デュエル開始!
「先手必勝おぉ!」
相手…いいや、獣人Aがクマの毛皮で覆われ、魔法を詠唱しながら、接近してきた。
見る限り、水系の魔法だ。しかし俺は、あわてず騒がず落ち着いて。
妖精の水を小分けにした瓶を右手に持って獣人Aの口に右ストレートでねじ込む。
そして喉の部分で瓶を割り、引き抜く。そして様子を見る。もし、<変化>中は効果がない、なんてことになったらいやだから、こちらも魔法の準備を始める。属性は…火でいいか。
「やはり、あなたはばかですねェ!知ってますか?火と水では水の方が強いんですよ!ましてや、水分補給までさせてもらえるとは!できれば経口接種がよかったですがねぇ!」
「キスすればよかったのか?」
「なっ…何を言い出すかと思えば!やはり男はNTRが好きなんですね!私の初めては全てそこのシンタク様に捧げるつもりです!」
「つもりってことはまだなんだ。『女は度胸』って聞くけど、度胸無しなんだね。」
「えっ…あっ」
「それに、大きな火の前ではちょっとの水ではどうにでもならないし、更に大きな被害を引き起こすかもしれない。」
「残念でしたねこちらの方が大きいし多いですよ!…!?」
「なるほど。」
獣人Aが破裂した。さすがは元“妖精の川”の水。アイテム化してもその性質は受け継いでいるようだ。しかし、飲ませたあと、破裂するまで時間があったのはどうしてなんだろうか?
仮説だけは立てて置くか。
一つ、時間経過。
1つ、獣人Aが豪運だった。
(i)つ、回復したMP分を使い切った。
一つ目だったら、時限爆弾みたいな使い方ができるな。1つ目だったら、確殺方法じゃなくなるから、いやだな。(i)つ目だったら、某魔術使いの起源弾みたいになるな。検証につきあってくれる人居るかなぁ。
決闘の結果はもちろんのこと俺の勝ちだ。