな……」
そう言って、M氏は苦笑していた。
あれから数十年、父は現在、M氏と疎遠になっており、生存しているかどうかは不明とのことだ。