初めてのクエスト
つぎに、人気が多い市場に向かう。市場を歩いていると、なにやらじろじろとみられる。その目は好奇心や不安感などが入り混じっている。そこで気づいた。今の身長は2m、普通の人の身長は1.70m。周りから見たら俺は化け物だ。そこで、一旦都市の外に出てから本体(妖精)で聞き込みをすれば良いのだ。そう思い立ち、近くにある門から出ようとすると門を守護しているゴリラのような兵に止められた。
「其処の古代機械式人形!お前には機械式人形の基準違反の容疑がかけられている!大人しく投降しろ!」
オートマタ?基準違反?ようぎ?なんのこっちゃ?ってああ、この姿か。逃走するもいいが…どうせなら捕まってみよう。ちょうどいい。このゴーレムの隠し場所が欲しかったんだ。問題はどうするかだが、
「グ…ゴゴ…ゴ…」
とりあえず、その巨体のまま前に倒れ込んだ。
目を覚ますと鉄格子がはめられた部屋におり、首、手首、足首に枷が嵌められ、鎖で壁につなげられていた。上の方から光が見えるので、塔の中のようだ。逃げ出そうと動いてもなかなか抜け出せない。その音で気付いたのだろう、格子の向こうからあの兵と同じ格好の、しかし樹木のような肌をした男が声を投げかけてくる。
「抜け出せないぜ〜お前。その枷はオートマタが動くためのエネルギーを吸収して重く、固くなるように作られている。大人しく基準値以下にさせる為のオペを受けな。」
おちゃらけた雰囲気で男は言う。
本体の目の前にウィンドウが出現する。クエスト画面のようだ。
◁種族クエスト:人形研究所から脱出しよう▷
クリア条件:建物からの脱出
失敗条件:ゲーム内時間120:00:00の経過発生条件:種族:オートマタの時、ファスタッドをおとずれ、門より出ようとする
クリア報酬:進化先の解放
失敗時報酬:持ち物の一部使用不可、EP上限の初期化
あれ、俺にうまみなくね?ってあの男消えてるし。