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異世界の彼方で  作者: 牛丸
異界異端編 第一章
6/10

1-4 落度

女教師マルヒナのお説教から教室に戻って直ぐ。実技試験の為に今度は1階にある大広間に向かう。


大広間は、儀式や実技演習など、他の行事や教育で使う事も多く。今回は実技試験の為に使用されることになる。


実技試験は、2年生までは学年末に行われる試験で。


3年生は卒業/進学の都合上、去年には既に実地され。その後に1年生、2年生と行われる予定になっている。


そこから、学年内で二組に分かれ。二日間掛けて実技試験は行われる。


その初日組にミチカは振り分けられている。


順番としては、その日の大体中間辺りに受ける位置になっていた。





ミチカは先ほどに喰らった説教なんて頭から飛ぶほどに、不安と緊張に飲まれ。心臓の鼓動が酷く耳に響いて来るので。恐くなって挙動が可笑しくなり、周囲を見回してまう。


周囲には、白髪白髭で白いローブを着た老年の校長を筆頭に。女教師マルヒナ他数名の教師が監督している。


あぁ、始まってしまう。と身震いしていると。試験の開始を告げる様に、大広間の中央に座してる台座に()が灯され。。試験担当の教師が一人の男子生徒名前を呼ぶ。


呼ばれた男子生徒は大きく返事をして前に出て、中央の台座に近づき。少し離れた所に立ってから、大きく集中して魔術を起動させる。


「~~~~~」


か細くされど世界に提示するような詠唱を行い、魔術が発露する。


魔術詠唱を行う生徒の前方上で、歪んだ光が起こり。その光から雷光が迸る。


雷光は台座を中心とした場所から描かれる、紋章陣(まほうじん)の中で起こり。決して、外部に漏れる事無く起こり続ける。


暫く雷光が起こり続け、試験担当の教師が良しと告げると。魔法を起動していた男子生徒は、雷光を収め。試験担当の教師から『良』の認可を貰い、握り拳を作って静かに喜んだ。


その後に、次の生徒の名前が呼ばれ。似て同じ様な事を行っていく。


風や雨、(みぞれ)(ひょう)に雪。また雷や竜巻を起す魔術を行う者や。樹木を生やしたり、火を起したり、金属を生成、はたまた武具を創造する者など。


全てが小規模ながらも多くの者によって、多種にわたる魔術を起動され。試験担当の教師より合否、『良』『可』と認可を貰い。


中には起動に失敗したり、魔術発現として足りない者など居り。


そういう生徒らは、『低』『不』を貰い。後日、追試や補修を受けてからの追試などを受ける事になる。


一人当たりの試験時間は平均して約2分程度と。短くて一分、長くて5分程の時間を掛けて行われて行き。


順調に試験が進んで行った所で、遂にミチカへと番が巡って来た。





教師に名前を呼ばれたミチカは、返事をした後に前へと出て台座に近づいていく。


名前を呼ばれてから、周囲の生徒から揶揄いや面白がる様な目線が、ミチカへと飛んでいくが。


本人はやって来た番に大きく緊張して。只々、この試験を無事に抜けたい一心であった為に視界が狭まり。普段なら、まぁまぁ気付くだろう周りから来る視線に、意識を傾ける事など出来る訳が無かった。


彼女自身の成績的に、失敗すれば留年を飛び越えての退学であることと。足りなけらば、追試を受けることなく留年となることは確実なので。なんとしても成功させないといけないと追い込まれ緊張はどんどんと増大していく。


それ故、体はガチガチになり。歩き方が多少ギコちなくなる。


ミチカの緊張は、周囲には分かり易く伝わり過ぎて。その事で大笑いする者は、試験中の状況的下ではまず居ないが。しかし、失笑する者は多く。小声ながら彼女を揶揄い続ける。


周囲に笑われながらも、彼女はなんとか台座の前に立ち。数度、大きくを呼吸をした後に魔術を起動させた。


「~~」


最初の短く言を放ち、自身の持つ幻想を持って術式を起動させる。


「~~~」


その幻想に、今度は行動目的として。大きい岩を形成する想像を組み合わせる


組み合わせた想像によって、岩が形成されて行くことが、現実に起こることを知覚(さっかく)させる。


完全に魔術は、己の想像を元に軌道に乗り。あとは現実に発露させるだけになった。


「~~~~」


その間でも、彼女は細心の注意を払い。魔術の軌道を制御させようよ務める。


彼女自身、魔術が失敗する時は。何処かで軌道制御が出来ずに。魔術の発動自体がすっ飛んで行った感覚があるので。


そこさえ注意すれば、ある程度は発動を成功させれると踏んでいる。


だからこそ、最後まで気を抜かずに。より深い所まで意識を集中させて、魔術を発動させていく。


(よし、このまま行けば)


彼女としては、会心の出来だったのだろう。


気を緩めることはせずに、されど内心ではほくそ笑んで。魔術発動成功の暁には、合格の認可が貰えると確信する。


もう少し、もう少し。彼女は手に力を入れて、魔術が発露するまで慎重に軌道制御させ成功へと導いていく。


魔術が発露するまであと一歩。


其処まで行って、彼女はある違和を感じた。




(えっ!?ナニコレ?)


途端にミチカの想像と術式の軌道がブレ始める。


それは最初は歪みから始まったモノが、次の瞬間に盛大に膨張して膨れ上がり。間髪置かずに爆発したのである。


彼女の想像で行われてた知覚から、それは現実へと発露され。


瞬間、暴力的に眩い閃光が起こり、大広間を覆い尽くした。

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