NPCと関わる
廃棄場に戻ってきた。そろそろ、NPCと関わるようにする。手始めに裏路地にいた物乞いに幻影を展開して話しかける。
「何か分けてください...。なにか、」「やあ。君は何が欲しいんだい?」
「飲み物を...ください。」
物乞いはフードを目深に被っているから種族は分からないが、男のようだ。そして相当に若い。そして俺の妖精の姿と同じくらい小さい。
「こんなものしかないが、いいか?」と、噴水の水と普通の水を渡す。
「ありがとうございます...」物乞いは俺が出した水を飲み干すと、自己紹介を始めた。
「私は鼠人族のシィと言います。西の山脈から来たのですが、この街は非人間には厳しくて、食べ物が手に入らなくて露頭に迷っていたのです。本当に、飲み物はありがとうございました。」
「どういたしまして。俺の名前は...『中福』って言うんだ。ところで一つ聞きたいんだけど、ネズミの獣人と鼠人の違いってなに?」
「人間様がおかしな質問ですね。獣人の方が人間に鼠の耳がついただけのヤツで、鼠人の方が鼠に近いです。」
ふむ、つまり獣人がケモミミ、動物人がケモナーってところか。
「もういいですか?ここで食糧が補給できないのならさっさと他の町に行かなくては。」
「まった。」
「はい?まだなにか?」
「これを。水が底をつき、食糧がなくなった時に飲むといい。一時の飢えと喉の渇きを紛らわしてくれるだろう。」
そう言って妖精の川の水を渡す。シィは胡散臭そうにこちらを見た後俺が渡したビンを懐に入れた。
「あー最後にもう一つ。」
シィは横目でこちらを見てくる。
「ここら辺でいい腕の錬金術師って知らない?」
シィに連れられること数分。「あそこです」
あの後、ギルドに行けばいいと言ったシィにギルドの案内を頼み、その目の前についたわけだが、案内されている時の話では、魔法陣に魔力を直接流して生産するのは達人の域の人達がやることで、それは生産物を見れば素人目に見てもわかるものらしい。
「ありがと。案内料だ。」シィに500C(通貨の単位)分のお金を渡してギルドに向かった。⦅突発クエスト『鼠人の旅人の危機』を特殊クリアしました。⦆
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『鼠人の旅人の危機』
達成条件:鼠人の旅人に飲料を与える。
特殊達成条件:鼠人の旅人に満腹度回復アイテムを与える。
クリア報酬:街についてのヘルプ解放
特殊クリア報酬:鼠人の友好種族との友好度+5
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⦅⦅プレイヤー【ハカン】がFSLOに置いて初の突発クエストをクリアしました。ヘルプ機能が解放されます⦆⦆ーー何か俺やっちゃったやつ?
......考えても仕方がない。いまはギルドを目指そう。ギルドの前に着いた。ギルドの建物は白い石で作られた建物でギルドである証の剣と右腕、小鳥のレリーフが門の上にある。小鳥のレリーフには緑の宝石が嵌められている。あまり気にしない人は気にもしないだろうが、あの小鳥は魔法で動いている。使い魔的なゴーレムだろうか。そして、レリーフの土台は幻影を使っているような光が見える。
さて、ギルドに入るか。
ギルドで登録や説明などを聞いた。
ギルドはどんな種族、所属に対して常に中立でよく争い事の仲裁役になることが多いらしい。どんなモノに対しても中立であることから、本部は文字通り次元が違う世界にあるらしい。
「ちかれた。」
陰キャ男子に美少女受付との会話はとても気が張る仕事でした...