死にスキルとはいったい…
決闘を終えると、TACが近づいてきて、
「ほら、さっさと行こうぜ。奴が待っている。」
「ああ、ちょっと待ってくれ。景品を受け取る。」
決闘の景品は、金が勝利報酬、決闘の初勝利報酬がステータスアップのチケットで、決闘のTAランキング一位更新報酬としてスキルを取得できるスキルチケットと、決闘のダメージ総量ランキング一位更新報酬としてのスキルチケットの全部で四つだった。
「おk。行こうぜ。」「よしこっちだ。」
獣人Aもとい、【ニンジン】さんはすぐにリスポンしたが、なぜかガタガタと震え始め、強制ログアウトをさせられていた。ナンデナンダローナー
それについて運営に問い合わせたが、別に問題ないとのことだった。
決闘後、TACに決闘について教えてもらった。決闘とは街中で行えるPvPのことで、申請するには、
・相手を見ていること
・決闘の腕輪をつけていること
・相手がゲームを始めてから1時間以上経過していること
・所持金を3000以上もち、所持金の3割を捧げること
・どんな攻撃が来ても、決して報復しないことを誓うこと
以上の5つを満たすと申請できるようになる。決闘の腕輪というのは各街にある闘技場で買える装備品スロットを使わない装備らしい。
条件の4つ目はともかく、3つ目はほぼ運ゲーじゃねーか。これらの条件はヘルプに書いてあるらしいのだが、今日の昼頃に五つ目が追加されたらしい。
……昼頃と言うと、俺が妖精の川を見つけたときぐらいか。関係ないよね?ね?そう思っていると、
「着いたぞ。」
目の前にはスクラップの山があった。
TACについていくと、錆の目立つ機械でできた人型の何かがいた。しかし、プレイヤーの証であるタグには【ヌーリ】とあったからかろうじてプレイヤーであることがわかる。
「おい、ヌーリ、起きてるかー。」「ん?ん〜起きとるよー」
その人型の何かは油の刺さってない機械のような不快な音を立てて起き上がった。
「お、そこのイケメンはだれ~」
「おう、タンク持ってきてやったぞ。感謝しろ。」「あ、波幹か~。それは、やってみないとわからな
いかな。とりあえず、そのアイテム、こっちに渡してくれる?」
そうRU1が言うと同時に俺とRU1の目の前にウィンドウが出現した。トレード画面のようだ。
「そこにアイテムを入れればいいから。」
そう言われたから、インベントリからエネルギータンクを2つトレードした。そしてRU1からトレードされたものが…
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スクラップ(金属)
金属製の物品の成れの果て。
(〈’金属を扱うスキル‘〉で解放:どんな金属製の物も作れる。)
(〈魔力視〉で解放:精製の方法によってはどんな希少な金属製のものも作れるかもしれない)
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「何これ?鉄屑?」
TACがトレード画面を覗き込んできてそのアイテムを見る。
「いや、それよりもいいものだよ。」
「そうだね、いい素材だ」
「あれ、波み…HK…ハカンは<鍛治>持ってるん?」
「あぁ持ってるよ。けど、なぜに<鍛治>?」
「あれ、<鍛治>の第二スキル<検査>で無機物の生産品に使われている素材がわかるんだけど……違う?」
そんなのがあるのか。知らなかった。
「いや、<魔素眼>の次のスキル」
「それって死にスキルって言われてる奴だろ?なんでいい素材ってわかるんだ?」
「使ってたやつが使い方が分からなかったんだろ。」
〈検査〉+〈鑑定〉を使って見た時:
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スクラップ(金属)
金属製の物品の成れの果て。
どんな金属製の物も作れる
(〈検査〉で解放:しかし、さまざまな金属が含まれているため、正しく処理されなければどんな手を尽くしても劣悪な性能になる。)
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〈検査〉のみ:
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主に
錆びた銅
でつくられている
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表示される量は順当にしか上げないと、最大10個しかない。そしてこのFSLOには100種以上単品だけの金属がある。さらに、属性がついていればさらに多いという…
それはそうとあまり精査されずに「不遇」「無駄」「ゴミ」って言われるスキルとかっていいですよね。