”森の賢猪“戦
なお、戦うとは言ってない
邪魔するものが一つもないと言ったな、あれは嘘だ。まあMMOで空が飛べるんだったらお仕置きモンスが出ないほうがおかしいもんな。うん。五キロぐらいまで進んだところで横から東洋風の龍が突然並走しながら現れて尻尾で下にあった森にはたき落とされた。
そのせいで現在はなぜかHPの回復する草をむしゃむしゃ食っている。妖精の森で集めた草なんだが、これがまたまずいんだ。くっそあの龍いつかボコってやる。
翅で飛んでいると満腹度がゴリゴリ減っていったから満腹度の回復も兼ねて飯を探している。今なら食えるものならなんでも良い。とりあえずこのクソまずい草よりも美味いものが食いたい。肉か魚か、そうやって悩みながら彷徨っていると、目の前に猪と川を見つけた。まずは鑑定だ。
猪は…⦅エリアボス”森の賢猪“を確認しました。相手はまだこちらに気付いていません⦆
ボスかよ…ええと、川は⦅エリア“妖精の川”を発見しました⦆
▷妖精の川◁
種類:セーフティエリアor人間ではその上を超えることができないとされる水が流れる川。その水は人が体内に取り込めば内側から破裂してしまうが、その近くを飛び回る妖精を狩るために訪れる人間が後を立たない。
※ここではHP、MP、満腹度、渇水度は減少しない
とりあえず、この場を離れた方がいいだろう。その時、猪が声をかけてきた。
「そこな妖精、姿を見せよ」
バレている…だと…いやいやそれよりも、こいつ…しゃべるぞ!ここは逃げるよりも見せた方がいいだろう。そう思い森から出ると
「ほう、銀妖精か。久しいな、こうして森の外で出会うのは。」
「ええと…」
「ははっそう怖がるな。なに、とって食おうとは思わんよ。何故、こんなところにきたのたのだ?」
イノシシが喋ったことには驚いたが、ラフな口調で話すんだな。
「腹が空き、喉が渇いてしまったからだ。」
「ふむ?妖精は空腹にならず、喉も乾かない者たちと聞いていたが…いや、彼らは、そうか。」
むむっ?何かが違うぞ?
「まあ、なんだ。珍しい種族に会えたんだ。ここの任務など、少しくらいならいいだろう。」
「ええと…貴方はなんなのか?」
「ああ、すまないな。我はここの守護を司っている。ここの水はお主なら勝手に持って行って良いぞ」
⦅“通行許可証”を取得しました⦆。ファ?!
「それはお主がここのエリアに限り自由に通れることの証明するものだ。」
そういうと、気が済んだのか、どこかに行ってしまった。