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異世界の彼方で  作者: 牛丸
異界異端編 第一章
8/10

1-6 出現

「あっ・・痛ぇぇぇぇえええええええええ!!!!」


唐突に真っ白い光に包まれた大広間に声が響く。


ミチカだけでは無く、同じ光に包まれ困惑していた先生、生徒らも。誰かの悲痛の叫びを耳にする。


真っ白い異常な光の中で響いた悲痛な叫び。


連続する異常に大広間に居る人々は困惑するが。叫びを引き金としたのか、次第にとだが、暴力的に眩く光った閃光は静まっていく。


元々からして異常な、目を潰さない光が収まると。直ぐに状況がどうなってるのか確認出来た。


状況を確認しようとするが。だが、目の前で起きた、起きてる光景に人々は唖然した。



「ぐぉおおおおおお。痛ぇ、マジか。腰打った。マジで痛ぇ。嘘だろもっと高い所から、現れて落ちると思ってたら。真逆の1mからの落下かよ。マジかよ。つうか、痛ぇ」


大広間で魔法失敗事故に巻き込まれ、異常現象が起きた後。何か大広間にも異変が生じてないか確認しようとした人々の前に。飛びっきり分かり易い異変。


大広間の中心、台座の有った跡に。何処とも知れん人間が、腰を強打し腰を抑えながら大広間の床をのたうち回り、悶絶する姿が目に入った。


急に現れた不審者が、魚の様にのたうち回る光景に、ミチカを始めとした人々は。理解出来ずに。只々、立ち尽くすばかりである。


その間も「ぬぉおおお」と叫んで悶絶する不審者。奇妙極まり無い姿の人間は、大きく独特の感覚。赤子を出産する時の呼吸法で息をして、痛みを和らげている。


数分後。大広間に居る人々が呆けてる間に。幾度となく大きく呼吸した後、漸く痛みが和らいだのか。不審者は腰を摩りながら、溜息を吐いて立ち上がる。


「やれやれ、痛てて。油断したよ全く。ウケるねこりゃあ、笑えるわ。ザマァねぇ」


「やれやれ」と再度呟き、不審者は立った後に、笑いながらミチカに振りむく。


「アンタが、俺を召喚した張本人(しょうかんしゃ)か?結構な事するねぇ。久々にイキかけたわ」


文句を言いつつ、横に顔を向けて苦笑する不審者はミチカを見下ろし。ミチカは見上げた。


自身より高い身長の、声からして男と思わしき人物。その姿形は、身長は高いのだが。足首まで伸びた煌びやかな紫髪に女性的面影を携えた。一見すると、一瞬女性と思えてしまう人物であった。


シニカルに笑う人物(かれ)の服装も、()なるもので。


上下が繋がり、婦人服(ドレス)と思わせるような感じであるが、形状はまったく違くて。腰より上付近を、革帯の数倍ある革とは違った素材で出来た帯状で巻き付け、後ろで特殊な結び方で締めており。ゆったりと大きく手が簡単に隠せそうな袖や。下腹部の広げれば簡単に足が出るような腰巻(スカート)ぽっい部位の裾に、彩りどりの花々が描かれている服装であった。


ミチカは見た事無く、知らない服装をしている不審者は。彼女の事をしっかりと見据えて。


まるで、品定めしてる様に見え。ミチカは見え上げながら怯えて一歩後ずさんでしまった。



「あのさ―。」


手を動かして、不審者はミチカへ声を掛けようとした所。


「ちょっと、貴方!!一体所から現れたの!!」それにミチカさん!!何をしでかしてるの!!


この大広間(ばしょ)で二番目に偉い且つ監督権限を持つ、女教師のマルヒナが。ブチ切れて、二人に怒鳴りながら近づいて来る。


不審者(かれ)は、ヤレヤレと肩を竦めて怒鳴り声を上げる人の居る方を見た。


状況はてんわやんわとなり。今後どうするかと監督/.見届け薬の先生方ら直様その場で協議して。生徒らは異変とその後の状況で戸惑い、後から駆けつけて来た先生らが対応して。試験を中止して、大広間から後にする様に指示をし、教室へと戻させた。


その最中に、幾人かの生徒らは。


「あれって、もしかして」「いや、でも。確かに」「嘘でしょ、そんなの」等と声にして。半信半疑な気持ちとなって。先生に連れられながらも、不審者を見ながら囁き合って、より大きい事の重大さ測り合っていた。


そして、件の二人は。


事の重大のさの為に、校長室へと連れて行かれた。

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