喧嘩はタダで買うのが正義
目を開け、周りを見渡すとチラホラと人がいるため、まずは裏路地に超低空飛行で移動する。そこで幻影を使用して、噴水広場に戻る。戻ると先ほどまでいた人に加えて何人か、何体か?増えている。よし、覚悟は決めた。
すううぅゥゥーーーはああぁぁぁーーーすうぅぅゥゥーーー
「コミュ障ー!バンザーイ!!!!」「てめえかぁあーーー!!」
合言葉を言うと、噴水の反対側にいた赤鬼がものすごい勢いで、棍棒を振りかぶってきた。軸が一直線に振られたから、右にステップで避けた。そして鬼の名前のタグを見ると、【シンタク】となっていた。
「よお、TAC、今のは水に流しちゃるから、案内しろ」
「今のはついカッとなってやった。今は後悔していぬ。ま、そうだな。案内しよう。ああそうだ。俺のことはシンといえ。」
「りょーかい。じゃ、行くべ。つか…」「待ちなさい!そこの人間!」
うにゅ?身長が170cmのクマの耳を持った女が声をかけてきた。
「その人は私たちのパーティに入ることになっています!勝手に連れて行かないでください!」
なんか変な奴が湧いたなあ。「あいつ、何?」
「オープンβの時に、臨時パーティ組んで、目ぇつけられた。そこから見つかったらパーティ申請やフレコード申請が飛んでくるようになった」
「ま、無視するか。」「そだね。」「無視しないでください!」
そういうと、何やらウィンドウをいじったと思ったら、
⦅決闘の申請を受け取りました承諾しますか?⦆
とウィンドウが幻影と本体の目の前に現れた。
「おい、受けなくてもいいぞ。」
「いや、喧嘩はタダで買うのが至高でしょ」
⦅決闘が成立しました⦆
決闘が始まる前に俺はTACにきく。
「なあ、あいつって種族何?」
「あぁ、クマの獣人だよ。自分で言ってた。それに魔法型。」
「変態か?」
「かもな。獣人の固有魔術は<変化>。対応する獣に姿を変えるらしいよ。」
「なるほどな。」
種族が分かればこちらのもんだな。そして魔法使いで獣人とは。これが、かませ犬......?いや、かませ熊か。
⦅決闘を開始します⦆
作者は喧嘩はしたことがありません